「発育期の子どもたちは、フィジカルトレーニングってしていいの?」と、質問をいただくことがあります。確かに、「成長過程で筋肉をつけてしまうのはよくないのでは…」など、耳にすることもありますが、ゴールデンエイジ期(9~12歳)にしか、獲得しにくいと考えられる神経系、コーディネーショントレーニングを主軸とした、運動能力向上のための、正しいジュニアのフィジカルトレーニングがあるんです。
そこで、多くのプロ選手や育成年代チームのフィジカルトレーニングなどを指導してきた、アスレティックトレーナーの山本晃永さん(Y’S Athlete Support代表)が指導する小学4年生~6年生を対象にした、コーディネーション&フィジカルトレーニングのスクール『GAPS』で行っている練習を取材してきました。お家や、練習後などにも簡単にできるメニューを紹介します。
■森本貴幸選手なども実践! フィジカルトレーニング
まずは、ストレッチ(コーディネーション)から始まります。
アキレス腱を伸ばしたり、身体をしっかりとほぐして、運動を行う体勢を整えてスタートです。
□正しいフォームを作ろう!
■フロントランジ
《Play》
①その場で、片足を大きく踏み出し、腰を落す
②足の接地は、足底のやや前側から行い、つま先立ちにならないように注意
③両足を交互に行う
《Point》
①つま先、ヒザは同じ向き
②太ももの前、おしりを意識して、しっかり吸収する
③ストライドが狭すぎたり、広すぎたりしない
④吸収時に骨盤の横ブレがないようにする
□正しいフォームを作ろう!
■サイドランジ
《Play》
①その場で、左右どちらかの方向へ、片足を大きく踏み出し、股関節、ヒザ、足関節をバランスよく曲げる
②両足を交互に行う
《Point》
①つま先、ヒザは同じ向き
②太ももの前、おしりを意識してしっかり吸収する
③吸収時に骨盤の横ブレがないようにする
※応用として、森本選手は、メディシンボール(3㎏)を持ってトレーニングしています
□正しい動きを身につけよう!コンタクト編
■外力フロントランジ・パートナー
《Play》
①2人が同じ方向を向き、一人がフロントランジの体勢を作る
②後ろの選手が、押す、引くなど、外力をかける
③外力をかける部位は、肩や腰など、さまざまな場所とする
《Point》
①つま先とヒザは正面
②フロントランジの体勢を作っている選手は、バランスを崩さないように腰を落す
③バランスが崩れても、すぐに体勢を戻す
そのほかにも、駆け引きや対人トレーニングなど、テーマに沿ったトレーニングをしていました。フィジカルというと、筋トレのような練習を想像してしまいますが、GAPSでは、楽しみながら運動能力を向上させるトレーニングが多く、これまでフィジカルトレーニングのイメージが一遍する内容でした。
スクールの詳細は『Y’S Athlete Support』WEBサイト(PC)まで
【告知】『サッカー自主練革命』
今回、ご紹介した山本晃永さん(Y’S Athlete Support代表)の最新著書『サッカー自主練革命』が、発売されました!
中高生を対象にした『自主練』がテーマの書籍です。
1500円(税別)
発行:イースリー
発売:河出書房新社刊
取材協力/Y’S Athlete Support
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取材・文・写真/サカイク編集部