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指導経験の浅いコーチでも参考にできる!元鹿島アントラーズコーチが伝授するお団子サッカーの解消法

公開:2022年2月18日 更新:2022年10月17日

サッカーを始めたばかりのU-8やU-10年代を指導する人にとって、悩みの種と言えるのが、子どもたちがボールに群がってしまうこと。いわゆる『お団子サッカー現象』だ。

そこでCOACH UNITED ACADEMYでは、鹿島アントラーズのアカデミーで15年間指導をし、ブラジルでの指導経験も持つ上田原剛コーチに『お団子サッカーの解消』をテーマに、トレーニングを実施してもらった。

初めて指導する子ども達に対して、ベテランコーチはどのようなトレーニングメニュー、声かけでお団子サッカーを解消に導いていくのか? この記事では、全4回に渡って掲載された内容のダイジェストをお届けしたい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITEDからの転載記事になります)

この内容を動画で詳しく見る

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ボールを受ける時に重要なのが3つのポイント

動画ではアイスブレイクを経て「止まった状態でコントロール技術を高めるパストレーニング」からスタート。

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指導のポイントは「オープン(様々なプレーが選択できる場所)にボールを止める」「ボールを受ける前に周囲を観る」「パスの質(方向・強弱)」の3つに意識を向けるようなコーチングを行うこと。

上田原コーチは「試合中にパスをもらう状況は3つあります」と話し、「フリーで受ける状況のときは前を向こう」とアドバイス。さらには「パスが弱いとどうなる?」と子どもたちに問いかけ「パスカットされる」「相手に寄せられる」などの返答を引き出していく。

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そこで「パスが速いとフリーになれる。フリーの人がいたら、ゴロの速いボールを出してあげよう」とイメージを伝えていく。

ボールが来るまでの短い時間で、一番近くにいる相手を観る

2つ目の動画は「離れてボールを受ける目的の理解と技術を高めるパストレーニング」。

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このトレーニングは「ハードボール(強いボール)のパスを出すこと」「オープンに止める」「観る」「パサーのコントロールが決まった瞬間に、受け手が離れること」がポイントになる。

上田原コーチは「サッカーは、いつ何を観ればいいかがわかっていたほうがいいよね」と話し、「ボールがないときに、何を観る?」と質問。子どもたちから「相手、味方、ゴール、ボール、コート、いまいる位置、スペース」などの答えが返ってくる。

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「そうだね。ボールがない時はたくさん観ることができるよね。でも、ボールが来たときに、いま言った全部を観ることができるかな?」とさらに質問をし、「ボールが来るまでの短い時間で、一番近くにいる相手を観ましょう。そうするとボールを取られにくくなるよ」とアドバイスを送っていった。

パスを出した選手は指定された場所に戻るなどの設定を取り入れる

ここまで、子どもたちは『止まって受ける』『離れて受ける』に取り組んだ。ここからは『下がって受ける』をポイントにトレーニングを進めていく。

「4対1のボール回しで、パスの優先順位とポジショニングの状況判断を磨く」トレーニングでは、四隅のコーンの中間地点にフラットマーカーを配置し、「パスを出した選手は、マーカーに戻ってから次のプレーに移る」というルールを設定。そうすることで、ボールに寄りすぎない=お団子サッカーの解消につなげていく。

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そして「2対1のシュート練習」では、攻撃方向がある中で、いかに幅と高さのあるポジションをとり、守備を突破していくかをトレーニングしていく。

設定としては攻撃2人、守備1人の状況でスタート。攻撃はゴールを目指し、守備はボールを奪ったら、両サイドに設置されているゴールを狙うか、コーチにパスを返す。

「最後にボールを触っていない人が、次のプレーの守備役になる」というルールにすることで、攻撃から守備への切り替えもでき、攻撃時にボールに関わることができなくても、次のアクションでプレー機会が確保できるのもポイントだ。

上田原コーチは「相手を引きつけてパスをするのと、引きつけずにパスをするのかどちらがいい?」と質問。「ドリブルをして、相手をひきつけてパスを出すと、もらった選手がフリーになれる」とデモンストレーションをすることで、わかりやすく伝えていた。

選手が密集しているときに「どこが空いているのか?」をコーチングで促す

最後の動画は「4ゴールゲーム」。ゴールを四隅に設置し、3対3を実施。攻撃時は相手ゴールのどちらかのゴールを狙い、守備時は自陣の2つのゴールを守る。ゴール前にシュートラインが設置してあり、そのラインを越えなければシュートを打ってはいけないというルールだ。

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コーチングとしては、片方のゴール前に選手が密集しているときに、「どこが空いている?」「広い方が行きやすいよね」などの声をかけていく。

上田原コーチは途中で選手たちを集め、「片方に人が寄っている=空いている車線があるということ。混んでいる道じゃなくて、空いている道の方が前に行きやすいよ」と、ボードを使ってアドバイス。

さらにはプレーとシンクロし、「どっちが空いている?」「空いている道を探そう」と声をかけ、スペースに移動した選手に「よく気がついた、ナイス」などと褒めていた。

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上田原コーチの動画からは、基礎技術に加えて「何をどう観て判断するか」にアプローチするトレーニングを学ぶことができる。どのメニューもシンプルなので、指導経験の少ないコーチ、サッカーを始めたばかりの子どもでも、抵抗なくチャレンジできるだろう。

また、ミスをした選手に対して「狙いはわかるよ」「ミスをしても大丈夫」など、ポジティブな声をかける様子も随所に収録されている。技術や戦術の指導に加えて、子どもたちに対するスタンスもぜひ参考にしてほしい。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】上田原剛/
15歳の時にジーコサッカーキャンプに参加、ジーコにスカウトされアントラーズユースへ入団、その後大学を経て指導者の道へ。CFZ(ブラジル)で指導者をスタート。2005年〜2021年までの15年間は鹿島アントラーズのアカデミーにて指導。茨城県トレセンU12、ナショナルトレセン(関東)U12担当。2021年4月に蹴和サッカースクールを立ち上げ現在は小中学生の指導にあたる。スクールのほか指導者育成活動(練習会や講義)を行い、2021年6月からスタートした「お父さんコーチ向け練習会」には既に150名以上の指導者が参加している。

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