サカイク編集部に届く質問で多いのが、「シューズ選び」に関するもの。ショップにいくと、たくさんのモデルが並んでいます。その中で、どれを選べばいいの? 各モデルにはどんな特長があるの? など、気になっている人は多いようです。
そこで今回はB&D吉祥寺店のカリスマ店員、佐藤さんにシューズ選びのポイントを聞いてきました!
■正しいシューズ選びの知識を身につけて、ケガを予防するとともに、上達に役立てよう!
佐藤さん、早速ですがシューズ選びのポイントを教えてください。
「まずは両足でシューズを履いて頂きます。そして、しっかりとかかとに足をあわせ、シューレース(靴ひも)を結びます。その状態で、つま先の空き具合をチェックします。空きすぎるとシューズの中で足ずれを起こしてしまうので、0.5~1cm未満が望ましいです。1cm以上空いていたとしても、靴ひもをしっかり結べば脱げることはありません。ですが、走って止まる動作をしたときに、靴の中で足がずれます。その影響か、靴の中で足の指を立てて運動している人が多く、指が変形している子も見受けられます。そこは気をつけて欲しい部分です」
U-12は成長期だからこそ、足に合ったシューズを選びたいもの。そのためにポイントとなるのが、素材の特性を知ることです。アッパー部分の素材は『天然皮革』と『合成皮革』の2つに分けることができます。天然皮革は柔らかく、フィット感が高いのが特長。一方で、繰り返し履いていると皮が伸びてしまう傾向があります。合成皮革の長所は耐水性や耐久性が強いこと。ただし、足馴染み感は天然皮革に軍配が上がります。
「最近は各メーカーさん、アッパー部分の素材に改良を施しているようです。たとえばadidasのpredator leathal zones Japan は『ハイブリッドシンセティックレザー』という新素材を使っていて、繊維がものすごく細かいんですね。なので、履いて歩いた時のフィット感が良く、お客さんの中には『合成皮革とは思えません』と驚かれる方も多いです」
触ってみると、他のモデルとは明らかに違う柔らかさだ。predator leathal zones JapanはB&D吉祥寺店でも人気モデルで、ロンドン五輪では日本代表の扇原貴宏選手、齋藤学選手や澤穂希選手が履いていた。電話で「○○選手が履いているスパイクはありますか?」という問い合わせも多く、お店に来る前からこれを買うと決めてくる人も多いそう。
「個人的にはスタッドの形状が良いと思います。丸スタッドと刃型の中間の形をしているので、丸型の安定感とターンのしやすさ、刃型のスムーズな横移動を両立しています。地面からの突き上げが分散できるのもポイントですね」
足首、ひざ、腰など、成長期の体を守る上でも、スタッドの形状は気にしておきたいものです。このpredator leathal zones Japan、鮮やかなブルーに明るいオレンジの配色が目を引きます。お母さん方からは、『派手なシューズのほうが、自分の子どもを見つけやすい』という意見もあるそうです。
「このモデルは、つま先、インフロント、アウトサイド、足の甲の内側と4つの場所にラバーが配置されていて、インサイド部にはスポンジが搭載されています。パスやドリブルなど、正しい部位を使ったキックの習得に役立ちますし、日本人の足型を調査して作られているのでフィット感も高い。軽量性もあるので人気ですね」
このラバーは『5リーサルゾーン』と呼ばれる部分に搭載されており、プロ選手のデータをもとに、部位を計算して貼り付けられたものだそうです。ボールを蹴る時の目安にもなるので、正しい技術の習得にもってこいかもしれません。
「B&D吉祥寺店には、predator leathal zones Japanを初め、たくさんのスパイクが並んでいます。ぜひお店に来て、足を入れてみてほしいと思います。きっと、足にあったシューズがみつかると思います。U-12年代は成長期なので、少し大きめのサイズを買って、中敷きで調整するという考え方もあるかもしれません。ですが、私は必要な時期にジャストサイズで履くことをおすすめしています。シューズを週に2、3回履くと、およそ3ヶ月程度でスタッドが摩耗します。3ヶ月で急激に足が大きくなることはないので、必要な時期に必要な用途のシューズを選んで欲しいですね。それがケガの予防にもなり、技術の習得やプレーの発揮にもつながると思います」
丁寧にシューズの特長を教えてくれた佐藤さん。ぜひB&D吉祥寺店に行って、足に合った一足をみつけましょう。佐藤さん、ありがとうございました!
ビーアンドディー 吉祥寺店 佐藤潤一さん
1
取材・文・写真/サカイク編集部