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運動能力

子どもの足を速くしたい親必見!足が速くなるコツの上手な伝え方

公開:2015年10月 1日 更新:2023年6月30日

キーワード:フィジカル講習会足が速くなる

「大切なのは『行進の動き』だよ。行進の歩き方をだんだん速くして走りにつなげよう」
「100%の力で走ると力んで逆に遅くなるので、70%~90%の力で走ってみよう」
「足下はフライパンのように熱いというイメージで。地面に足をつけている時間を短くしよう」
 
先日開催された小学校低学年向けのタニラダー講習会。タニラダーでお馴染み、ヴァンフォーレ甲府でフィジカルコーチを務める谷真一郎さんのわかりやすい説明にどんどん引き込まれていったのは子どもたちだけではありません。
 
子どもたちが走り回るピッチの傍らで、じっくりとわが子の様子を見守るたくさんのお父さんとお母さんたちが、谷コーチのアドバイスに熱心に耳を傾けていました。
 
今回は、そんな父母の皆さんを直撃レポート。日頃の悩みや講習会の感想など、生の声をお届けします。(取材・文 杜乃伍真 写真 サカイク編集部)
 
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<<前回記事:「一生懸命走りなさい」はNG!低学年から理解できる足が速くなる方法
 

■子どもの走り方を改善するには、あなたの伝え方が肝心

ピッチ脇で子どもが走る様子を注意深く見ていたあるお父さん。
 
今年になって小学2年生になる息子が突然、「サッカーがやりたい!」と言い出し、お父さんとしては「この子がどれくらい本気なのか探っているところ」とのこと。
 
「中途半端にサッカーをかじる程度ではしょうがないので、どれくらいサッカーに対して本気なのかを見たいと思っているところですが、サッカーの前に、まずうちの子どもの場合は走り方が少しおかしいような気がしたんです。でも、ぼくが言ってもなかなか直らないし、そもそもどういう走り方がいいのか彼自身がわかっていないようなので今日は参加してみたんです」
 
速く走る方法についてはお父さん自身、いろいろな情報を収集しながら勉強を重ねているようです。
 
「全力で走ると逆に足が遅くなってしまうことは知っていました。サッカー選手は陸上選手のように速くならなくてもいいじゃないですか。5メートルから10メートルが速くなればいいんだよ、と息子に伝えてはいるんですけどね」
 
動画を回しながらわが子に熱視線を送るお父さん。
 
カメラレンズの先のわが子は、タニラダーを使って行進をしてみたり、フライパンをイメージしながら走ってみたり、はたまた、ちょっとリラックスしながら走ってみたり。他の子どもたちにつられるように少しずつ走り方が整ってきたようにも見えます。
 
「おもしろい教え方ですよね。こうやって動画で撮ったものをあとで子どもに見せて、本人に気づかせることが一番なのかなと思っているんです。速く走れる方法を教えてもらったときに、自分自身が納得していないと元の姿に戻ってしまう。父親としては、子ども自身に走りやすい方法を見つけてもらえるように寄り添うこと。そういうスタンスが大事なのかなと思っています」
 

■谷真一郎に学ぶ!走り方のコツの伝え方

「うちの子どもはすごく負けん気が強いから気持ちで走っているような感じだったんです。だから腕も突っ張って横になっていたし、脚も膝も上がらずに伸びたような走り方になっていました。今日の講習を受けて、だいぶ腕も曲がるようになったし、脚も上がるようになりました。これを続けることですね」
 
 小学2年生のショウタ君と一緒にインタビューに答えてくれたお父さん。
 
「今までは、脚を速く動かせ! そんなふうに散々言ってきたんですけど、まあ速く動かせているような、動かせていないような…」
 
なかなかお父さん自身は、どうポイントを伝えていいのかわからなかったとのこと。
 
今回、講習会に参加したことで「一生懸命走りなさい!」という声がけがよくないことも納得した様子でした。
 
「それに言葉の選択もおもしろいですよね。『フライパン』といういいヒントももらいました。今まではそこまで考えないで言葉を使っていました。子どもがどう自分のなかで解釈できるかなんですよね。熱い鉄板の上を走っているイメージが子どものなかでできてくれば、走るときの脚の動きも変わってくるのかなと」
 
お父さんの傍らにいるショウタ君に、
 
「わかりやすかった?」
 
そんなふうに問いかけると「うん!」と元気よく首を縦にふるショウタ君。
 
「何パーセントくらいの力で走ったときが一番速いと思った?」
「70%!」
 
これまた即答です。
 
「今までは力んで走っていたんだよね」
 
お父さんがそう言って頭をなでるとショウタ君は嬉しそうにしていました。チーム内でフォワードをこなしてきたショウタ君は、最近ボランチもこなすように。チームでも欠かせない存在のようです。好きな選手は「メッシ!」と元気よく答えてくれたショウタ君。
 
「あれ? 本田じゃないの? 日本人選手ならば本田でしょう?」とお父さん。
「違うよ、宇佐美だよ」
 
仲睦まじいショウタ君親子。普段からよく会話をしながら親子でいろんなことを試行錯誤しているそう。今までは、いかにボールタッチをうまくするか、いかに視野を広げるか、そんなトレーニングをたくさん受けてきたそうですが、この日の走り方の講習会は新鮮だった様子です。
 
「今日はぼくが一番勉強させてもらった気がします。子どもに合わせた伝え方がよりイメージできるようになるかもしれません」
 
次ページ:両手がパーになっているから、余計な力が入らない
 

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取材・文 杜乃伍真 写真 サカイク編集部

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