考える力
勝ちを目指す情熱がサッカー上達や内面の成長につながる! 強豪国の子供と対戦して見えてきたこと -しらゆり招待 オランダ遠征②-
公開:2018年9月 7日
■オランダ遠征で得た気づき、子どもたちの将来のために大事にしたい指導
言葉が完璧に通じなくても意思の疎通ができることを体感した子どもたち(写真提供:しらゆりシーガルス)
「決勝戦の後に、勝った喜びを爆発させるチーム。その後ろで泣き崩れる選手、呆然と立ち尽くす選手を見て、サッカーの原点を見ることができました。育成年代では『勝利か育成か』という議論がされますが、その考えは対立するものではないと思っています。問題があるとするならば、どちらかに極端に偏ってしまうこと。オランダの子どもたちを見て、勝ちを目指す情熱が上達や成長に繋がることを実感しました。子どもたちに、将来どんな人間になっていてほしいのかを考えた上で、サッカーを通して、いま、何を、どのように伝えるのか。指導者として、その重要性を改めて痛感しましたね」
さらに、こう続けます。
「なにより大切なのは、相手をリスペクトする気持ちを持つこと。このような考え方をトップダウンではなく、草の根から発信していくことが大事だと思います」
サッカーはスポーツとして楽しむだけでなく、生きていく上で必要なことを経験し、学ぶことができるツールでもあります。普段とは違う環境である海外に行き、多様な価値観に触れることで、たくさんの気づきを得ることができたようです。
海外でオリジナルの大会を主催するという、大きなチャレンジを果たしたしらゆりシーガルスの選手たち。将来に向けて、大きな財産となる経験をすることができたのではないでしょうか。
<<運営、審判、試合の作戦まで子どもたちだけで実行!しらゆり招待
「しらゆり招待」を主催するFCしらゆりシーガルス監督
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しらゆり招待サッカー大会とは
しらゆりチャンピオンスポーツクラブ、FCしらゆりシーガルスが主催する小学生年代のサッカー大会。伊勢原市、学校法人伊勢原白百合学園が後援。
神奈川県伊勢原市で開催される「子どもが主役」を主旨として、子どもたちが主体的に大会を運営する大会。設営から試合の審判、片づけまですべて子どもたちの手で行い、大人はそれを見守りサポートする「子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのための」大会。
日本では、サッカーだけでなく人間性を育むための大会を行っているという事を伊勢原から世界に発信していく。
更にこの大会は、サッカーを通して地域を活性化させる狙いもある。伊勢原市観光協会は、民芸品や郷土料理を販売し、伊勢原・大山をアピール。県外からのチームは大山旅館組合の旅館に宿泊。伊勢原市の伝統工芸品「大山こま」の大会を伊勢原青年会議所と一緒に開催するなどたくさんの地元の企業・団体・商店がこの大会に関わっている。キッチンカーが何台も並び、単なるサッカー大会でないことが分かる。地元の高校生との交流もあり、スポーツと文化を通じての地域交流の場にもなっている。子どもの成長の場を、大人や地域がみんなで協力して支えている大会である。
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構成、文:鈴木智之