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お団子サッカーで悩む指導者へ!パスを繋ぐ為に必要な「サポートの動き」と「止める・蹴る」を磨く練習法

公開:2022年7月11日 更新:2022年10月17日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、指導経験の浅いコーチに向けて「U-8年代の指導動画」を配信中。ユーザーからは「映像が短く、ポイントが絞ってあって見やすい」など好評を得ている。

シリーズ2本目の講師は、蹴和サッカースクール代表の上田原剛コーチ。テーマは「U8から取り組める。ポジショニングとパス交換の基準を学ぶトレーニング」だ。

今回は「止まった状態でコントロール技術を高めるパストレーニング」と「離れてボールを受ける目的の理解と技術を高めるパストレーニング」の2つを紹介したい。

どちらのトレーニングメニューもお団子サッカーを解消する為に必要な、試合中にパスを交換する3つの状況の理解とパス&コントロールの技術を頭と体を使って習得していく。(文・鈴木智之)

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ボールを受ける前に観て、コントロールはオープンに置く

上田原コーチは鹿島アントラーズのアカデミーで15年間指導をし、ブラジルでの指導経験を持つベテラン指導者。シンプルでわかりやすい言葉を使いながら、サッカーに必要な基礎能力を身につけさせていく。

動画1本目は「止まった状態でコントロール技術を高めるパストレーニング」。ひし形にマーカーを置き、時計回り、反時計回りでパスをして進んでいく。時計回りのときは左足、反時計回りのときは右足でコントロールし、パスはどちらの足でも良いというルールだ。

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指導のポイントは「オープン(様々なプレーが選択できる場所)にボールを止める」「ボールを受ける前に周囲を観る」「パスの質(方向・強弱)」の3つに意識を向けるようなコーチングを行うこと。

上田原コーチは「試合中にパスをもらう状況は3つあります」と話し、「フリーで受ける状況のときは前を向こう」とアドバイス。さらには「パスが弱いとどうなる?」と子どもたちに問いかけ「パスカットされる」「相手に寄せられる」などの返答を引き出していく。

そこで「パスが速いとフリーになれる。フリーの人がいたら、ゴロの速いボールを出してあげよう」とイメージを伝えていく。

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ほかにも「(ボール保持者から)離れてボールをもらう時はどんなとき?」と質問をし、「ボール保持者にプレッシャーがないときは離れて受ける」「ボール保持者がプレスを受けている時は、近寄ってサポートをする」など、U-8の子たちに基本的な考え方を提示していく。

トレーニング中、上田原コーチは「ミスは悪いことじゃないよ」「上手!」などの声をかけて、子どもたちの緊張をほぐしていった。

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さらには「まずはしっかりボールを止めてみよう」「フリーなのでゴロの速いボールを出そう」などのアドバイスを送り、ボールが来たら、右足の斜め前に置くことを実演。「コーチがオープンと言ったら、そこに止めよう」とポイントを絞って伝えていく。

離れてボールを受ける時に出来る時間で周囲を観てボールを止める

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2つ目の動画は「離れてボールを受ける目的の理解と技術を高めるパストレーニング」。このトレーニングは「ハードボール(強いボール)のパスを出すこと」「オープンに止める」「観る」「パサーのコントロールが決まった瞬間に、受け手が離れること」がポイントになる。

上田原コーチは「サッカーは、いつ何を観ればいいかがわかっていたほうがいい」と話し、「ボールがないとき、何を観る?」と質問。子どもたちから「相手、味方、ゴール、ボール、コート、いまいる位置、スペース」などの答えが返ってくる。

「そうだね。ボールがない時はたくさん観ることができるよね。でも、ボールが来たときに、いま言った全部を観ることができるかな?」とさらに質問。

そこで「ボールが来るまでの短い時間で、一番近くにいる相手を観ましょう。そうするとボールを取られにくくなるよ」とアドバイスを送っていった。

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トレーニングを通じて、周囲を観るタイミングを身につけるために、「フラットマーカーの間を目安に、ボールホルダーから離れてパスを受け、次の味方にパスを出す」動きを繰り返していく。

ここでは、子どもたちのプレーを見ながら「パサーのコントロールが決まったら離れよう」「オープンの位置にボールを止めよう」「離れている人に出す時は弱いボール? 強いボール?」などのコーチングで意識付けをしていた。

このコーチングはお団子サッカーの特徴である、仲間も相手も同じ場所に固まるという状況を改善する為にも有効である。

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続いて逆周り(左足でボールを止める)を実施。上田原コーチは「ボール止めることを大事にしよう」「パスは相手のおへそをめがけて出すこと。そうするとパス交換が安定するよ。
味方の正面を狙って出そう。もしボールがずれたら受け手が修正しよう」と、パスの出し方にも言及していった。

今回の動画は2本とも、トレーニング設定がシンプルで実行しやすい内容だ。U-8の子に対して、周囲を観ることと適切な技術の発揮にアプローチすることができるので、上田原コーチのコーチングを参考に、ぜひトレーニングに取り入れてみていただければと思う。

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【講師】上田原剛/
15歳の時にジーコサッカーキャンプに参加、ジーコにスカウトされアントラーズユースへ入団、その後大学を経て指導者の道へ。CFZ(ブラジル)で指導者をスタート。2005年〜2021年までの15年間は鹿島アントラーズのアカデミーにて指導。茨城県トレセンU12、ナショナルトレセン(関東)U12担当。2021年4月に蹴和サッカースクールを立ち上げ現在は小中学生の指導にあたる。スクールのほか指導者育成活動(練習会や講義)を行い、2021年6月からスタートした「お父さんコーチ向け練習会」には既に150名以上の指導者が参加している。

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