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テクニック

接触を恐れずデュエルで勝つ力を身に付ける/ジュニアからボディコンタクトスキルを習得するトレーニング

公開:2021年11月 5日

近年、「デュエル」(ボール際の競り合い)の重要性が叫ばれているように、サッカーにおいてボディコンタクトスキルは必須になっている。しかしながら、どのように指導して良いかがわからない指導者も多いのではないだろうか?

そこで今回はワセダJFCと国分寺キッズアカデミーで代表を務め、U-12専門フィジカルコーチとしても活動する鎌田豊氏に「小学校低学年から、ボディコンタクトスキルを身につけるトレーニング」を紹介してもらった。後編は「ボールを使ってボディコンタクトスキルを高める練習方法」。サッカーのスキルとコンタクトスキルの両方にアプローチできるトレーニングとなっている。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2021年7月5日掲載記事より転載)

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遊びの中で、ドリブルと状況判断、体の動かし方などを学んでいく

最初のトレーニングは「スパイダーマン」。ドリブル役とスパイダーマン(守備役)に分かれてスタートする。スパイダーマンは地面に手と足をつけた状態で移動し、ドリブルする選手のボールを奪う、もしくは蹴り出す。

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「スパイダーマンはクモの動きでボールを奪いに行こう。ドリブルをしている人は、ボールを奪われないように逃げてください。(前回の動画にある)ウォーミングアップで転ぶ練習をしたよね。倒れそうになったときはしっかり、地面に手をつこう」

スパイダーマンが伸ばした足に引っかかると、ドリブルしている選手は倒れやすくなる。その際に、手をしっかりついて受け身をとるのがポイントだ。

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子どもたちは遊びの中で、ドリブルと状況判断、体の動かし方や全身を使うことを学んでいく。鎌田コーチは「良い手のつき方をしたね」「よく倒れなかったね」などと声をかけ、良い動きを褒めていた。

続いては「シールドスキル」。1人が立ち、もうひとりが走って体をぶつけに行く。当たられた選手が動いてしまったら役割を交代する。

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ここでは、腰から相手に当たりに行った選手に対し、「ナイスプレー」と褒めていた。お互いに腰を出すタイミングが合うと、相手と同じぐらいの力になるので倒れにくくなる。サッカーでは珍しいトレーニングだが、接触プレーの向上には必要なスキルだろう。

続いては、ボールを使ってシールドスキルをトレーニング。鎌田コーチは次のように説明する。

「ゴールライン際の競り合いで、相手にボールを触らせず、体を入れてブロックすると、ラインを割ってマイボールになるシーンがあるよね。その練習をしよう」

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進め方としては、2人同時にスタートし、DF役は相手にボールを触らせず、ラインの外にボールを出せば勝ちになる。

「相手がどっちから来るか、よく見よう。相手が来たのを見計らって、ボールと相手の間に体を入れよう」

ここでは、相手の動きを見て、コースを塞いだ選手に対して「いいね!」と声をかけていた。ほかにも選手たちに「相手を見るためにはどうする?」と問いかけ、「顔を上げて、周りを見る」という答えを導くと「それで解決できるよね。ボールだけを見ると、相手の動きがわからないよ」とアドバイスを送っていた。

トレーニングの終盤に実践形式のメニューを行う

3つ目は「ボールキープ&シュート」。1対1+2ゴールと2対2+1ゴールを実施する。最初に2人同時にダッシュし、コーンまで行って反転したところでコーチがパス。そこから1対1が始まり、左右どちらかのゴールを目指す。(シュートはゴールエリア内)。

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2チームに分けて、5点先取したチームが勝ちとなる。その後、2対2に発展。鎌田コーチは「相手からボールを守るときに、お尻、腕、足ブロックの3つがあることを意識してやろう」と話し、トレーニングがスタートした。

さらに、選手たちの動きを見て「目線が下だとバランスを崩しやすい。顔を上げてドリブルしよう。相手が来たと思ったら、ブロックして進んでいこう」と実演を交えながら指導。トレーニングにダッシュ、ターン、ボールの奪い合い、ドリブル、シュートが含まれているので、技術に加えて体力向上にも有効なメニューだ。

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チーム同士の競争形式にすることで、プレー強度が高まるとともに、子どもたちの声掛けや、熱中している様子も映像に収められている。盛り上がりの中で真剣にチャレンジしている姿を、ぜひ動画で確認してほしい。

最後に鎌田コーチは、次のようにメッセージを送り、動画を締めくくった。

「今回紹介したトレーニングはデュエルで勝ち、試合で勝つために必要なものです。低学年から、ボディコンタクトスキルの獲得を行うことで、中学生年代でボディコンタクトを恐れずにプレーできるようになります。低学年から身体接触を楽しみ、ケガなく強度が高いプレーができると、未来が変わってきます。指導経験の浅いコーチでもできるトレーニングなので、活動の参考にしてみてください。日常を変えて、子どもたちの未来を変えていきましょう!」

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【講師】鎌田豊/
1982年3月19日生。東京都出身。母校の中学校で指導者としてのキャリアをスタート。現在は、ワセダJFC と国分寺キッズアカデミーで監督兼代表を務め、日本初U-12専属フィジカルコーチとしても活動中。フィジカルコーチとして、RENOVA FC(山梨県甲府市)と西南学院大学サッカー部(福岡県)でも指導を行っている。

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