「自分で考えるサッカーを子どもたちに」をテーマに、サカイクでは「シンキングサッカースクール」や「サカイクキャンプ」などを通じて、子どもたちの成長をお手伝いしています。
2017年1月下旬、シンキングサッカースクールのヘッドコーチを務める高峯弘樹コーチが、「子どもを自立させる、親の接し方」というテーマのもと、ジュニア年代の子どもを持つ保護者を対象にしたセミナーを行いました。(文:鈴木智之)
■『やってみたい』と思わせる
育成年代を中心に、20年に及ぶ指導経験を持つ高峯コーチは「どうすれば、子どもが自らの意思で動くようになるかを念頭に、日々、子ども達の指導にあたっている」と言います。
「子どもが自分から動き出すために、どんな言葉をかければいいか。どうすれば、子どもが自らの意思で動くようになるかを、長い間考えてきました。コーチとして、子ども自身に『やってみたい!』と思わせること。それが、我々大人の腕の見せどころだと思います」
高峯コーチ自身、少年時代からサッカーをする中で「自分で考えたことを表現し、結果が出たことでどんどん自信をつけていった」と言います。そうすることで見える世界が変わり、いろいろなことにチャレンジしていったそうです。
「その経験から、自由や自立をテーマに、子ども自身が判断して決断できる人間になるために、大人がどのように接するべきかを日々考えています」
■手をかけずに目をかける、距離感が大事
親が子どもにどう接することで、子どもは自立していくのでしょうか? 高峯コーチは「これが正解だとは限りませんが…」と前起きをした上で、次のようにアドバイスを送ります。
『放っておく、けど監視はする』
「たとえるなら、テレビ番組『はじめてのおつかい』の距離感です。あの番組は子どもたちだけでおつかいに出かけているように見えて、なにか問題が起きないために、多くのスタッフが変装して子どもの近くにいますよね。このように、大人は子どもを近くで見守ってはいるけど、簡単に手助けをしない。この距離感が良いのではないかと思います」
さらに高峯コーチは「まず親が、自分の人生を生きましょう」と呼びかけます。親が趣味や仕事など、子どもとの関わり以外のところで人生を楽しむ。その姿を子どもに見せることで「自然と子どもの距離が離れていくのではないか」と語ります。
「子どものことが心配で、親が近い距離で関わってしまいがちですが、たとえ子どもに自由にやらせたとしても、大人がコントロールすることはできると思います」
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文:鈴木智之