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ヨーロッパチャンピオンのメソッドに学ぶ チェルシーFCクリニック【後編】

公開:2012年8月30日

キーワード:クリニックチェルシー

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  チェルシーFCのエッセンスを日本の子どもたちに。先日行われた「adidas ChelseaFC Clinic 2012」のレポート第二弾はさらにステップアップして実戦モードへ突入! 今回は堅い守りとスピーディな攻撃、絶対に諦めないチェルシー魂が感じられる、今すぐ役立つトレーニングを紹介します。
 
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3.決定機を逃さないシュートセクション シュートタイミングを逃すな!

チェルシーと言えば電光石火の速攻、カウンター。特にストライカーには「決定機を逃さない嗅覚」が求められます。これはある種、才能のようなものですが、普段の練習の意識付けで成長していく部分ももちろんあります。このシュートセクションでは、2つのゴールを2人のFWで攻め、1人のDFが守るという攻撃側が2対1の数的優位を持って行われます。
 
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ルールとして決められているのは
 
・ボールが攻撃側に渡ったら2タッチ以内にパスをしなければいけない
・DFを抜いたらできるだけ早くシュートを打つ
・二つのゴールの内どちらにシュートを打つかはシュートの直前に、コーチがかけ声で指示
 
ということです。少ないタッチでパス交換をし、数的優位を生かすことはカウンター成功の必須条件です。さらにDFを抜いた後の決定機を見逃さずすぐさまシュート体勢に入る鋭さ、コーチの指示に合せて、慌てずゴールネットを揺らす冷静さ・・・・・・一見単純なトレーニングですが、制約と意識付けによって様々な要素が学べる内容になっています。
 
 

4.正確な状況把握に欠かせないターンセクション 混雑するエリアで技術を発揮しろ! 

ターンセクションではウォーミングアップセクションと似た状況で、子どもたちが自らコースを見つけてターンによる方向転換を行う、より緻密なテクニックが求められるトレーニングです。
 
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コーンで区切られたピッチの中で選手たちがドリブルを開始。コーチの指示で周囲の状況を把握しつつ、方向転換を行います。このとき、コーチはターンの方法も指定します。「インサイド、アウトサイド!」といわれれば、インサイドでボールをタッチし、アウトサイドに置きながらのターン。指示はボールをまたいでフェイントをかけてからのターンなど、どんどん複雑なものになっていきます。もちろん足下に気をとられていては同じように動いているチームメイトにぶつかってしまいます。テクニックを発揮するエリアを目視で確保し、フリーになる瞬時の状況判断が養われます。
 
 

5.実戦を意識したゲームセクションチェルシー対バイエルン? 

チャンピオンズリーグ決勝の舞台に立てる?次はいよいよこの日の総仕上げ、ゲームセクションです。ここまで一緒にトレーニングをしてきたグループを7対7(もしくは8対8)になるようにチーム分けします。守備側はチェルシー、攻撃側はバイエルン。ピッチサイズは四分の一ですが、なんと今年5月に行われたチャンピオンズリーグ決勝のカードの再現です。
 
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守備側のチェルシーは通常サイズのゴールを背負い、バイエルンの攻撃をしのぎます。さらにボールを奪ったらバイエルンチームの背後にある二つのミニゴールめがけてカウンターを仕掛けるのです。ゲームは2-0でバイエルンがリードしている想定でスタート。チェルシーの選手はカウンターの際、3タッチ以内にパスをしなければならず、得点の際もシュートではなく、ミニゴールに見立てられたコーンの間をドリブルで通過して得点となります。
 
  7分間の攻防の後、チームを入れ替えて全員が攻守両方を経験します。素早い攻守の切り替え、状況判断、個人技、決定機でのシュートなど、ここまでのセクションで学んだことを生かして「普段とは違うプレーができた」という子どももいたようです。ゲームセクションでコーチが強調していたのは「戦う気持ち」。不利な状況下でも諦めず、ゴールを目指すことを選手たちに求め、気持ちを押し出したプレーには賞賛の言葉をかけます。
 コーチたちが一番教えたかったことは、タフな延長戦を戦い抜き、PK戦で見事チャンピオンズリーグのトロフィーを勝ち得たチェルシーFCのフットボールの精神なのかもしれません。
 
 すべてのセクション終了後、今回指導してくれたコーチがMVPを選出。5人の選手がMVPに選ばれ、レプリカジャージ、記念のメダルをもらいました。
参加した選手からは「2対1のシュート練習がためになった」「この経験を生かしてもっとうまくなりたい」「試合が楽しかった」「チェルシーが好きになったので、応援したい」などの声が上がりました。
 
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 ヨーロッパ最高峰のトレーニングを体感した子どもたちは心からサッカーを楽しみました。スティーブ・ウィネットコーチは「日本の子どもたちのレベルの高さに驚いた。マンチェスターユナイテッドの一員になった香川選手のように、将来は君たちが日本を担うような選手になってほしい」と選手たちに語りかけました。
 チェルシーならではの魅力にあふれたクリニック。テクニック、スキル、対人プレー、ゲーム戦術につながる個人戦術・・・・・・。子どもたちは、世界の強豪クラブから世界基準のサッカー、そして何よりサッカーをプレーする楽しさを学びました。
 
チェルシーFCユース//
チェルシーFCトップチームにも選手を輩出、近年ユース世代での実績も目覚ましく、2010年度にはFAユースカップを制覇。
 
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取材・文/大塚 一樹 写真提供/アディダスジャパン

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