健康と食育
猫背気味の子どもは特に取り入れよう!オスグッドを防ぐ2つのトレーニング
公開:2017年12月13日
小学生から高校生の間は身長が伸びる時期です。成長期のお子さんの中には、過度なトレーニングによってヒザを痛めてしまうことがあります。では、ヒザ痛を予防するために、どうすれば良いのでしょうか? ジュニア年代の指導経験が豊富な、湘南ベルマーレの井口雄太アスレティックトレーナーに「ひざ痛を予防するトレーニング」を教えてもらいました。自宅で成長期の体をケアしましょう!(取材・文 鈴木智之)
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■オスグッドの原因は胸椎の硬さにある
10歳から15歳の成長期の子どもに多いのが「オスグッド」と呼ばれるひざの痛み。これはジャンプやボールを蹴る動作を繰り返すことで、太ももの筋肉が引っ張られ、ひざの成長軟骨が剥離することで生じる痛みです。オスグッドになるとサッカーだけでなく、日常の歩行にも支障が出ます。
オスグッドになってしまう理由のひとつを、井口トレーナーは次のように説明します。
「オスグットで悩む子の多くは胸椎が硬くて、円背(猫背)になる傾向があります。その結果、骨盤が後傾し膝が少し前に出てしまいます。その姿勢で日常生活を送ったり、サッカーのプレーをすると膝に過度な負担がかかり、痛みが出てしまうんです。」
オスグッドは小学校高学年から中学生にかけて発症することが多く「成長期の障害」と言われていますが、全員がなるわけではありません。オスグッドになりやすい人の原因のひとつに、胸椎の硬さがあるようです。ではオスグッドを防ぐために、どのようなトレーニングをすれば良いのでしょうか?
井口トレーナーは「胸椎の回旋(※回旋とは回すこと)」をポイントにあげます。
「まずは胸椎を回旋させて可動域を出し、胸の部分から良い姿勢を作ります。このときに骨盤を後傾するのではなく、ニュートラルなポジションに置いて、膝への負担を減らします」
そう言うと四つん這いになり、トレーニングを実演してくれました。
■胸椎のストレッチ
このとき、手は肩の真下、ひざは股関節の真下にある状態にする。
井口トレーナーは、このトレーニングをする際「ひじの角度と目線に注意しましょう」とアドバイスを送ります。
「まずしっかりと四つん這いの姿勢をキープして、片方の手を首の後に添えて、胸を開きます。このときに腕だけでなく目線を上げることで、胸がスムーズに開きます。さらに、地面に付いている手と首の後ろにある肘がまっすぐになる角度に開きましょう。胸を開いて、ひじと目線を合わせるとうまく動かすことができます。両方10回ずつ、左右差をなくすこともポイントのひとつです」
トレーニングをするときに大切なのは、勢いで胸を開かないこと。ひじの位置や目線、胸の開き方など、動画を見て真似してみてください。
続いて、オスグッドを予防する2つ目のトレーニングです。
■骨盤起こし
サッカーで良いプレーをするために大切なのが、良い姿勢です。骨盤が後傾していると猫背になり、オスグッドの原因になります。井口トレーナーは言います。
「座った状態でありがちな悪い姿勢が、イスに浅く座り、背中が後傾するケースです。学校の授業中や電車の中など、イスに座る時はまず座面の奥にお尻を入れ、背もたれに背中が垂直に当たるようにし、骨盤を前に起こすようにしましょう」
ここで紹介するのは、イスに座った状態でできる骨盤起こしです。
「日常生活から良い姿勢を心がけて、骨盤を起こすことを意識しましょう。携帯ゲームやスマートフォンなどを長時間見ていると、背中が丸まって猫背になりやすいので、とくに気をつけて、ここで紹介したトレーニングをしてほしいと思います」
もし、オスグッドになってしまった場合は、整形外科や整骨院などに行って適切な処置をしてもらいましょう。予防や発症後のケアとしては、これらのトレーニングやストレッチ、運動後のアイシングをするとともに、JK-1(ZAMST)のようなサポーターを装着することも有効です。ぜひ試してみてください。
■オスグッド病になってしまったら、ストレッチとZAMSTのサポーターを試してみよう
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