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キックの正しい立ち足の位置とは?/旧ユーゴスラビアの技術指導 による強く正確なキックの習得方法

公開:2020年6月26日

キーワード:アウトフロントインサイドキックインステップキックインフロントキック

COACH UNITED ACADEMY動画では「旧ユーゴスラビアの技術指導に基づいた、強くて正確なキックの習得方法」と題し、『UEFA PRO Coaching Diploma(ヨーロッパサッカー連盟公認プロコーチライセンス)』保持者の濱吉正則氏による、講義とトレーニングの動画を配信中。スロヴェニアで指導者ライセンスを取得後、SVホルンではトップチームの監督を務めた濱吉氏による「インフロント、インサイドキック」トレーニング実演の様子を紹介したい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2019年11月18日掲載記事より転載)

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キックの立ち足の基本はボールの後ろに置くことを意識する

前編ではキックの理論と「インステップキック」「アウトフロントキック」のトレーニングを紹介した。後編では「インフロントキック」のトレーニング実演からスタート。最初のメニューは「インフロントのドリブル→インフロントキックで壁パス」だ。

濱吉氏によると「インフロントキックはインステップキックの変形」だと言う。

「インフロントキックの基本は、足の親指の付け根あたりにボールを当てて蹴ること。これがポイントで、きちんと蹴ることができていない選手は、インサイドの変形になっていることがあります」

インサイドの変形とは、ボールに当てる足の位置が親指の付け根ではなく、土踏まず寄りになってしまうケース。これでは強いボールやカーブが掛かった鋭いボールが飛んで行かない。

練習ではドリブルをして前に進み、前方にある壁をめがけてインフロントキックで当てるという動作を繰り返していく。濱吉氏からは「親指の内側で蹴ろう。インサイドキックになってはダメだよ、足の振りはまっすぐで、ボールに当てる位置を変えるだけ」というアドバイスが送られていた。

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インフロントキックの足の振り方は、インステップキックと同じだ。濱吉氏が説明する。

「立ち足をボールの後ろに置き、蹴り足と反対の腕を上げて、膝から下を振ります。足をまっすぐ降っても、ボールの外側に当てているので、斜めに飛んでいきます。体をボールにかぶせるように前傾姿勢で足を振ると、ボールは浮きません。インフロントキックをマスターすることで、鋭いカーブ、浮き球など、様々な種類のボールを蹴られるようになります」

次の練習は「インフロントのドリブル→インフロントキックで壁パス(2)」。

選手から見て、横にある壁にボールを当てるメニューだ。壁を横に置くことで、ボールの外側を蹴る意識が高まっていく。

3つ目の練習は「インフロントのドリブル→インフロントキックでコーンの間にパス」。ドリブルからパスという流れなので、体はパスの受け手に向け、ボールの外側を蹴るイメージで親指の内側に当てる。インフロントキックでボールに対して足をまっすぐ振ると、ボールの正面にあたって斜めに飛んでしまうので、ボールの外側を蹴ることがポイントだ。

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濱吉氏からは「ボールの外側を蹴ろう。立ち足は踏み込みすぎないように」と声がかけられていた。

「立ち足を踏み込みすぎると、ボールを蹴るまでに時間がかかります。スムーズにボールを蹴るためには、ボールのやや後ろに立ち足を踏み込み、足を振るスペースを確保します。そうすることでボールに足を当てやすくなります」

インサイドキックはくるぶしに近い所に当てて蹴ることが重要

続いては「インサイドのドリブル→インサイドキックで壁パス」。インサイドキックの場合は、「立ち足をボールの真横に踏み込んでも良い」という。

「ボールの真横から少し後ろぐらいに立ち足を踏み込み、インサイドに当てます。ボールを蹴るときに、足首を固定して親指を上げ、親指の付け根あたりにボールを当てることがポイントです。親指が下がるとインサイドの面にうまく当たらず、つま先の方に当たってしまうことがあります」

インサイドで強いボールを蹴ることは、パススピードが要求される現代サッカーにおいて不可欠な要素である。濱吉氏は強いボールを蹴るために「足の硬い部分にボールを当てることが大事」とアドバイスを送っていく。

「インサイドキックの場合、ボールを土踏まずのあたりではなく、足の硬い部分、つまりくるぶしに近い所に当てると、強いボールを蹴ることができます。パチンと音がするので、繰り返して感覚をつかんでみてください」

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また、キック全般に言えることだが、ボールを足に当てた後の動作も重要になる。濱吉氏が補足する。

「ボールを蹴った瞬間に足を止めず、最後まで膝から下の足を振り切ることが大切です。インサイドキックの場合は前傾姿勢を作って、足の先を上げ、くるぶしに近い所にボールを当て、足を振り抜く。この一連の動作を意識してみてください」

動画では、他にも「ランダムコーンのパス交換」や「三角形のパス交換」「5対2」「インフロントorインサイドキックのシュート」など、ボールを蹴るというテーマに基づき、様々なバリエーションのトレーニングが紹介されている。

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理論と実践の両方を知りたい人にとって、非常に参考になる動画と言えるだろう。

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【講師】濵吉正則/
九州産業大学サッカー部監督。UEFA PRO Coaching Diploma(ヨーロッパサッカー連盟公認プロコーチライセンス)。スロベニアサッカー協会公認 プロコーチライセンス。中学・高等学校1種 保健体育教諭免許。スロベニアでコーチングライセンスを取得し、柏レイソルU18監督、名古屋グランパストップチームコーチ、U15監督、徳島ヴォルティスユース監督、トップチームコーチ、ギラヴァンツ北九州コーチ、大宮アルディージャテクニカルアシスタント、監督通訳などを経て、2016年にSVホルン(オーストリア・ブンデンスリーグ2部)の監督に就任。その後、ホルンの育成センター・アカデミーアドバイザーを経て、2018年より現職。

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文/鈴木智之

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