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もしかして疲れてる!? 子どもの体調を見分ける方法とは【プロから学ぶ疲労回復と夏バテ対策5】

公開:2015年7月22日 更新:2021年6月 8日

キーワード:ベネクスリカバリー体調管理夏バテ町田ゼルビア疲労回復

今季J2昇格を目指し、J3で2位(7月12日現在)と昇格を射程圏内にとらえるFC町田ゼルビア。そこでチームのパフォーマンスを支えているのが、フィジカルコーチの大塚慶輔さんです。コーチとして選手のコンディションを管理し、一緒に長いシーズンを戦っています。育成層のフィジカル指導の経験もある大塚さんに夏に向け、疲労回復と夏バテ対策についてさまざまなアドバイスをいただきました。(取材・構成 木之下潤 写真 サカイク編集部)
 
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<<「私生活の過ごし方がパフォーマンスを左右する」は正しい!【プロから学ぶ疲労回復と夏バテ対策4】
 
 

■子どもの状態を把握するときは日常生活の様子を観察する

――何を見て、選手のフィジカルの状態を判断されているのですか。目安があれば教えてください。
 
たとえば、練習前にグラウンドへ出たとき、「何人の選手がボールを蹴っているのか?」とか、「練習終了後、何人の選手が自主練をしているのか?」とか。それは練習外での自然発生的な運動への欲求を見ています。ようするに、体に対する負荷を練習でコントロールしていますから、それに対する個々の反応を観察しているのです。ある程度、きつい練習をしたはずなのに「この選手は練習を切り上げない」とか、逆に負荷をかけていないのに「あれ、もう練習を終了している」とか。私たちコーチは自分たちの意図したとおりに選手の体が反応しているかどうかを注意深く確認しています。意図しない反応をしたとき、「疲労が溜まっているのかな?」「どこかに痛みや違和感があるのかな?」などと気にかけます。前述したように、フィジカルコンディションを管理していますから、自分の見立てにギャップがあった場合はそれなりの対処方法を用意しておかなければいけません。
 
一方で、トレーニング中の心拍数の変動や体重の増減といった客観的なデータはもちろん参考にします。同じトレーニングを行っても、心拍数が上がり過ぎたり、レストで回復しない場合は何らかのメッセージだと捉え個別にアプローチします。
 
――子どもだと、どういうところに目を向けたらいいでしょうか。
 
ちょっとしたところだと思います。食事の様子を見て「今日は食べる量が少ないな」とか、リビングでくつろいでいるときに「いつもは話すのに、口数が少ないな」とか。私も育成年代のフィジカルコーチを4年間務めた経験があるのですが、子どもたちは私生活の中で何か信号を出すものです。だから、普段から子どものことをよく観察して知っておく必要があります。それが、普段との違いに気づくことになりますよね。
 
――普段から子どものことを見ておかなければいけないということですね。
 
プロでもそうです。少し内容から離れますが、クラブとしてシーズン目標を達成するためにはチームの団結力は欠かせません。試合の翌日に行うリカバリーも、選手全員のメンタル状態などを把握し、どのようにチームを作り上げていくのかを監督と共に私たちコーチングスタッフは、同じベクトルに向かって仕事をしています。たとえば、軽いボールトレーニングの際、複数で1分間リフティングをしてボールを回す遊びをやったとします。もしボールを落としたら軽いジョギングをするという罰則条件で。試合に出場した選手は疲れていますし、出場していない選手は元気です。そのとき、疲れている選手がミスをしたら、それに対して文句を言うのか、カバーし合うのかなどチーム全体のチェックもしているわけです。ようするに、パフォーマンスには心の状態も大きく左右しますから、心にまで気を配る必要があるのです。チーム状態がいいときはポジティブな言葉が飛び交いますし、逆の場合はネガティブな言葉が出てくる。だから、コーチの仕事には、チームビルディングの要素も含まれています。
 
――確かに、フィジカルコンディションとひとくくりで言ってもメンタルが作用しますよね。
 
我々のクラブは、選手スタッフ全員で定期的にチームビルディングを行っています。当然、選手は負けたあとは翌日までイライラしているものです。しかし、それを引きずっていてはシーズンを通じていいパフォーマンスは発揮できません。だから、試合翌日のリカバリーは長くても40分程度で切り上げます。個々でコンディションによってバラつきがありますし、疲労を抱えている選手はケガにつながったりしますから。まず、自分の状態を把握し、補強が必要な選手は終わった後に少しトレーニングをしたり、痛みがある選手は治療を施してもらったりと、各々でリカバリーの時間を有効活用するようにしています。
 
次ページ:子どもの体調管理にも使えるQCシート
 

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取材・構成 木之下潤 写真 サカイク編集部

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