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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
複数のJクラブでU12の監督を務めたベテランコーチから学ぶ!守備のチャレンジとカバーの基本スキルを実践!
公開:2024年3月21日
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
U-10年代で覚えておきたいのが「守備の基本」である。
そこで「どのようにしてボールを奪うのか?」「グループで守備をする際、どのように状況を認知して動くか」といった部分を、複数のJクラブでU-12の監督を努めた経験を持つ、GO FOWARD 愛知の対馬武志氏に実践してもらった。
今回の動画では「1対1・守備の個人戦術」「チャレンジ&カバー」という、守備の基本を指導する様子を紹介したい。ベテラン指導者による、わかりやすいコーチングは必見だ。(文・鈴木智之)
相手との間合いの詰め方とボールを奪うための体の入れ方・ぶつけ方
「1対1・守備の個人戦術」を指導するにあたり、対馬コーチは「このトレーニングでは、3つの大事なことを学んでもらいます」と話し、こう続ける。
「1つ目が、ボール保持者にプレッシャーをかけること。2つ目が、いつボールを奪えそうか。その状況を整理すること。3つ目が、シュートを決めさせないためにボールとゴールを結んだライン上に立つことです」
そのためのトレーニングとして「1対1(ゴールあり)」を実施。ゴール前にシュートゾーン(7m)を設けた1対1を行い、攻撃側はゴールにシュートを打って決める、もしくはゴールの横にあるコーンをドリブルで通過すれば勝ちとなる。守備側はボールを奪ったら、反対側のゴールを目指す。
ここで対馬コーチが強調したのが、「どういう守備をすれば、攻撃の選手を困らせることができるか」について。コーチからのパスで1対1がスタートするのだが、守備の選手はボールの移動中、相手に寄せることがポイントになる。
「距離を詰めると、相手は困るよね。それがプレッシャーかけるということだよ」
加えて、プレッシャーをかける意味を説明。「相手がプレーしようとする間合いを詰めて、スペースを奪おう。相手の顔を上がっていたら、どこに行こうか、考える時間ができる。プレッシャーをかけて、相手の顔を下げさせよう」
ほかに、攻撃の選手が足元にボールを置いている「いい状態」のときは足を動かして、しつこくディフェンスし、相手の足からボールが離れた瞬間に体をぶつけたり、体を入れたりして奪うことをレクチャー。
「その間合いで相手は困るかな?」「困らせるために、足が届くところまで近づこう」と声をかけ、プレッシャーをかけるようにうながしていく。
途中からシュートエリアを撤廃。攻撃が決めたら1点、守備がボールを奪って決めたら2点とし、個人戦にする。
対馬コーチは、ボールを奪えなくても、しつこく相手についていくプレーを見逃さず称賛。チャレンジを肯定する声かけは、見習いたいポイントだ。
ファーストディフェンダーとセカンドディフェンダーの役割を理解する
続いてのテーマは「チャレンジ&カバー」。グループで守備をする際の基本ともいえる考え方だ。
対馬コーチは「ボール保持者に対するファーストディフェンダーは、先ほどまで学んだことを生かしてプレーしていきます。もう1人の守備者であるセカンドディフェンダーは、味方が抜かれたときにカバーできることと、もう1人の攻撃者にパスが出たときに、即座に対応できることを考えたポジションを取り続けることを学んでいきます」と説明。
トレーニングは「2対2(ゴールあり)」を実施。「1対1(ゴールあり)」にはあった、シュートエリアは設けず、どこからシュートを打ってもいいこととする。
対馬コーチは攻撃の選手に対し、「目的は点を取ることなので、まずはゴールを見よう」と声をかけ、守備の選手には「余裕をなくさせるために、相手に近づく。それがプレッシャーだよ」と声をかけていく。
プレーを見ながら「攻撃の選手は、顔が上がるからゴールが見える。考える時間を奪おう」と、相手にプレッシャーをかけることに意識を向けさせていた。
続いて「チャレンジ&カバーの原則」を提示。「一人目がかわされたら、二人目はゴールを隠すポジションをとろう。さらに、(もう1人の相手に)パスが出たときにも行けるようにすること。守備のときは、セカンドディフェンダーは2つ考えることがあるからね」とわかりやすく説明。
対馬コーチのアドバイスにより、カバーの意識が高まっていく。その様子はぜひ動画で確認してほしい。
また、相手が横に動いたときに、体をぶつける、もしくは入れて奪うことを強調。2対2になり、状況が複雑になったことで、これまで取り組んできたポイントを忘れがちになる。
そこを見逃さず、前のトレーニングで大事にしてきたポイントをていねいに教えていた。
以上でトレーニングは終了。選手たちに、「攻撃も守備も簡単じゃないので、失敗してもいい。次の練習にできることが増えていることが大事」と優しく声をかけ、締めくくっていた。
動画を通じて、守備の基本をわかりやすく伝える姿が印象的だった対馬コーチ。ベテラン指導者ならではの細やかな視点、言葉選びなど、大いに参考にしていただければと思う。
【講師】対馬 武志/
大学時代に、東京都保谷市(現西東京市)の碧山サッカークラブにて指導者としてのキャリアを開始。筑波大学大学院に在籍していた2004年、なでしこジャパンのアメリカ遠征に「テクニカルスタッフ(分析担当)」として帯同する。その時の縁がきっかけで、2005年に湘南ベルマーレにアシスタントコーチ(分析担当)として入団。その後、サガン鳥栖のテクニカルコーチ(分析担当)を経て、2008年よりサガン鳥栖のアカデミー(U-15)にて指導。その後も福岡J・アンクラス(当時、なでしこチャレンジリーグ所属)、アルビレックス新潟(U-12監督)、松本山雅FC(U-12監督)、星槎国際湘南女子サッカー部(コーチ)と、様々な年代や男子・女子での指導を経験したのち、2023年より愛知県額田郡幸田町にて活動しているGO FORWARD愛知にて小中学生の指導にあたる。
また現在は、これまでの経験を生かし、2023年10月より『サッカー指導者向けのコンサルタント事業』も行っている。
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