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サッカーをしない日の過ごし方で、成長が大きく変わる!? 休養こそが上達への近道

公開:2012年12月20日

キーワード:コンディショニング休養

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 前回、日本代表の各年代のトレーナーを務める並木磨去光トレーナーにセルフ・コンディショニングの重要性、すぐにはじめられるコンディショニングとして食事の話を伺いました。2回目の今回は「休養」について。100%のプレーをするために重要な質の高い休み方とは。
 
<<100%のコンディションでサッカーをするために。小学生でもすぐにできるのは「食べる」こと!?
 
 

■「痛みがなくてプレー可」の時間を増やそう

「小学生、中学生年代に関しては、無理をさせないことが基本になります。トレーナーというと治療をして試合に『出場させる』『間に合わせる』ことが仕事と思われがちですが、特にアンダーカテゴリーでは、休ませること、無理をさせないことが大前提です」
 
 トレーナーの仕事について聞いていると、フル代表や五輪代表とアンダーカテゴリーの代表の一番の違いとして、ケガや痛みへのアプローチの話になりました。
プレーの条件として大きく分けると
 
 ・痛みがなくてプレー可
 ・痛みがあってプレー可
 ・痛みがあってプレー不可
 
の3つの状態に分けられるのですが、トレーナーとしては「痛みがなくてプレー可」の時間をどれだけ長くできるかが大切だと並木トレーナーは言います。
 
「実は小学生年代でも痛みがあってプレー可という状態でプレーしている選手が多いのですが、この時間はなるべく短いほうがいいんです。痛みがあると無理をして、身体にも負担をかけていることになりますから、疲れやすくなりますし、別の箇所を痛めたりする可能性もあります。適切な判断ができるトレーナーが身近にいれば相談の上でプレーすることもできますが、そういう知識がある人間が周りにいない場合は、痛みがあるときは休むのが一番です」
 

■効果的な「休養」でサッカーをしていない時間を有効活用

 代表などではコンディションを整える課程では、激しいトレーニングや試合のあとに必ず「リカバリー」という休養の時間を設けています。お子さんたちのクラブの練習では毎日練習があるチームは希でしょうから、この時間をどう過ごすかに差が出るのかもしれません。練習のない日、どう過ごせばコンディションを整えられるのでしょう。
 
「ボールを触らない日を作るのは大切ですね。練習は上達に欠かせないことだと思いますが、上手く休むこともそれと同じくらい大切です。身体の疲労を取ることも大切ですが、一時的にサッカーから離れることで、頭の疲労、心の疲労を和らげて、リフレッシュする狙いもあります。代表合宿でも、他のスポーツで身体をほぐしたりする程度にとどめたりというのはよくやります」
 
 上達には一に練習、二に練習。確かに努力は必要ですが、サッカーから離れる「休む時間」が結果的にサッカー上達の近道になるなんて、なんだか不思議な話ですね。上手く切り替えて練習に集中できる、試合でベストのパフォーマンスを発揮できる身体と心を作るための休み方を上手く普段の生活に取り入れたいものです。
 
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「ケガをしている場合、痛みがある場合は休養がさらに重要になります。絶対に無理をさせてはいけません」
 
 痛みがある場合はやはりチームの練習があってもお休み。もどかしさはありますが、中途半端に練習をしたためにケガが長引いたり、慢性的な「古傷」になってしまったりと、焦ってボールに触ってもいいことがありません。
 
「私はケガをして練習ができない選手にも、練習には行くようにした方がいいとアドバイスしています。チームの練習に参加していないとケガが治ったときにスムーズにチームに入っていけません。サッカーはチームスポーツですから、練習はできなくても自分ができること、荷物運びでもボール拾いでも何でもいいんです。それをやることでチームの一員であると思えるし、ボールに触れない焦燥感も少しは減るでしょう?」
 
 試合のときは最低でも2日前までに「痛み」とプレーできるかできないかを判断して、出場、欠場を決断するのだそうです。試合の重要性、子どもたちの試合にかける思いなどなど難しい判断になりますが「ここでの決断がもしかしたらその選手のサッカー人生を左右しかねません。慎重になってなりすぎることのない重要な決断」だと並木トレーナーは言います。
 
「ケガや練習のない日はサッカーが上手くなるいいチャンス」
 
 並木トレーナーは休養日の過ごし方で、選手の成長は大きく変わると言います。いままで漠然と「大切だけど何をしたらいいかわからない」と思っていた食事や休養、コンディションの整え方。今回はイントロダクションとして2つのことを教わりました。今後も並木トレーナーには身体のこと、ケガへの対処法、ケガをしにくい身体を作るトレーニングのことなど、色々お聞きしたいと思います。
 
 

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並木磨去光 //
なみき・まさみつ
日本代表アスレチックトレーナー。スポーツマッサージ・ナズー代表。トレーナーとしてW杯、五輪日本代表をサポート。ケガ人の治療、マッサージによる疲労の回復、コンディショニング、リハビリテーションなどを担当。今年行われたAFC U-16選手権では久しぶりにアンダーカテゴリーのトレーナーを担当。チームの準優勝、2013年に行われるU-17W杯出場権獲得に貢献した。
 

 

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取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部

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