1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 味方が作ったスペースの活かし方と使うタイミング/フットサルの戦術を使った3人目の動きを習得する練習法

テクニック

味方が作ったスペースの活かし方と使うタイミング/フットサルの戦術を使った3人目の動きを習得する練習法

公開:2022年5月22日 更新:2022年10月17日

JFAフットサル指導者養成のインストラクター・横山哲久氏(ボンフィンFC豊島監督)による「フットサルの戦術を取り入れた3人目の動きを身に付ける練習法」。後編では「スペースを使ってコンビネーションを実践するゲームトレーニング」をお届けしたい。

フットサルは少人数ゆえ、常にプレーに関わり、認知・判断・実行を繰り返すことが重要だ。それを踏まえて、横山コーチに戦術理解と技術を同時に高めていく方法を実践してもらった。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

yokoyama002.png

<< 前回の記事を読む 

自分だけでなく、仲間の動きを見ながら空いているスペースを見つける

後編最初のトレーニングは「4対4+GKセパレートゲーム」。4対4+GKで行うのだが、グリッドを縦半分に分けて2対2を作り、「同サイドにパスを出したら、パスを出した選手は反対側へ移動する」というルールを設定。そうすることで、パスを出した後にスペースを空ける動きをうながすことができる。

02_02.png

トレーニング前、横山コーチは次のように説明した。

「前編のトレーニングでは、自分たちが作り出したスペースを、3人目の選手が使うことをやってきました。3人目の動きをするためには、スペースを見つけて、タイミング良く動き出すことが重要です。自分のやりたいことをするのではなく、周りの動きを見て、プレーを選べるようにしてほしいと思っています」

トレーニング中は、前編で取り組んだ「右サイドの裏を狙うプレー」を強調。「サイドを狙って、スペースがなければ中央を狙う。それを考えながら、ボールを失わないようにプレーしてみよう」と声をかけていく。

02_03.jpg

サッカー、フットサルの目的は「得点を取ること」にほかならない。そのためには、選手が相手ゴールに近い位置にいることが重要だ。横山コーチはプレーを見る中で、ゴール前に選手がいないことを指摘。ポジションを修正していく。

「点を取るために、高い位置にFWの選手を作ろう。そうすると前進できるよ」

ボールサイドに3人、反対サイドのコートにFW役1人の位置関係を作ることで、FWに対して、相手チームの選手がマークにつくようになる。それにより、ボールサイドの人数が減り、プレーしやすくなる。

さらには、ボールの動きと人の動きにアプローチ。「自分だけでなく、仲間の動きを見ながらやろう」と声をかけていく。コーチングによるプレーの変化は、ぜひ動画で確認してほしい。

スペースを空けた選手以外の味方を活かすことも考える

2つ目のトレーニングは「4対4+GK 背面ゴールゲーム」。グリッドの中央に背中合わせにゴールを置き、4対4+GKを実施。GKは1人で両方のゴールを守る。

02_04.png

横山コーチは「3人目の動きを使い、自分たちで作り出したスペースを使って、シュートまで行こう」「相手の背後を狙うことで、空いたスペースを使うことをやってみよう」「同じゴールを4人で狙うと点は入らないよ」などの声をかけながら、選手たちのプレーを修正していく。

さらには、味方が使うスペースを空けるため、斜めの動きをした選手に対して「ナイス!」と声をかけていた。

02_05.jpg

そのほかに言及したのは、「パスコースを作るために、ボール保持者に対して2つのコースに入り、もう1人が逆サイドを狙うこと」。加えて「仲間が斜めに動いてスペースを作ることで、反対側のゾーンにいる味方が見える。そこまで意識しよう」と声をかけることで、周囲を見ることの重要性を伝えていった。

最後は「4対4+GK」。トレーニングの前に「これまでのトレーニングで、3人目の動きをしてきたよね。仲間が作ったスペースを使うためには、味方と相手の動きを見て、空いたスペースを見つけること」と話し、周りの動きを見て、プレーを選択することの重要性を再度確認していく。

02_06.png

「ボールの置き所や体の向き、立つ場所を意識しながらやってみよう。攻撃の目的はゴールを奪うこと。守備はゴールを守る、ボールを奪うことを意識しよう」と話し、トレーニングに入っていく。

動画では、中央を空けて、左右の攻撃を選ぶプレーについて、細かく指導していた。「どこを空けたい?」「どこが空いたの?」とシンクロして声をかけながら、プレーを修正していく様子は、指導の参考になるだろう。

02_07.jpg

終了後、横山コーチは次のように語り、充実したトレーニングを締めくくった。

「このトレーニングを行うことで、判断力や仲間の動き見る、感じるスキルの上達に働きかけることができます。ぜひともフットサルの戦術をサッカーに取り入れて、指導を行ってみてください」

サッカーに必要な「スペースを作り、使う」意識や、周囲と連動してプレーすることなどは、コーチングするのが難しい部分だ。そこに対して、明確なトレーニングメニュー、声掛けでわかりやすくアプローチしているので、指導経験の少ないコーチの方にも、理解しやすい内容になっている。ぜひ動画を繰り返し見て、ポイントを理解していただければと思う。

<< 前回の記事を読む 

この内容を動画で詳しく見る

【講師】横山哲久/
東京都東大和市出身。地元の小学生クラブで指導者を始め、並行してフットサル選手として活動。フットサル関東リーグにて、シャークス、CASCAVELでプレー、2007年からFリーグペスカドーラ町田で選手として2年間在籍する。
2009年同クラブのサテライトチーム監督、スクールコーチを務め、改めてフットサル指導者として活動。その後、2012年からJFAフットサル指導者養成のインストラクターとして指導者養成事業に携わる。2019年よりボンフィンFC豊島監督に就任。2021年日本サッカー協会100周年記念事業において特別功労者表彰を受賞。

1

サカイク公式LINE
\\友だち募集中//

子どもを伸ばす親の心得を配信中!
大事な情報を見逃さずにチェック!

友だち追加
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
鈴木智之

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連する連載記事

関連記事一覧へ

テクニックコンテンツ一覧へ(480件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 味方が作ったスペースの活かし方と使うタイミング/フットサルの戦術を使った3人目の動きを習得する練習法