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子どもが自らサッカーノートを書き出す方法
サッカーノートをわたす前に実践したい!お父さんお母さんにできる3つの準備!
公開:2015年10月28日 更新:2015年11月18日
「サッカーがうまくなりたい」。そんな思いを込めて、中村俊輔選手や本田圭佑選手らが活用していたのが、サッカーノートです。今ではJリーグの下部組織をはじめ、多くの街クラブが使っているツールですが、よく「続かない」という声も耳にします。そこで、しつもんメンタルトレーナーの藤代圭一さんに取材にご協力していただき、サカイク編集部でサッカーノートがつづく秘訣を考えてみました。
■記録する=うまくなる、その理由を知っておく
なぜ、サッカーノートを書くとサッカーが上達するのでしょうか。
この疑問に、藤代さんはこう答えてくれました。
「サッカーがうまくなるのにノートが役立つのは、経験学習をより鮮明に効果的に行うことができるからです。まず目標に対し、よかったことや悪かったことを言葉に出して振り返ります。それから、それらを考慮して次の目標を設定します。そうすると、プレーイメージが整理できますよね。要するに、次の練習でプレーイメージが描きやすくなるのです。これはイメージトレーニングと同じことだと思います」
数年前、東大合格生のノートを分析した本がブームになりました。内容は、合格生が使っていたノートから“見やすく書かれている”などの共通点を見つけ、それらを勉強のコツとして伝えるものです。
そもそも彼らは東大合格という明確な目標があったから、身近に使っているノートを学力アップのためのツールとして活用したわけです。本に書かれた様々な共通点の中に、弱点復習という項目があったのをご存知でしょうか。解けなかった問題を重点的に復習することで、次にどうすれば正解を導けるかを見直し、自分なりにまとめるのです。
サッカーノートも“振り返り”が大きな役割の一つです。成功も失敗も「どうしてそうなったか」を自分なりの言葉でアウトプットし、整理していくのです。そうすることで頭の中のプレーイメージが鮮明になり、次の実戦で役立つものへと進化するのです。さらにノートに書き残しているので、後々も立ち返る場所、つまり迷ったときの拠り所にもなります。
サッカーノートは書くことが目的ではなく、プレーイメージの整理が大きな目的です。プレーイメージを鮮明にすることで、自分の思い描いたプレーに向かって練習を積み重ねられるからこそ、サッカーがうまくなっていくのです。
■目標が「続ける理由になる」と知っておく
東大合格生のノートにふれましたが、彼らがノートをうまく活用したのは、合格という明確な目標があったからです。これはサッカーノートも同じです。
最初の方のページに『目標』という項目があります。それは、ノートを始める前にしっかりと目標を立てなければ、続ける理由が見えなくなってしまうからです。ただでさえ、ノートを書くことはハードルが高いと感じませんか。それなのに、お母さんやお父さんは「書いたの?」と日課のように聞くだけで、結果的に「続かなかった」と嘆いています。よく考えたら続かない理由がわからないのは当たり前です。
子どもの目標を知っていますか?
目標を立てた理由を知っていますか?
藤代さんはこうも語ってくれました。
「お父さんお母さんと話をして感じるのが、親目線で子どもを見ているということです。『うちの子はシュートが得意だ』『うちの子はちょっと走るのは不得手』。そのことを子どもの口から聞きましたか? 実際、子どもにたずねてみると『パスの方が好き』『サイドを全速力で上がると楽しい』と答えたりして、親子でズレがあることが多々あります。意外と子どものことを知らないお母さんとお父さんも多いです」
そこで、こんなおもしろい提案をしてくれました。
「サッカーノートを書く時間を『親子の時間』として共有してはどうでしょうか。同じテーブルに座り、記入する時間をたとえば7分と決め、終了後、子どもがノートに記したことを『どうして?』とたずね、理由を教えてもらいながら食事の会話のきっかけにしてみるのです。そうすれば、今まで気づかなかった大きな発見があるかもしれません。それに、子どもにとっても口に出して答える(=アウトプット)ので、考えたことを整理しやすくなります。ノートを書いている間、大人側は読書をするなど自分なりの時間に還元すれば、お互いにとって有意義に過ごせます。有意義だという同じ気持ちで同じテーブルに座っているので、きっと親子関係がより深まるはずです。それが、ゆくゆくは『サッカーノートを続ける理由』にもなります」
子どもがサッカーノートを始め、目標を立てるとき、必ず理由を聞いてあげてください。そうすれば、子どもは口に出すことで目標が明確になり、ノートを書く目的意識が鮮明になります。お母さんとお父さんにとっても理由を知っていれば、会話のきっかけにもなり、項目ごとに理由を質問するときも言葉を投げかけやすくなります。
目標も理由も、ノートを書く時間も共有していれば、子どもが『もう止めようかな』と感じても思いとどまる要素がたくさん生まれます。見方を変えたら、お母さんやお父さんはサッカーノートをうまく活用してコミュニケーションの機会が増やせる機会につながるのです。
勘違いをしてはいけないのは、自主的にサッカーノートを始める子どもは希だということです。大人から機会を作ることがほとんどだから、子ども任せにしていれば孤独を感じ、続かないのは当たり前です。そのうえ、目標や理由すらも知らない……。一番認めてほしい味方がそばにいなければ、何かを続けることは難しいものです。
サッカーがうまくなりたいと立ち返る場所、つまり目標から親子で共有していくことが大事なのではないでしょうか。
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■応募締切:2016年3月31日(木)
※ノートの発送は、応募受付後、約14日前後になります。(年末年始や大型連休をはさむ場合は、14日を超える可能性があります。あらかじめご了承ください)
取材・文=木之下潤/写真=サカイク編集部
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