オン・ザ・ピッチでも、オフ・ザ・ピッチでも、自立し考えることを選手に求めるグランセナ新潟FC。オフ・ザ・ピッチでの取り組みとして、今夏、サッカーをしないキャンプを実施しました。1泊2日という短期間のキャンプでありながら、子どもたちには大きな変化が見られたそう。キャンプの狙いやその変化について、グランセナ新潟FCの須田敏男コーチにお話しをうかがいました。(取材・文 前田陽子 画像提供 グランセナフットボールクラブ)
■自分の意見を口に出せないお年頃
―キャンプの概要を教えてください。
夏休みの公式戦のない時期に、1泊2日で行いました。対象はU-13。場所は新潟県の五頭自然郷憩の森というキャンプ場です。キャンプの意図にぴったり合っていて本当にいいところでしたが、こう言っては申し訳ないのですが、水道も電気もままならないような原始的なキャンプ場です。普段の練習の時はグラウンドまで親やクラブの送迎を使っている子どもたちですが、キャンプでは親の送迎を禁止。子どもたちだけで公共交通機関を使ってキャンプ場の受付に集合することからスタートしました。
―サッカーのクラブチームとして、サッカーをしないキャンプに子どもたちや親御さんの反応はいかがでしたか?
キャンプを企画したときに、まずは親御さんにお話しをしました。キャンプを通して子どもたちを成長させたいと話したところ、みなさんに賛同いただき、土地勘のない不慣れな私に代わって親御さんがキャンプ場を探してくれました。主旨を理解いただき、ありがたかったですね。子どもたちは学校の行事で参加できなかった1名を除き、23名が参加。中には怪我をしてギブスの子もいたのですが、とにかく楽しみだったようです。サバイバルなキャンプだとは思っていなかったようですね。
―このキャンプの狙いは何ですか?
狙いは2つありました。ひとつは今あるチームの課題を浮き彫りにしたかったこと.もうひとつは1泊2日と短い期間ですが、非日常の生活の中での子どもたちがどんなアクションをするのかを見たかったからです。
―チームの課題とはどんなことですか?
年頭に新チームをスタートするにあたって、キャプテンを決めました。子どもたちの話し合いで決めたのですが、彼はチームをまとめることができずにいました。それではこれから先困るだろうと、サブキャプテンを私から指名したのですが、その彼もまたチームをまとめることが難しいようでした。そこで、このキャンプを通じて、キャプテンの役割りや重要性、リーダーが不在だとどうなってしまうのかということを選手たちに感じてほしい、そしてどうしたらこのチームが良くなるのかを考えるきっかけにしてほしいと思いました。
今回取材した須田コーチが指導するグランセナフットボールクラブのHPはこちら>>
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガに登録しよう!