トレーニングの終盤。選手たちはライン上に並ぶと、ホイッスルと同時に一斉にスタートを切りました――。いわゆる『シャトラン』です。第38回全日本少年サッカー大会の静岡県代表となったVivaceFCではこの練習を効果的に取り入れています。
目標タイムを設定し、クリアを目指す。「他のチームより走ることはやっていると思います」と語るのは古杉仁志監督。この他、長距離走などのメニューを行うこともあるといいます。同監督は「様々な考えがあるし、小学生に“素走り”をやらせても意味がないという考え方もあると思います」と前置きした上で、持論をこう語ります。
「やはり練習で走れなければ、試合の中でも走れないと思うし、ボールも来ないと思うし、勝負にも勝てないと思うんです」。
このメニューの狙いは他にもあります。むしろ、そちらの方が重要かもしれません。1本目は惜しくも失敗。選手たちから落胆の声が漏れます。すると、選手間で“作戦会議”を始めました。“議題”は目標タイム。「早過ぎない?」「遅くする?」「○×秒? それは遅すぎるよ」。目標タイムは選手たち自身が決定します。古杉監督はこの様子をじっと見守るのみ。子どもたちの意見に耳を傾けることはありますが、目標タイムを強要することはありません。選手全員のクリアが条件。当然、選手間で能力差があり、タイム差もありますが、だからこそ励まし合います。その経験がチームワークを育むのです。
結局、1本目と同じ目標タイムで2本目、3本目も失敗。すると、今度は「もっと等間隔に並ばないと走りにくいよ」「前半に飛ばしてタイムを稼ごう」「並ぶ順番を入れ替えよう」といった声が上がりました。それでも失敗が続くと…
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