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健康と食育

ごはんorパン、朝食べるとサッカーの動きがアップするのは?

公開:2017年12月19日 更新:2021年7月31日

キーワード:ごはんたんぱく質エネルギー補給パン朝食栄養食育

元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。

前回は、朝ごはんをなぜ食べるか?というお話をしました。保護者の方には、ぜひ選手と「なぜ食べるか?」という「なぜ?」を確認してくださいねということをお伝えしましたが、どうでしたでしょうか。

この「なぜ」が選手に伝わらないと、例えば保護者の方が一生懸命選手の身体を考えて作った食事の意味はもちろんのこと、そういう心も伝わりにくいかもしれません。

しつこいようですが、この「なぜ?」は朝食に限らず大事にしてほしいと思います。

<<関連記事:朝が弱い...も改善。サッカーの集中力もUPする朝ごはんのチカラ

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(朝ごはんには 米orパンどちらがいいの?)

■どのポジションの選手も必ず摂る栄養素は

さて今回は、朝ごはんに何を食べればいいのかについてお話します。

プロのサッカー選手の朝ごはんの内容は、目的やコンディション、そしてポジションによって実はとり方が全く違います。
もちろん子どもの選手の場合はそこまでコントロールする必要はありませんが、どんな選手でも必ず朝食で摂るのが「糖質」です。

糖質は、米やパスタ、うどん、そば、パスタなどの主食に多く含まれます。おそらく朝食で主食を食べる方がほとんどで、むしろ主食がないことの方がめずらしいと思います。

さてこの糖質は、エネルギーになります。選手の身体を動かすエネルギーはもちろんのこと、勉強したりする頭のエネルギーにもなります。

エネルギーは車に例えるとよくガソリンといわれますが、車はガソリンがあると走ります。でもなくなると止まってしまいます。人間も同じです。運動したり勉強したりすることが、エネルギーがなくなると思うようにできなくなるのです。ですから、まずは朝食で主食を摂ることはこういった働きをスムーズにできるので必要なのです。

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(「主食」に含まれる糖質は身体を動かすエネルギーになります)

■米orパン 朝食にどちらを摂るのがベスト?

では朝ごはんで主食は何を摂ればいいかです。朝ごはんに出されやすい「米」「パン」で考えてみましょう。

まず「米」です。白米、玄米、雑穀米など種類がありますが、栄養素だけで比較すると白米よりも玄米や雑穀米の方がビタミン等の量が多く摂れます。ですから、玄米や雑穀米をお薦めしたいところですが、運動によって疲労していたりする選手にとっては消化が悪く栄養素の吸収を妨げることがあるため、玄米や雑穀米はマイナスになることがあります。

それを予防するためには、玄米は発芽玄米を使うようにしましょう。それだけで消化がよくなります。

また玄米や雑穀米を使用する場合は、白米よりも水に浸透する時間を長めにとってください。炊飯器に玄米モードなどがある場合は、必ずそれで炊きましょう。

栄養素は吸収されることが大事です。食べることではありません。食べても吸収されなければ食べた事にはならないことはわかるでしょう。

玄米や雑穀米は確かに栄養素の成分だけで比較すれば白米よりも多くの栄養素が多く含まれるのですが、吸収されにくいのが欠点なので、そこを上手にとりいれましょう。

■パンは白より黒 朝弱い選手には手軽に色んな栄養素が摂れる点もおすすめ

次に「パン」です。米と違って太りやすいといわれますが、手軽に食べやすいため朝はパンと決めている人もいるでしょう。パンが太りやすいといわれるのは、そもそもパンはバターや砂糖などで作られていて、そこにさらにバターやジャムなどを塗ることで高エネルギーになるからです。栄養素でいえば、糖質と脂質が多く摂れるようになっています。

練習量が多い選手の場合は高エネルギーのパンを食べることは良いのですが、そうではない選手やまた成長期の選手の場合は、食事では必ずたんぱく質を摂りたいもの。

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(成長期の子どもはたんぱく質を上手く摂ることが大事)

ですから朝食でパンをとり入れる場合は、種類とたんぱく質をいかにうまく摂るかに注意しましょう。

デニッシュやクロワッサンなどのバターを多く使った脂質が高いものは、おかずは油を控えたものにしましょう。

あんぱんやチョコパンなどの糖質が高いものの場合は、食事と一緒に100%ジュースなど糖質が多いものは控えます。

そしてパンの場合、何よりも一緒にとりたいものはたんぱく質です。肉や魚、卵、乳製品がたんぱく質を多く含む食材なので、パンと卵と乳製品などは理想的な組み合わせです。

また食パンにバターやジャムよりは、卵サンドやチキンサンドなど、パンに卵や肉などを挟むことで選手は無理なくエネルギーと身体づくりのたんぱく質が補給できます。

さらに、白いパンよりは、全粒パンなどのようなちょっと色が黒っぽい方がビタミンやミネラルを多く含むのでおすすめです。

特に朝起きられない、もしくは起きてもそれほど食べられないといった選手の場合は、こういったサンドして一度に食べれるものの方が喜ばれることがあります。

「朝ごはんに何を食べるか」。

前回の「朝ごはんはなぜ食べるか」も理解した上で、今まで「ご飯?」「パン?」と迷っていた方も、ご飯とパンの特徴で選んで食べてみるとコンディションも変わってくることでしょう。

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川端理香(かわばた りか)/管理栄養士
スポーツ栄養WATSONIA代表。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。2004年アテネオリンピックでは「VICTORY PROJECT」のチーフ管理栄養士として、2008年北京オリンピックでは強化スタッフとして全日本男子バレーボールチームのサポートを行う。
Jリーグでは、これまで浦和レッズ、東京ヴェルディ1969、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、FC岐阜、コンサドーレ札幌などのトップチームや、横浜FマリノスやFC東京などの個人選手や、プロ野球選手やプロゴルファーなどのサポートも行っている。また、企業の栄養アドバイザーや大学、専門学校の講師を務めるなど多岐にわたって活動。
著書に『サッカー選手の栄養と食事』『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『10代スポーツ選手のケガ予防の栄養と食事』(大泉書店)、『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など多数。
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