■『自分ごと』になると子ども自身が考える
高峯コーチは、サカイクキャンプなどでのべ5000人の子どもたちと接してきました。子どもの数だけ親がいます。電話や対面などで様々な問い合わせを受けるそうで、なかには「過保護すぎなのでは?」と思うこともあるそうです。
「たとえばキャンプの前、様々な問い合わせが保護者の方から届きます。練習着は何枚必要ですか? スパイクとトレシュー、どっちがいいですか? 洗濯はどうするのですか? 水は1日2リットル必要なので、3日分6リットルをどうやって持たせればいいですか…など」
サッカーキャンプは親元を離れて、いわば非日常を経験する場です。初めて会う子どもやコーチとともに共同生活をして、様々な経験をする。それはサッカーを教わること以上に、重要な体験でもあります。
「子どもたちは、一日目の夕食の時間ですぐに仲良くなります。遠方から来た子ども同士が仲良くなり、時間が経つに連れて目がキラキラと輝いてくる。こうなると、しめたものです(笑)」
そんな子どもたちとは裏腹に、保護者の方の中には、心配がつのるあまり、思わず手をかけてしまうこともあるそうです。
「サカイクキャンプで携帯電話の持ち込みを禁止にしていないときは、親から毎日のように電話がかかってくる子もいました。サカイクキャンプは『自分で考える』ことをテーマにしているので、その接し方はちょっとどうなのかな、と思うこともあります。親が子どもに注意している場面を見かけることもありますが、親が言いすぎても、子どもは右から左に流して聞いていないんですよね。極端な話、忘れ物をしても良いと思っています。そこで叱られたり、不自由な思いをすることで、子どもにとって『自分ごと』になり、次から忘れ物をしないようにはどうすればいいか考えるようになるんですよね」
高峯コーチは「子どもに自分で考えさせるために、親が手をかけすぎないこと」を、たくさんの実体験を交え、セミナーの参加者に語りかけていました。そして、こう付け加えます。
■親は後始末を引き受ける覚悟を持つこと
「子どもと適度に距離を取りながらも、なにかが起きたときには、親が後始末を引き受ける覚悟を持つこと。『はじめてのおつかい』のように、放っておくけど、大怪我しないように見ておく。あれやこれや口を出し、手をかけすぎると、子どもが成長するために必要な“考える力”をスポイルする可能性があるので、気をつけたいものです」
2人の子どもを持つパパでもある高峯コーチは、自分に言い聞かせるように言葉をつむいでいました。後編では、サカイクキャンプなどで実際に子どもたちとどう接しているか。実例をもとに紹介します。
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文:鈴木智之