9月中旬に、一般社団法人キッズ&ジュニアスポーツコンディショニング協会が展開する『パパママトレーナー講座』が関東地区で開かれました。テーマは「1日10分でできる子どものコンディショニング」です。日本体育協会アスレチックトレーナーの資格も持つ佐藤曜子先生のもと、スポーツをがんばっている子どもを育てるお母さんやお父さんが必要な知識と実際の技術を熱心に学んでいました。(取材・文 木之下 潤 写真 サカイク編集部)
■コンディショニングはトレーニングと同じぐらい重要!
「小学4年生の息子がサッカーをやっています。ただ年齢を重ねるにつれ、『体が重い』と口にするようになりました。だから、入念にストレッチをさせるようにしたり、マッサージをしてあげたりと、体のケアには気を使っています。たまに体をもんであげると『そこ、気持ちいい。もっと、やって』と言うので続けています。けど、そのもみ方が正解なのか、どの程度もんであげるのが正解なのか、何もわからずにやっています。今日はそこを学んで帰りたいと思います」
講座前に、あるお母さんが参加の理由をこう語っていました。体のケアと言っても、具体的にどうすればいいのかを知っているお母さんやお父さんは少ないでしょう。子どもが「気持ちいい」と口にするからやってはみるものの、どのくらい力を入れたらいいのか、どのくらいの時間やっていいのか……、不安に思うお母さんは圧倒的に多いのが現実です。
体をケアすることのメリットは疲労回復だけではなく、ケガの予防が挙げられます。これはスポーツをする子どもたちにとって大切なポイントです。ただし、試合の日の夜もお父さんお母さんにはやることがたくさんあります。息子や娘の体をもんであげる時間を長く作れるわけではありませんし、毎回やってあげられるわけでもありません。
実際にケガをした我が子のことを振り返ってみると、痛みを我慢しながら、あるいは痛みをごまかしながらプレーしていることが多かったはずです。そして、ケガをしてしまった後に病院へ行くと『この状態だと、しばらく休むしかありません。もう少し早く来てもらえたらよかったのですが』ということを医師に告げられたお母さんやお父さんはたくさんいるでしょう。
サッカーでも野球でもバスケットボールでも水泳でも…子どもはそのスポーツが好きで楽しいからやっています。だから、多少疲れていてもトレーニングを休みません。練習に通う理由は「うまくなりたい」とか、「友達に会いたい」とか様々です。
しかし、体を動かし続けたら疲労が溜まるのは当然のことです。体力の回復もままならずトレーニングを続けたらオーバートレーニングに陥ってパフォーマンスが落ちるのは当たり前ですし、子どもたちはプレーに納得できず、モチベーションを下げることになるでしょう。
だから、コンディショニングが大事になるのです。体の状態が整えばモチベーションが上がり、心の状態も同時に整います。そうすれば、良いパフォーマンスが発揮できてスポーツが上達するし、楽しくなります。つまり、コンディショニングはケガの予防はもちろん、心が安定してトレーニング効果を上げることがにもつながるのです。
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取材・文 木之下 潤 写真 サカイク編集部