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テクニック

相手の逆をとるファーストタッチと体の向き/蹴らずに繋ぐゴールキックからビルドアップを行うトレーニング

公開:2022年2月 4日 更新:2022年10月17日

2019/20年の競技規則改正により、「ゴールキックの際に、味方選手はペナルティエリア内でボールを受けることができる」とルールが変更になった。

この変更を活用し、自陣からビルドアップをするために、どのようなトレーニングをすればいいのだろうか? ボールを保持するスタイルに定評のある、ソレッソ鹿児島U-12コーチの瀬戸口大翼氏に実演してもらった。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2022年1月11日掲載記事より転載)

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パス&コントロールは各ポジションをイメージしながら行う

テーマは「ペナルティエリア内に味方がいる状況からゴールキックを行う、ビルドアップトレーニング」。前編では「体の向き、ボールを失わない数的優位の作り方の確認」のためのトレーニングを行った。

瀬戸口コーチは「数的優位をうまく使い、FW、MFに良い形でボールをつけることを狙いとしてトレーニングしていきます」と話し、「六角形のパス回し」に取り掛かった。

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これは、六角形の位置に選手を配置し、パス&コントロールを行うもので、ポイントは蹴りやすい場所にボールを止めることやパスの質にこだわること。パスを受けるタイミング、攻撃方向を意識した体の向きも重要になる。

瀬戸口コーチは「タイミングよくマーカーから離れて、次にボールを出す方向を観よう」「パススピードを上げよう」などと声をかけながら、右回り、左回りを行い、両足でパス&コントロールを実施していく。

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さらには、漫然とパス&コントロールを行うのではなく、試合でのポジションを意識させるため「サイドバックがボールを持って、センターバックからGKへパスをつないでいくなど、展開するイメージを持ちながらやろう」とアドバイスを送っていた。

続いて、「1人飛ばしてパスを出し、リターンパスを受けて前にパス」の流れを繰り返していく。

トレーニングを通じて「トラップからパスを出すまでの速さ」「ゆっくりから早く近寄るなど、動きに変化をつけること」もポイントだ。

次に、「蹴り方を変えずに、どのポジションの選手にパスを出すかを、ボール保持者が決める(蹴り分ける)」というルールにチェンジ。パスの受け手は、常にボールが受けられるように準備をしておきたい。

受け手はどこに侵入するとよいのかを予測してファーストタッチに拘る

2つ目のトレーニングは「2対1」。グリッド内で2対1のボールポゼッションを実施し、10本パスを回すか、ボールを取られたら鬼と交代して続ける。

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「ボールを取られたから終わりではなく、すぐに切り替えよう。パスではなくドリブル、ファーストタッチの練習だよ。矢印を作って相手を揺さぶる。逆を取ろう」(瀬戸口コーチ)

ポイントは相手を抜く、かわすことではなく、ボールを取られない意識を持つこと。このあたりは指導者の声掛けで、選手に意識させたいところだ。

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3つ目は「3対2」。フリーマンを一人置き、グリッド内でボールポゼッションを行う。パスが10本通れば1点となる。

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瀬戸口コーチは「詰まったときのテクニックではなく、詰まらないための判断を見たい」と話し、ボールを足元に止めるのではなく、ファーストタッチで動かして、空いたスペースに進入していくプレーを奨励していた。

前編最後のトレーニングは「3対2+ゴール(サーバー)」。グリッド内の両サイドにゴール(サーバー)を配置し、ボールポゼッションを行う。

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ここでも、1つ目のトレーニングで話したように「GK、センターバック、サイドバックなど、ポジションの意識を持ってプレーすること」がポイントになる。

「相手を観て、どこでボールをもらうとプレーしやすい?」「ゴールを目指そう」などの声掛けを通じて、認知や判断に働きかけていった。

続いて、「ゴール(サーバー)の選手が、グリッドにドリブルで進入してもOK」とルールを追加。プレーがダイナミックになる中での判断、技術を磨いていく。

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前編のトレーニング終了後、瀬戸口コーチは「パスを回すのではなく、ファーストタッチで相手を動かす、相手の逆を取ることを意識してコーチングしました」と振り返り、後編に向けて「人数を増やし、実践に近づけた形でトレーニングを行っていきます」と話した。

ゴール前からビルドアップするために必要な技術、判断をどのようにして高めればいいのか。それを知るために、非常に有効なトレーニングだ。ジュニア年代でも理解できる内容なので、ぜひチャレンジしていただければと思う。

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【講師】瀬戸口大翼/
大阪東淀川FCで指導者を始める。
その後は、地元の鹿児島に戻り、現在はソレッソ鹿児島U-12でコーチを務めている。

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