■どんな遊びにだって、サッカーが上達する要素はある!
「サッカーが上達する要素は、昔からある外遊びや他のスポーツにも、たっぷりと詰っていますよ」と語る小澤英明さん。「選手を目的や理想に到達できるように導くことが役割」というコンディショニングコーチとして、ボクシングをはじめとして、駅伝、アメフト、ラクロス、ラグビーなどの現場で活躍されています。幅広いスポーツを知る小澤さんならではの視点からお話をしてもらいました。
■スポーツは競い合うからこそ面白い! ~外遊びからのきっかけ~
せっかくの広い公園なのに『球技禁止!』の看板が立っていて、サッカーの練習ができない。それならば、"鬼ごっこ"、"かけっこ"をして遊んでみましょう。こうした遊びは「どうしたら相手より速く走ることができるようになるんだろう?」、「こうすれば鬼に捕まらないぞ!」と思考力や想像力を掻き立ててくれることでしょう。
そもそも、スポーツを真剣に取り組もうとする気持ちは、「負けて悔しい、今度は勝ちたい!」、「もっと上手になりたい!」などの単純な動機から始まります。音を上げて諦めてしまうことなく、向上心を持つことが上達につながります。自分の心を強くして、ライバルとの戦いでは負けん気の強さを発揮する。つまり、こうした良い意味での競い合う気持ちが、外で体を動かす遊びからも芽生えてくるのです。
■運動神経は単純な遊びでも鍛えられる
外遊びは、頭で考えたことを素早く、正確に行動に移すために必要な運動神経である"コーディネーション能力"も鍛えることができます。足を揃えたり、広げたりしながらジャンプをする"けんけんぱ"の遊びは、バランス感覚などが身につきます。リズム感覚ならスキップを取り入れた遊びが有効ですし、キャッチボールをすることで空間察知能力が養われます。
このように幼児期に体を動かす遊びをすることで、コーディネーション能力は発達していくのです。広い場所も必要としないので、おうちの前でもできるようなごく簡単な遊びなのですが、本格的にサッカーに取り組んだとき、いわゆる「運動神経が良い」「運動センスが良い」「状況判断が良い」といわれる連動性のあるスムースな身のこなしができるようになる要素はいっぱい含まれているわけです。
そうはいっても、多忙な現代っ子たちは、自由に外遊びをする時間もなかなか作れないのが実情でしょう。サッカーの練習のときに、遊びの要素を取り入れたコーディネーショントレーニングを指導者が用意しておくのも手かもしれません。実際に例をあげてみましょう。