ネガティブな声掛けよりもポジティブな声掛けをしよう――。
もっと子どもの判断を認めて、褒めてあげよう――。
子どもが失敗しても、励ましてあげよう――。
そう思って迎えた週末。いざ、お子さんが試合で失敗したとき、あなたは落ち込むお子さんを励まそうとこんな言葉を投げかけていませんか?
「ドンマイ、ドンマイ」
「ドンマイ」はたしかにポジティブな言葉です。子どもも次のプレーに気持ちを切り替えていけるでしょう。しかし、いつも「ドンマイ」ばかりで子どもは成長するでしょうか? なにか間違っていたのか、なにがよかったのか、それをしっかりと伝えてあげることも必要なことではないでしょうか。
今回は、サッカー大国ドイツの育成の第一人者であるクラウス・パブストコーチに、本当の意味でのポジティブな声掛けを教えてもらいましょう(取材・文 中野吉之伴)
[サカイク読者からの質問]
頭ごなしに怒鳴りつけるのは問題外ですが、「ポジティブな声掛けは重要」という言葉ばかりが先走りして、どんなミスでも何をやってもドンマイで終わらせることがあると思います。「何が良かったのか」「何をやってはいけないのか」「どうすれば次はもっとうまくいくのか」どのような声掛けをするのが、望ましいのでしょうか。
■ポジティブな要素の見つけ方
「さまざまな視点から物事を観察することが大切だと思うんだ。ものごとはどの角度から観察するかで見え方が変わる。練習や試合中、チャンスでシュートを外したとする。そんなときにどういう見方ができるだろうか。『なんで外したんだ!』『それは決めないとだめだぞ!』。これは子ども自身もすでに感じていること。すでに感じていることを声高にさらにいう必要があるだろうか。もちろん、ゴール前フリーでのシュートを外してしまったのは残念だ。だけど、そのシュートがこれまで苦手だった左足で躊躇せずに狙ったものだとするとそれは素晴らしいステップアップだよ。あるいは、その前のプレーでGKにシュートをぶつけた選手が、コースを狙って打ったとすれば、それも素晴らしいトライだ。修正点を指摘することも大事だが、それ以上にポジティブな要素を見つけ出して、『その調子で続けていくんだ。あと何回かチャレンジしたら、その時にはゴールが決まるはずだよ』と選手を支える姿勢が重要だと思う」
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取材・文 中野吉之伴