健康と食育
【いつまで伸びる?】身長が止まるサイン、最終身長の予測方法を解説
公開:2021年6月25日 更新:2024年7月 1日
サッカーをしている子ども本人も、保護者も気になる「身長」。何センチまで伸びるのか、いつまでに伸びるのか、いつ頃身長の伸びが止まるのか、それまでに出来ることは何か......。など子どもの身長を気にする親は多いもの。
男子と女子では身長が止まる時期が違います。一般に、成長期が終わるタイミングは女の子の場合は「初潮」、男の子の場合は「声変わり」と言われています。おおよそ小学校高学年から中学生年代に当たります。
また、世界でも一番成熟が早い(身長の伸びがストップするのが早い)のはアジア人女性といわれています。身長を伸ばしたいなら、女子の方が早くから意識することが大事なのです。
成長期を迎えているお子さんをお持ちの保護者の中には、「うちの子はあとどのくらい身長が伸びるのだろうか? 」「もっと伸ばしたい」と気にしている人もいるのではないでしょうか。この記事では子どもの身長が止まるサインや身長を伸ばす方法について解説します。
身長には遺伝も関係するので、必ずしも全員に当てはまるものではありませんが、食事や睡眠リズムなど生活を見直すことで「本来伸びるはず」の身長まで伸ばせる可能性はあります。ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
1.思春期後数年で身長は止まる? 男子女子それぞれの傾向
2.身長が止まるサインの噂
3.最終身長を予測する
4.身長を伸ばす方法
5.まとめ
身長を伸ばすために子供の栄養バランスを改善する方法とは?>>
■思春期後数年で身長は止まる? 男子女子それぞれの傾向
一般的に、思春期の体の変化から2〜3年程度で身長の伸びは止まるとされています。
例えば、男子であればひげや脇毛やすね毛など体毛が濃くなることや声変わりが、女子であれば胸の膨らみや体が丸くなることなどが思春期の合図だと考え、ここから2~3年後には身長の伸びがストップするのが一般的です。また、女子の場合は生理が始まると身長が伸びにくくなるともいわれています。
つまり、これらのことが起こってから数年後には身長が止まる可能性があるということです。子どもによっては高校生になる前後のタイミングで身長が止まるケースも珍しくありません。
最近では女子の生理が始まる年齢が低年齢化しているともいわれており、保護者の方は早期に体が完成してしまい小柄のままで身長が止まってしまう思春期早発症などの心配をされる方もいるかもしれません。
もちろん思春期の始まりには個人差があるため、一概に「●歳で止まる」と断言はできません。また、思春期以降も身長が伸びている人も存在しているため、全員に当てはまるわけではない、ということは覚えておいてください。
■身長が止まるサインの噂
ここでは、身長が止まる時に現れるとされるサインについて解説します。すべてが医学的な根拠に基づいたものではなく、あくまでも個人の見解を元にインターネットなどで発信されているサインではありますが、参考程度にしてみてください。
爪半月が残っていない
爪半月(そうはんげつ)とは、指の付け根に見られる半月の形をした白い部分のことです。この爪半月は、骨の成長に関係があるとされており、爪半月が残っていれば身長が伸びる可能性があるといわれています。
ひげが濃くなる
男子の場合、ひげが濃くなりだすと身長の伸びが止まるといわれています。これは、体の成長が喉ぼとけが出てくる→声変わりをする→ひげが濃くなるという順番であることが多いためです。ひげが濃くなってきたということは、成長が終盤に差し掛かっており、身長が止まるサインと捉えているものと考えられます。
レントゲンで骨端線が見えない
最も分かりやすい身長が止まるサインは、レントゲンで撮影した際に骨端線(成長軟骨板)が見えなくなることです。骨端線とは骨の中央部と端の間にある軟骨の部分で、成長途中の子どもの骨にはその部分が薄い線として確認できます。この線部分の軟骨が縦に伸びると身長が伸びる仕組みになっているので、成長が止まった骨にはこの薄い線が見えません。インターネットで検索すると「X線診断で身長が予想できる」 などと記載したサイトがヒットすることがあると思います。しかし残念ながら現在、骨端線を見る為だけにレントゲン撮影は出来ませんのでご注意ください。
■最終身長を予測する
1年間に1cm以上身長が伸びなくなると「最終身長」を迎えたものと判断できます。この最終身長はある程度の予測が可能です。ここでは、最終身長を予測する方法について解説します。身長が止まるサインと合わせて参考にしてみてください。
標準身長曲線から予測する
標準身長曲線とは、年齢別の平均身長を曲線でつないだものです。この標準身長曲線上に子どもの現在の年齢と身長を当てはめるとどのくらいまで身長が伸びるのか大まかな目安を知ることができます。
親の身長から予測する
計算式を使えば、親の身長から子どもの最終身長を予測することもできます。計算式は以下の通りです。
- 男子:(両親の身長の合計+13)÷2+2
- 女子:(両親の身長の合計−13)÷2+2
こちらの方法であれば簡単にチェックできるため、ぜひ試してみてください。
骨年齢から予測する
前述の骨端線の確認も含め骨年齢によって最終身長を予測する方法は、主に小児内分泌科で用いられます。具体的には、レントゲンから骨の成熟度合いを確認しまだ身長が伸びそうかどうか確認します。もし骨年齢が若ければまだまだ身長が伸びる可能性があり、逆に骨年齢が高ければ伸びる可能性は小さくなるとされています。
この方法は、一般的には小児の発達障害の診断を目的として行われますが、年齢制限のあるスポーツの国際大会での年齢詐称防止に用いられることもあります。
ただし、いくつかの国では医療目的以外で健常人に対する被曝を禁じていることもあり、日本では子どもの最終身長を知りたいからといって最寄りの医療機関ですぐに計測してもらえるものではないので注意してください。
■身長を伸ばす方法
一般的ではありますが、身長を伸ばす為の3大要素は「睡眠」「栄養」「運動」に尽きます。この3要素のバランスが取れていること以上に大事なことは無い、と言っても過言ではありません。
それぞれご家庭でも注意すべきポイントをご紹介いたします。これらも必ずしも全員に当てはまるものではありませんので、参考程度にしてみてください。
睡眠
「寝る子は育つ」というように、睡眠は身長を伸ばす大切な要素です。成長ホルモンは夜間深く眠っている間に分泌が盛んになり、特に寝入ったあと最初のレム睡眠(深い眠り)が成長ホルモンの分泌には非常に重要と言われています。また、成長ホルモンは空腹時に分泌されるため、睡眠の2時間前には何も食べないことも大事になります。
子どもの成長の為には最低でも9時間の睡眠が必要と言われていますが、日本の子供たちは、世界的に見ても睡眠時間が短い傾向にあります。早く寝る、寝る前には食べないということを日頃から意識しておきましょう。
栄養
身長を伸ばすために必要不可欠なのが「栄養素」。特に「蛋白同化作用」の問題は重要です。「体内で蛋白質を作り出す作用」のことを蛋白同化作用といいますが、このために必要な栄養素が「アルギニン」です。アルギニンは大人には非必須アミノ酸ですが、子供の成長にとっては必須のもの。潜在的にアルギニン不足で身長の伸びをロスしているケースもありますので注意が必要です。もちろんカルシウムやビタミン、マグネシウムなど成長に必要な栄養素は他にもたくさんあります。偏りのないバランスの良い食事が何よりです。
運動・スポーツ
日頃から身体を動かすことで骨や筋肉に刺激を与えることが、成長へのきっかけとなります。学校教育に体育がある理由もこれが最大の理由ですし、深い睡眠を得るためにも運動は大事です。また、骨には筋肉が付着していますので、その筋肉が硬く柔軟性に乏しいと骨も伸びにくくなる、と言われています。ストレッチを行う、正しい姿勢をキープするなど、日頃の生活の中でも体の動きを意識して過ごすことも重要です。
バスケットやバレーボールのようなジャンプを伴う競技は身長が伸びやすいとも言われますので、家庭用のトランポリンの導入も効果的です。また、縦方向の負荷がかからず全身の運動のできる水泳も身長に良い影響があると言われています。
■まとめ
今回は、子どもの身長が止まるサイン、最終身長の予測方法、身長を伸ばす方法について解説しました。一般的には思春期の体の成長から数年で身長の伸びは止まるとされていますが、全員が当てはまるわけではありません。また、身長が止まるサインもあくまでも噂レベルのものもあります。体の成長は食事や睡眠なども関わってくるため、サインはあくまでも参考程度にとどめておきましょう。
身長を伸ばすために子供の栄養バランスを改善する方法とは?>>
よくある質問
- 身体を大きくするのに「間違った食事のしかた」などはありますか
- Jリーガーでも食事に気を使っているのに大きくならない選手がいます。彼らの食習慣とは……
- なぜ同じ年齢でも運動能力や体力、体格の違いが現れるのですか
- 生物学年齢(身体の成熟度)と暦年齢(生まれてから経た年数)にズレが生じるからです