7月28日に開会した「第37回全日本少年サッカー大会決勝大会」も8月3日の決勝をもって終了となりました。大会期間中、今年もチームと保護者が良い関係を築き、熱く温かい応援をしていたチームがたくさん見られました。常に子どもたちとコミュニケーションを密に取っていたチームや、感謝の思いを前面に出し熱い応援をしていたチームが大会を大いに盛り上げました。
■日頃の練習から応援・声かけしていたアンテロープ塩尻
今大会初出場の長野県代表アンテロープ塩尻。残念ながら1次ラウンドを突破出来ませんでしたが、ドリームリーグで健闘してドリームトーナメントに進出を決め、ドリームトーナメントは2回戦進出を果たしました。
試合中は保護者の皆さんから選手たちへの励ましの声がたくさん聞かれました。「一歩目早く!」「声出して!」といった励ましがあり、良いプレーには「ナイスプレー!」「ナイスシュート!」と次々と声が上がりました。失点しても「切り替えろ!」と選手たちを励まし、試合終盤になると「みんなで行こう!」「最後まで走るよ!」と選手たちに最後までやり抜いてもらおうという声がかかっていました。
保護者の樋口哲也さんはこうした応援について「この学年の保護者は、日頃の練習の中でも積極的に応援していて、子ども達とコミュニケーションをとっている方が多いので、ここぞという時に一体感が湧きます」と語ります。日頃の練習からの声かけが選手を温かく励ます応援へとつながっていったようです。「他県への遠征もやっていましたが、強いチームと対戦した時があって、失点した時もありました。そういう中から諦めるな、という気持ちを持ってもらいたかった」と語る樋口さん。そうした気持ちは選手たちにも伝わり、諦めない姿勢が最終的にドリームトーナメント進出につながっていきました。
■対戦したチームからも応援された帝人SS
3年ぶり9回目の出場となった愛媛県代表帝人SS。1次ラウンド突破はなりませんでしたが、やはりドリームリーグを勝ち上がり、ドリームトーナメント1回戦進出しました。
統率の取れた応援で、保護者の皆さんからは大きな声が出ていました。この大会には登録されなかったチームメイトの子どもたちもたくさん来ていて、応援を子どもたちがリードする場面がありました。高校サッカーや、地元愛媛FCの応援を真似したり、初日の対戦相手だったベガルタ仙台の応援も採り入れて応援していました。良いプレーには「ナイス!サンキュー!」の声が上がりました。厳しい暑さの中の後半飲水タイムでは「粘れ!」と残り10分の頑張りを促す声もありました。
保護者の高岡晃仁さんは「背中を押してあげる声をかけたいと思っています。県大会準決勝・決勝で先輩や後輩が駆けつけて応援してくれましたので,全国でもそういう雰囲気をつくりたかった」と熱い応援の理由を語ります。子どもたちのコールリードに関しては「日替わり応援団長で、応援練習もしてくれました。(選手登録されなくて)彼らも悔しいと思うんですよ。全国の舞台には立てないけれども、盛り上げてあげようと子どもたちが仲間を後押ししてくれます」と語る高岡さん。仲間を思うチームメイトの熱い気持ちが応援をさらに盛り上げました。
試合後には相手チームにも「サンキュー○○(チーム名)」とエール交歓をしていました。こうしたエール交歓は新たな交流を呼び、ドリームリーグでは1次リーグで対戦した三菱養和SC巣鴨ジュニアの応援団が一緒に応援に参加するといったことも起こりました。養和との交流を「感動的でした」と語った高岡さん。「相手さんがあって経験させてもらえているという感謝を忘れないところを率先して見せたい」とエール交歓の意義を語りました。そうした感謝の気持ちの大切さはプレーしている選手たちにも届いたことでしょう。
どのチームも感謝の気持ちのこもった熱血応援、大声援に後押しで、大会を大いに盛り上げてくれました。
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取材・文・写真/小林健志