サッカールールの基本ともいえるのが「ハンドの反則」です。サッカーに詳しくない人でも、ゴールキーパー以外は手を使ってはいけないということは知っているのではないでしょうか。一方で、ハンドの反則の細かいルールまでは把握していない人は多いはずです。ハンドによってはレッドカードとなり退場になることもあれば、ペナルティエリア内でのハンドはPKを与えることとなるなど、試合のゆくも大きく左右します。この記事では、ハンドの反則についてその概要や定義、範囲について解説します。
ハンドとは
ハンドとは、正しくは「ハンドリング」といい、ボールを手や腕で扱うことを意味します。サッカーでは、ゴールキーパーやスローイン時など一部を除いて手を使用することは禁止されています。
ちなみに、サッカーではハンドと似たような言葉に「ハンドオフ」というものがあります。こちらは、腕を使って相手との距離感を保つことであり、ハンドの反則とは関係ありません。
ハンドの反則を犯すととどうなる?
もしハンドの反則を犯してしまうと、相手に以下のいずれかがあたえられます。
- 通常のハンド:直接フリーキック
- 自陣ペナルティエリア内でのハンド:ペナルティキック
- ゴールキーパーの自陣ペナルティエリア内でのハンド:間接フリーキック
直接フリーキックとは、フリーキックで蹴ったボールが直接ゴールに入ると得点が認められるフリーキックです。また、間接フリーキックは、蹴ったボールが直接ゴールに入っても得点は認められません。ゴールに入る前に他の選手がボールに触れていれば得点となります。
なお、ハンドの反則を犯すと、場合によっては退場を命じられることもあります。例えば、相手チームの得点や決定的なチャンスをハンドによって阻止した場合は、レッドカードが出され退場になります。
ハンドの定義
ハンドの定義は、これまでどこからどこまでをハンドとして扱うのかその基準が抽象的でしたが、2020/21の競技規則からその定義が明確になりました。日本サッカー協会の競技規則によると「脇の下の最も奥の位置までのところ」までが腕の範囲としてみなされる、つまりハンドとして扱われるということです。
ハンドになるとき・ならないとき
ここでは、ハンドの反則について、どういったときに反則として扱われるのか、逆にどういったときには反則にならないのか解説します。
ハンドになるとき
ハンドの反則になるのはボールを手や腕で扱ったときです。具体的には、以下のようなことを行うと反則となります。
- 手や腕で意図的にボールに触れたとき
- 手や腕を使って得点したとき(偶発的な場合を含む)
- 手や腕に触れた直後に得点するもしくは得点のチャンスを作り出したとき(偶発的な場合を含む)
- 手や腕を使って不自然に体を大きくしてボールに触れたとき
- 手や腕が偏りも上の高さにある状態でボールに触れたとき
これらの行為は、ハンドの反則が取られるため注意が必要です。
ハンドにならないとき
手や腕を使っていても、以下のような場合はハンドの反則は取られません。
- 選手自身の頭もしくは体から直接触れる
- 別の競技者の頭または体から直接触れる
- 手や腕は体の近くにあるものの体を不自然に大きくしているわけではない
- 倒れている選手が体を支えるために手や腕が体と地面の間にある
「頭もしくは体から直接触れる」とは、例えば胸トラップをしたボールがそのまま腕に当たっても反則にはならないということです。ただし、攻撃側の選手がトラップしたボールがあたると反則を取られます。また、「手や腕が体と地面の間にある」とき、手や腕が体から縦方向や横方向に伸びている場合は、ハンドをとられる可能性があります。
ゴールキーパーのハンド
サッカーの中で唯一手が使えるポジションであるゴールキーパーですが、自陣ペナルティエリア外で手や腕を使うと他のフィールドプレイヤー同様ハンドをとられ、相手に直接フリーキックが与えられます。
ただし、自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯した場合は、ペナルティキックではなく間接フリーキックが与えられます。自陣ペナルティエリア内でゴールキーパーが犯すハンドとしては、味方のバックパスを手で扱うといったことが挙げられます。
まとめ
今回は、サッカーのハンドの反則に関してその概要から、反則となる具体的な例などについて解説しました。ハンドの反則は、実は細かい部分まで競技規則によって規定されており、ハンドになるケースとならないケースがあります。ぜひ今回の内容を参考に、ハンドに対する理解を深めてみてください。