インタビュー
子どもに質問をして考えさせる指導が大切だと知れた/サッカーコーチの私が指導を学び続ける理由
公開:2021年4月21日 更新:2023年6月30日
「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、ユーザーの声を定期的に紹介している。今回登場してもらったのは、FCカルパ(神奈川県横浜市)で指導に携わる加藤寛さん。ご子息がFCカルパに入ったことから『お父さんコーチ』として指導を始めた加藤さんは、COACH UNITED ACADEMYをどのように活用しているのだろうか?(文・鈴木智之)
(FCカルパで指導に携わる加藤寛さん。取材はオンラインで実施。)
学ぶことで、人は変わることができる
いまでも、シニアリーグなどでプレーを続ける加藤さん。指導との出会いは大学生の頃だったという。
「大学時代、サッカー部に専門的なコーチがおらず、上級生が試合のメンバーや練習メニューなどを決めていました。そのときに『公認準指導員(現・公認C級コーチ)』の資格を取るため、講習会に参加しました。そこで私たち指導者になぜか、毎日講習の一番最後に「走りながらリフティングする」という実践練習が課せられました。はじめはうまく出来ない部分もあったのですが、たった2週間で指導を受けながら実践すると、うまくできるようになっていったんです。この体験を通して『たとえ、大学生でも新しい指導に触れると、人間は変われるんだ』と実感したのです」
指導者として、そのような原体験がある加藤さん。ご子息がサッカーを始めてクラブに入る中で、自身もコーチをするようになっていった。
「大学生の時の経験があったので、子ども達にはサッカーがうまくなることや、楽しいと感じてもらえるような指導ができればと思いました。息子が卒業したらコーチはやめようと思っていたのですが、同級生のお父さんに指導経験豊富な人がいて、『子どもが卒業しても続けた方がいいよ。それで分かることもあるから』と言われて続けるようになり、指導歴は13年になります」
大学時代に、「学ぶことで、人って変われるんだ」と感じた加藤さん。COACH UNITED ACADEMYのことを知り、すぐに興味を持ったという。
「もともと内藤清志さんと面識があり、指導の勉強もさせてもらっていました。内藤さんがCOACH UNITED ACADEMYに出演されているということで、『これは絶対に観なければ!』と思い、加入することにしました」
COACH UNITED ACADEMYには、内藤さんが初見の子どもたちに指導を行う映像があるが、そこに協力してくれたのが、加藤さんがコーチを務めるFCカルパである。
「内藤さんに子どもたちを指導してもらって、改めて『使う言葉がすごい』と感心しました。『パスを未来か過去に出す』や『サッカーはじゃんけん』など、子どもに伝わりやすい言葉を使っているのを見て、とても勉強になりました」
動画を見て、自分はまだティーチングをしていたと気が付いた
現在は小学2年生を指導している加藤さん。「サッカーを教えるというよりは楽しんでいる感じです」と謙遜するが、常に「子どもたちにとって、より良い指導とは何か?」を考えながら情報を収集し、実践しているという。
「COACH UNITED ACADEMYで配信している池上正さんの動画を見て、まだまだ自分はコーチングではなく、ティーチングをしていたんだなと気がつきました。我々、大人が正解を教えてしまうと、子どもから自由な発想は生まれにくくなりますよね。『1+1=2』ですが、子どもは『1+1は田んぼの田!』とか言うじゃないですか(笑)。池上さんの動画は、子どもたちに『いまどう思った?』『どうしたらいい?』などと質問をすることで、考えさせるように導いていました」
池上さんの動画を見た後のトレーニングでは、子どもに対して質問を多くするなど、アプローチを変えていったという。
「池上さんの動画から学ぶことはたくさんありました。動画自体も通常のものより短くて、通勤途中など、隙間時間に見ることができるのもいいなと思いました」
加藤さんはCOACH UNITED ACADEMYの動画を指導のほかに、自身のプレーにも役立てているそうだ。これも活用方法のひとつだろう。
「サッカーを学ぶことは、指導の質を上げることはもちろんですが、自分のプレーにも良い影響があります。インプットしたことを実体験として、プレーの中でアウトプットすることで、プレーの質も向上しますし、子どもたちに説明したときも、より伝わるようになるのではないかと思います」
さらに、こう続ける。
「私は小学生の指導に携わっていますが、子どもたちが将来どうなるかは、誰にもわかりません。だからこそ、この子はこうだと決めつけずに、いろいろなアプローチの仕方をするべきだと思っています」
動画を見ることで自分の指導やプレーに必要なヒントを得られる
様々なアプローチをするためには、相応の知識が必要だ。加藤さんはCOACH UNITED ACADEMYに入ったことで「指導者としてのバリエーションが増えた」と感じている。
「私が尊敬する内藤さんによれば、人間には『目で学ぶタイプ』『耳で学ぶタイプ』『体で学ぶタイプ』と3種類いるそうです。教える立場の私も、いろんなバリエーションを持っていなければいけないと思います。COACH UNITED ACADEMY の良さは、バリエーションが増えるところです。様々な指導者が出演されているので、練習メニュー、言葉のバリエーション、子ども達への接し方などを学ぶことができます。月額1000円程度で、毎月新しい動画が4本も見られるのは、他にはないと思います」
COACH UNITED ACADEMYに興味を持っている方に対しては、次のようにメッセージをくれた。
「指導や自分のプレーに、行き詰まっているなと感じるのであれば、COACH UNITED ACADEMYの動画を見ることで、ヒントを得られるのではないかと思います。私自身、サッカーをしている息子に『この動画が参考になるから、見てみたら?』と勧めたこともありました。指導者として、プレーヤーとして、そして保護者として、行き詰まりを感じている人にはおすすめしたいです。必ず何か、得られるものがあると思います」
指導者として、現役のプレーヤーとして、サッカーを楽しむ加藤さん。その語り口からは、COACH UNITED ACADEMYで日々学びを得て、指導や自身のプレー向上に取り組んでいる姿が伝わってきた。今後もCOACH UNITED ACADEMYでは、期待に応えられるように、充実したコンテンツを公開していく予定だ。