スペイン・バルセロナを拠点にサッカー選手の指導、チームのコンサルティングを行い、日本でもU13向けのスクールを展開するサッカーサービス。"賢い選手を育てる"というコンセプトのもと、戦術を伴う個人技術を習得する、"エコノメソッド"という独自のトレーニング方法で、考えてプレーする選手の育成を行っています。ここでは、サッカーサービスが提唱する「ジュニア年代に身につけておきたい、守備の基本」について、個人戦術、チーム戦術の両面を紹介します。コーチは声掛けのポイントとして、お父さんお母さんは、お子さんのプレーがうまくできているか、参考にしてみてはいかがでしょうか。(取材・文 鈴木智之 写真 鈴木蹴一)
<<前回記事:ボール保持者が、いつ、どんな状態のときに奪いにいくべきか!? いまさら聞けないディフェンスの基本
■狙いどころは、相手の足からボールが離れた瞬間
まずは守備の基本中の基本ともいえる「ボール保持者に対するディフェンス」です。いつ、どの状況で、どのようにしてボールを取りに行けばいいのでしょうか? サッカーサービスのポールコーチは、次のようにポイントを挙げます。
「まずはボール保持者に対して、すばやく寄せること。このとき、目安ですが相手との距離は約2m程がいいでしょう。2mよりも相手に近づきすぎると、かわされやすくなってしまいますし、離れすぎても、相手に自由にプレーさせてしまいます。ボール保持者と向き合った状態では、足のすべてを地面につけるのではなく、かかとを浮かして爪先立ちになります。そうすることで、どの方向にもすばやく対応することができるようになります」
前回の記事でも紹介しましたが、ボール保持者と1対1の状況で、もっとも優先すべきは「ドリブルでかわされて、自分の背後のスペースを使われないこと」です。そして、相手の足元にボールがあるときにはむやみに飛び込んだりせず、相手がドリブルを仕掛けてボールが足から離れた瞬間、鋭く寄せてボールを奪います。
■ディフェンスのコツ!相手を利き足の逆方向に誘導しよう
2つ目の守備のポイントは「ボール保持者がプレーしづらい体の向きを作ること」です。守備対応のときの、基本の身体の向きは、ボール保持者に対して半身の姿勢です。そして、相手選手を左右どちらかのサイドへ追い込むように、ドリブルのコースを遮断しながら近づいていきます。
「ボール保持者をゴールの方へ向かわせないように、内側のコースを遮断し、外側(タッチライン際)へと追い込むようなコース取りが理想です。その際に、半身の姿勢を作ることで次への動作へすばやく移ることができますし、後方へ走ることも容易になります」
では、相手選手がピッチの中央部分でボールを持っているときは、どのようなコースをとってディフェンスをすればいいのでしょうか? ポールコーチはこの質問に、次のように答えます。
「そのときは、相手の利き足とは反対方向へボールを持って行かせるように動いてみてください」
とくにジュニア年代では、利き足と反対の足の得手、不得手があります。相手の苦手な足の方へと誘導するコースどりをすれば、もしシュートを打たれたとしても、精度や威力は利き足に比べて落ちます。これも“頭を使ってうまく守る”プレーと言えるでしょう。