健康と食育
足首をグキッとひねる前に!お子さんのねんざを防ぐ2つのトレーニングと『POLICE処置』
公開:2017年10月17日 更新:2017年11月28日
サッカーは激しいスポーツ。ときには予期せぬケガに見舞われてしまうこともあります。なかでも足首はケガをしやすく、ねんざをしてしまうと数週間はボールを蹴ることができなくなるので、気をつけたいもの。
そこで今回は湘南ベルマーレアカデミーのアスレティックトレーナー・井口雄太さんに「ねんざを予防するためのストレッチ」とケガをしたときの処置「POLICE処置」について話を伺いました。正しい予防トレーニングと処置の方法を知ることで、ケガを防ぎましょう。
■足指握り グー・チョキ・パー
最初のケガ予防エクササイズは「足指握り」。井口トレーナーは次のように説明します。
「最近は足の指を使えない子が増えています。5本の指をしっかり広げて、地面をつかんで立つことで、左右にバランスを崩しても踏ん張ることができますし、足首をひねる危険性も少なくなります」
<やりかた>
1:座った状態で、足首の位置を車のアクセルを踏むときのように前に出す
2:足の指全体で地面をつかむイメージで、指を折り曲げる動作を繰り返す
3:グー、チョキ、パーの動き(動画を参照)にトライ!
「最初のうちは特定の指だけを動かすのは難しいので、チョキやパーの動きをするときは、お父さん、お母さんが、足の指を抑えて補助をするのも良いですね。補助付きで繰り返すと、次第に補助なしでもできるようになります」
足の位置は座った状態から、少し前に出します。これは「足の裏の筋肉を動かしやすくするため」だと言います。
「足の指だけでなく、足底筋という足の裏の筋肉をうまく使うことも、ねんざの予防には大切なことです。できるだけ足の指を大きく動かし、1回1回の動作でしっかり地面をつかむことを意識してください。疲れたら休みながら、100回程度やってみてください」
■カーフレイズ
続いてはカーフレイズというエクササイズを紹介します。これは足首のバランスと筋力を高めるエクササイズです。
「ねんざをしやすい選手は、つま先立ちをしたときに、足の小指や薬指に体重がかかり、身体が外側に流れてしまいます。しっかりと拇指球に体重を乗せ、足の指に均等に体重をかけて、真上に伸びる。この動きを繰り返し行い、筋力で身体を真っ直ぐ上げられるようにしましょう」
<やりかた>
1:両手を腰に添え、真っ直ぐ立つ
2:その状態で、両足の指に体重をかけて上に伸びる
3:上に伸びる動作を両足で20回行った後、片足立ちになり、両方の足で10回ずつ行う
「このエクササイズは足首に負担がかかるので、痛みがある選手は無理に行わないでください。もしねんざをしてしまった場合は、片足でのカーフレイズで一番上で止まれるか、痛みがないかの2点を確認し、問題がなければジョギングをスタートさせても大丈夫です。この動きが痛み無くできるかどうかで、復帰に向けた目安にもなります」
■万が一ねんざしてしまった時のために!『POLICE処置』を覚えよう
ここで紹介した「足指握り」「カーフレイズ」を毎日行うことで、ねんざ予防になります。しかし、万が一ケガをしてしまった場合は、次の処置をしましょう。それが『POLICE処置』です。サカイク読者の中には「RICE処置は知っているけど、POLICE処置ってなに?」と思った方もいるかもしれません。
「POLICE処置はRICE処置に代わり、近年提唱されている処置の方法です。RICEは「休息(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、拳上(Elevation)」の頭文字でしたが、POLICEはケガをした患部を完全に休めるのではなく、最適な負荷(Optimal Loading)をかけることを言います。たとえば足首のねんざであれば、患部を動かすことはしないほうがいいのですが、足の指はケガをしていないので、動かすことができますよね。完全な休息状態でまったく使わないと、患部周辺の筋力が衰えてしまうので、痛みが許す範囲で負荷をかけていきます」
POLICE処置とは?・Protect(保護)・Optimal Loading(適切な負荷)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)
ケガをした直後の48時間から72時間はRICE処置をして、患部を冷やして圧迫し、心臓より上の位置に置きます。痛みがある程度収まったところで、患部周辺の痛みが許す範囲で最適な負荷をかけていく。これが復帰に向けたプロセスです。
サッカーでありがちな足首のねんざを防ぐために、まず大事なのはエクササイズをして予防をすること。もしケガをしてしまった際はRICE、POLICEなど適切な処置をしましょう。痛みがある程度なくなってからは、復帰に向けて最適な負荷をかけていきます。その際にテーピングを使うと、患部に負担をかけずに、周辺を動かすためのサポートをしてくれます。正しい知識とトレーニングに加えて、サポート用具を上手に使い、一日も早い復帰をめざしましょう!
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