■炭酸飲料は、必ずしも「悪者」ではない

前回の記事では、試合前、試合中には糖質の高いスポーツドリンクを飲むと良いというお話を聞きました。それでは逆に、摂るべきではない飲み物はあるのでしょうか。引き続き、鎌倉女子大学の田地先生に聞いてみました。

「運動前、運動中の炭酸飲料は避けましょう。糖質が多すぎるため体内への吸収スピードも良くないし、ゲップも出てしまうし、試合中にもどしてしまうかもしれないし、悪いことずくめです。ただ、炭酸飲料を頭ごなしに否定しているのではなく、あくまでタイミングの問題で運動前、運動中は避けた方が良いというだけ。よく、炭酸を飲むと骨が溶けるなんていう話も聞きますが、そんなことはありえません」

子どもが大好きな炭酸飲料。身体に悪く、子どもにはなるべく与えたくないものというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、運動後であればそんなに悪いものでもないのだと先生は続けます。

「疲労回復にはできるだけ早く糖質を補給するのがいいのですが、そういう意味で試合後に摂る飲み物はスポーツドリンクである必要はありません。炭酸飲料が好きな子どもならこの時に飲ませてあげるといいでしょう。糖質が多い炭酸飲料は栄養補給という意味では決して悪い飲み物ではないからです」

とはいえ、飲み過ぎは注意したいもの。糖質を摂りすぎてしまうと、肝心の夕食時に食欲がなくなってしまうことも......。3度の食事はきちんと摂ることを前提に、飲む量を半分にするなど大人がコントロールしてあげたいものです。 さて、運動後であれば炭酸飲料を"飲んでも悪くない"ということが分かりましたが、最も"飲むべき"ドリンクは他にあるようです。

「オレンジジュースをおすすめします。ほどよい糖質とビタミンCが摂取できるからです。ビタミンCは風邪などに対する免疫力を高め、コラーゲン合成を促進することから筋肉の損傷回復にも効果があります。ミネラルも入っているので、汗をかいて失われたミネラルを補給するのにも役立ちます」