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スポーツ少年団やクラブチームの運営を効率化する方法

コロナ禍だからこそ工夫できる!新しいチーム指導のカタチとは?

公開:2020年4月17日 更新:2020年4月23日

キーワード:BANDFC市川GUNNERSコミュニケーションツールライブ配信

新型コロナウィルスの影響で、活動の自粛・縮小を余儀なくされているサッカー界。空いた時間をどう有効に使うかに、頭を悩ませている指導者も多いのではないでしょうか。千葉県市川市で活動するFC市川GUNNERS(ガナーズ)は、無料のグループコミュニケーションアプリ『BAND』を有効活用し、強化に役立てているクラブです。

ガナーズには幼稚園から高校生まで、400人ほどの選手がいます。普段はスケジュール管理や連絡事項の伝達などでBANDを使っているのですが、試合のない週末を利用して、動画配信機能を使い、戦術面のオンライン授業をしているそうです。

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■こんな時だからこそクラブができること

U-18の監督を務める南里雅也氏は「こんな時だからこそ、時間をかけてできるものもある」と言います。

「我々には、『ガナーズのプレーモデル』があります。すべてのプレー、判断を言語化したテキストがあり、どのカテゴリーの指導者も、それをもとに選手の判断や戦術の向上にアプローチしていくのですが、普段は日々のトレーニングや試合の優先順位の方が高く、戦術を深く理解させる部分で、もっとできることがあるのではないかと感じていました。いまはコロナの影響で試合もないので、空いた時間にBANDのライブ配信機能を使い、プレーモデルの落とし込みに取り組んでいます」

具体的には、投票機能で皆が参加できるライブ配信の日時を決めて、BANDのカレンダー機能を使って選手たちにアナウンス。事前にプレーモデルに関する資料をPDFで送って予習をしてもらい、時間になると南里監督の講義がスタート。選手は各家庭で同じ時間に、スマートフォンやパソコンなどで視聴します。

「BANDを使って、事前に資料を送ることができるので、選手たちは『今日はこのテーマで話をするんだな』とわかりますし、内容の予習をすることもできます。普段、グラウンドの中で、プレーモデルやチームの原則をもとに指導しているのですが、どうしても現場の瞬間の状況では、伝えきれない部分もあります。それを座学という形で指導できるのはすごく良いですし、選手からも好評です」

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■ライブ配信や動画を使った新しい指導の可能性

ガナーズではこれまで、雨の日はミーティングの時間に当てることも多かったそうです。ミーティングのためにクラブハウスやグラウンド近くの公共施設を使っていたのですが、南里監督は「もう、それも必要ないかもしれない」と感じていると言います。

「スマートフォンとBANDさえあれば、わざわざ集まらなくても、日時さえ決めておけば、みんなで同じ時間に映像を見て、お互いにやり取りすることができます。ライブを録画しておくこともできるので、都合が悪くて参加できなかった選手も見ることができますし、繰り返し復習することも可能です。撮影や配信もスマホかタブレット1台あれば簡単にできちゃうので、今後はこういう形に置き換わっていくでしょうね」

ガナーズでは4月からオンラインの戦術講座をスタート。コーチがスライドを見ながら解説し、途中で質問タイムを設け、選手がBANDのコメント機能を使って質問。リアルタイムで返答していきます。

南里監督は「ライブならではの一体感がいいですね。最初はまだ慣れていないので、私が話す時間が長かったのですが、会を重ねていくと、対面でのミーティングと遜色ないぐらい、コミュニケーションはとれると思います。」と手応えを感じています。

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■親子で参加してもらうことで保護者の理解も深まる

ライブ配信のメリットは、移動の手間がなくなるだけではありません。ガナーズではジュニアのチームでも講座を実施。小学生の多くはスマートフォンを保護者が管理しています。そのため、親子そろってライブ配信に参加することで、選手だけでなく、保護者のサッカー理解も高まると言います。

「子どもだけでなく、保護者に対しても、チームのフィロソフィやサッカースタイルを理解してもらうための、良い機会になっています。クラブハウスや公共の施設でミーティングをする場合、保護者の方は仕事など他の予定があり、顔を出せないこともあります。家庭の中で、共通のサッカーの話題ができるのはいいですよね」

現代の少年サッカーは、保護者の理解なくして成り立ちません。練習場までの送迎やお弁当の用意、日常生活での接し方など、コーチと保護者が協力して、選手を成長へ導いていくことが求められます。そのためには、コーチと保護者の価値観をすり合わせていく必要があります。

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■工夫次第で指導のやり方はどんどん広っていく

「これから夏に向けて暑くなるので、フィジカルコーチが作った熱中症対策の資料を配ったり、クラブの考えを、選手だけでなく保護者に伝えるためのツールとしてもBANDを活用しています。BANDはファイルや動画をシェアすることが簡単ですし、データが残り続けるのがいいですね。トレーニングや試合分析の動画も、BANDを使って共有しているので、すごく助かっています」

ほかにも、ガナーズでは休校で自宅待機を強いられている子どもたちに向けて、年代別のフィジカルトレーニング動画を送るなど、試行錯誤しながら指導を続けているそうです。

「オンライン」と聞くと、何やら難しそうな話に聞こえるかもしれませんが、スマホでも工夫次第でできることはたくさんあります。この時間を有効に使うことが、事態が収束に向かい、サッカーが日常に戻ってきた時に、大きな差になって現れてくるのかもしれませんね。

「次回の戦術講座では、選手から質問をたくさん受け付けて、双方向にやりとりをする時間を増やしたいと思います。まだ、一方的に話す時間が長いので(笑)」と話す南里監督。今後も、フィジカルコーチによるBANDを使ったオンライントレーニングなど新しい試みをたくさん考えているそうです。

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文・鈴木智之

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