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サッカーも勉強も"伸びる子ども"が身につけている「見える力」と「詰める力」/花まる学習会代表・高濱正伸

公開:2018年4月16日

キーワード:やりぬく力サッカー小学生思考力発想力花まる学習会

■サッカーで身につく2つの力

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(『見える力』をつけるにはサッカーは最高だと高濱さんは言います ※写真はサカイクキャンプ)

「『見える力』を身につけるには、サッカーが最高ですね。算数、数学の分かれ目、思考力の差が生まれるのは、図形問題で"補助線"が引けるかどうかで決まるんです。サッカーって補助線を見るスポーツじゃないですか。あいつにパスしたらこうつながってあいつが走り込んでくるはずだからシュートまでいける。見えない線を見えるようにする作業をしているわけです。補助線を引くというのは、考える範囲を狭めて答えを絞り込んでいくということなので、サッカーをプレーしていれば自然とこういう考え方が身につくことになるわけです」

サッカーIQが高い、サッカー脳がいい、戦術理解度が高い......、色々な言い方がありますが、サッカーのピッチで「見えている」選手は、勉強に必要な「見える力」を備えていることになります。

「不思議なんですが、ノーベル賞とか数学のフィールズ賞受賞者って、田舎出身の人が多いんですね。何でもない枝を遊び道具にしたり、自然を相手に工夫しながら遊んで育ったからなんです。たとえば子どもたちが集まって、野球しようぜとなったら、4人しかいないからやめようとはなりませんよね。壁をキャッチャーにしたり、ルールを変えたりしてなんとか楽しむ工夫をします」

たしかに面白さが基本にあって、工夫してでもやりたくなるのはスポーツの魅力の一つです。

「もう一つの『詰める力』は最後までやり抜く力のことですね。これはスポーツ全般で身につけられることだと思います。見える力があってもそれが才能の開花につながらない子どもが結構います。東大の数学の問題なんかは、長い時間かけて解いていると途中で『もういいや』となる。結局、絶対やる、やり抜くという執念がある人しか解けないんです。執念とか情熱って、見落とされがちだけど、バカにできないんです。いまの世の中は『嫌いに逃げ込む』ことがありますが、それはほとんどが思い込みです」

古くさい価値観と思われがちな「最後までやり抜く力」は、思考力、発想力を養い、物事を形にするのに不可欠な力です。個性が尊重され、多様性が認められる世の中は素晴らしいのですが、その副作用として子どもたちが「我慢する場面」が減っていることもまた事実。我慢や忍耐力を身につけるのに、スポーツほど適したものはないでしょう。

高濱さんのお話は、ここからさらにスポーツ指導、さらに家庭での親子の会話、お母さんへのアドバイスへと進みます。サッカーやスポーツを活かす指導法とは? お母さんたちにも参考になる子育ての肝とは? 気になる人はぜひ後編もご覧ください。

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)/花まる学習会代表
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。著書は『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』など多数あり、「情熱大陸」「カンブリア宮殿」など、数多くのメディアにも登場している。


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文:大塚一樹

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