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テクニック

守備のギャップを狙う「ワンツー」と裏をかく「ワンツー回避」!タイミングとポジショニングを磨く練習法

公開:2023年1月19日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、サッカーを始めたばかりのU-8やU-10世代に向けたトレーニングを配信している。

前回より、エルマルカサッカースクール代表の山本雅史氏による「守備ラインを突破する為の、オフザボールの動き出し」を紹介中だ。

今回は「ワンツー」「ワンツー回避」など、技術と判断の伴ったプレーを通じて、いつ、何を見るか。いつ、どこで味方とタイミングを合わせるかといった部分にアプローチしていく。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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守備ラインを突破する効果的なワンツーを磨くトレーニング

トレーニングのテーマは「守備ラインを突破する為のオフザボールの動き出し」。動画では「ワンツーとワンツー回避」を身につけるため、ワンツーとワンツー回避のトレーニングを実施する。

山本コーチは言う。

「ワンツーは、グループ戦術の中ではスタンダードな方法です。低学年でよくあるのが、相手にワンツーのパスがばれてしまい、ボールを奪われてしまうこと。そうならないように、ワンツー回避の考え方を伝えて、効果的な崩しができるようにトレーニングしていきます」

「ワンツー」のトレーニングは、選手2人がペアになり、赤いコーンの間をワンツーで突破する。パスを出すときは、できる限りダイレクト(ワンタッチ)で行うことがポイントだ。

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山本コーチは子どもたちのプレーを見ながら、「ワンツーは2人でやるので、アイコンタクトをしたり、パスが浮いたり、強すぎないように、思いやりのあるボールを出そう」とアドバイスを送る。

実際の試合では、時間をかけてボールをコントロールしていると、相手のプレッシャーを受けてしまうので、できるだけダイレクト(ワンタッチ)でパスを出すことをの重要性を伝えていった。

「中央の選手が見るのは、(相手に見立てた)赤いコーンだよ。コーンとコーンの間のスペースを上手く使おう。そうすると、相手に取られないよ」

ほかにも、バックステップをして、コーンとコーンの間(ギャップ)に入る動きや、パスを出す選手は、壁になるイメージで体の向きを作り、足を大きく振らずにパスを出すなど、デモンストレーションを交えて、わかりやすく説明していった。

続いては「ワンツー回避」のトレーニング。「ワンツー回避」は中央の赤いコーンをコーチに変更して実施。中でボールを受ける人は、コーチの動きを見て、ワンツーかバックステップをしてワンツーを回避するかの選択をする。

山本コーチは「相手にバレバレなのにパスを出してしまう人がいる。ボールを失わないためにはどうすればいい? 何を見た方がいい?」などの質問を子どもたちに投げかけ、「ボールの移動中に、中央にいるDF役のコーチが動いたら、バックステップで空いているスペースに入ってボールを受ける。コーチが動かなければワンツーをする。それが判断だからね」と考え方を伝えていく。

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まずはワンツーのイメージを持ってプレーし、コーチがコースを消す位置に立ったのを見て、バックステップに切り替えてワンツーを回避し、ドリブルで進んでいく流れだ。

「実際の試合は相手がいる。どういう状況かを見て判断しよう。見るものが増えると、プレーが雑になってしまう。トラップからシュートまで、ていねいにやろう」

実践で磨く相手の守備ラインを突破するオフザボールの動き

トレーニングの最後は「2対2」。これまでの動画で実施した、バックステップ、プルアウェイ、ワンツー、ワンツー回避を実践でトライしていく。

攻撃はゴールを目指し、守備側はボールを奪ってスイッチゾーンに入れば攻守交代となる。守備側はスイッチゾーンに入ることができないので、攻撃側はどんなプレーをしようかを考えながら、アクションを起こす時間を与えているのもポイントだ。

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山本コーチは「ワンツー、オーバラップ、プルアウェイ、バックステップで流すなど、いままでやったことを活かして、工夫してやってみよう」と声をかけ、トレーニングがスタートした。

その後、実演しながらプレーの選択肢を提示し、子どもたちに見本を見せる中で、自分で選ばせていく。

また「最初からうまくはできないから、失敗しても良いよ」と、チャレンジを後押しする声かけを行っていた。

ほかにも、プレーの順番を待っている子どもたちに「この局面ではどうするか」をプレーを見ながら解説し、考え方のヒントを与えていく。

最後は山本コーチがプレーに参加し、コーチングしながらプレーをするとともに、手本となる動きを見せることで、良いプレーを理解させていった。

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以上でトレーニングは終了。山本コーチは「オフザボールで大切なのは、ポジショニング、人(味方や相手)の確認、タイミングです」と説明し、「低学年では、まずは形を教えてあげて、そこからいつ使えるか? の順で指導すると、効率よく学ぶことができます。ぜひ、みなさんのチームやスクールで行ってみてください」と締めくくった。

U-10年代でも、設定をシンプルにして、ポイントを絞った声掛けを行うことで、プレーの考え方や狙いを理解させることができる。山本コーチの動画を参考にし、技術だけでなく、認知や判断に働きかけるトレーニングにもチャレンジしてほしい。

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【講師】山本雅史/
埼玉スタジアム2002サッカースクールで長年指導し、専門学校講師やスポーツ幼児園コンサルタントなどを経験。各年代の監督・ヘッドコーチを歴任し、
現在は、///自己肯定感を高める///をコンセプトとした【エルマルカサッカースクール】の代表として活動している。
→2022年度U-16サッカー 日本代表2名輩出。
また、(一社)日本凸凹支援スポーツ協会の代表理事として、発達障がい児たちにサッカー教室を通じてスポーツ療育『ジャッジをしない個育て』を行っている。

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鈴木智之

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