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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集

日本サッカー協会JFAコーチから教わる!ゴールの確率を高める「サポートの位置」と「パスの優先順位」の原則

公開:2024年5月16日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

前回より、栃木県宇都宮市で活動する「リオールスポーツクラブ」で代表を務める、楠本晃義氏による「低学年から身につけたい『状況判断力』を向上させるトレーニング」を紹介中。

楠本氏は日本代表で活躍する選手をジュニア時代に指導するほか、日本サッカー協会のJFAコーチ、JFAチューターとして、公認ライセンスの講師も務めている。

今回の動画では「 攻撃におけるプレー原則の基本」「状況の変化を見て、最適なプレーを選ぶ」をテーマに、個人戦術と状況判断にフォーカスしたトレーニングを行っていく。(文・鈴木智之)

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最短でゴールを狙う為のボールを受ける場所とタイミングを磨く2対1

前編から続く、楠本晃義コーチによるトレーニング。今回は「連続した2対1」を実施。

ゴール前の局面で、攻撃側は数的優位の状況でゴールを目指す。攻撃側がシュートを打つか、守備側がボールを奪う、もしくはコートの外に出たら終了。攻撃が終わったら、最初にボールを受けた選手が守備側になり、隣のコートで2対1が始まる。

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楠本コーチは「パスをした選手はサポートに入り、2人で攻めます。ボール保持者の状況に応じて、どこでサポートするかを判断していきます」とポイントを話し、トレーニングに入っていった。

まずはプレーに際し、「時間かけないように」とアドバイスをしながら、「意識してほしいのは、背後を目指すこと」と説明。「1個1個のトレーニングはつながっているよ」と投げかけていく。

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前編で行った、トレーニング1、2の内容を意識させながら「ゴールに背を向けてボールを受けるのではなく、相手の背後で、ゴールを向いた状態でボールを受ける」と声をかけていく。

ポイントは、プレーの選択肢を持つためにも、相手をよく観ること。守備と攻撃の距離が離れていれば、攻撃側にはパス、ドリブルの選択肢がある。そこで、よりゴールに直結するプレーを選びたい。

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続いて、「リターンパスからプレーがスタート」というルールにチェンジ。2対1の状況がはっきりできるので、その状況でどう攻撃し、どう守るかにフォーカスしていった。

人数が変化する事で求められる周りを観て状況判断を繰り返す力

2つ目のトレーニングは「状況の変化を見て、最適なプレーを選ぶ」をテーマに「1+GK→1対1→2対1→2対2」を行う。

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「このトレーニングは1対GK、1対1、2対1、2対2とつながるので、本日のポイントがすべて入っています。人数は変わりますが、やるべきことは同じです。状況に応じて、どのようにプレーを選択するのか。どこにサポートするのかを意識することが大切になります」

攻撃、守備と次々に役割が変わり、人数も変わっていくので、素早く頭を切り替えること、状況を認知して適切なプレーを選択することがポイントになる。

ここでは「2対1」の際に、攻撃側に対して「ボールを受けるときは相手(守備)を観ること。パスを出す人は、常にいいところにボールを置いて蹴られるようにしよう」と、技術と認知の両方を意識するように働きかけていた。

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さらに、パスの受け手に対しては「どこに行けば、ゴールに最短で行けるかな?」と投げかけ、「ボール保持者がプレッシャーを受けているのかどうかがすごく大事。ボールだけを見ていたらわからなくなるので、一つひとつ判断しよう」と、認知・判断の重要性を強調していた。

以上でトレーニングは終了。

楠本コーチは「TR1では、相手の状況に応じた、パスと動きの優先順位を段階的に説明し、理解させることを目的に行いました。TR2以降では、対人の中でそれぞれが適切な判断をしていくことを目的に指導しました」と総括し、パスと動きの優先順位を、以下のように提示。

①相手の背後
②前方へのパス(ゴールに近い足)
③前方へのパス(相手から遠い足)

ボールを持っている人を「もっとも重要な選手」と定義した上で「まずは、自分のテクニック(シュート・ドリブル・パス)を用いて突破することを考えます」と話し、「突破が難しい状況であれば、ボールを持っていない人が、ボールを持っている人を助けるための動きが大切になります」と説明。

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そこで必要になるのが、ボール保持者の状況に応じて、角度や距離を意識してサポートすることだ。サポートは一度で終わることなく、状況の変化に応じて、適切な判断をし続けることが求められる。

それを踏まえた上で、「選手は成功と失敗を繰り返すことで、判断する力が身につき、プレーが良くなっていきます。プレーの判断基準を理解させた上で、選手の自由な発想を大切にしてもらえればと思います」と締めくくった。

今回のトレーニングは、技術と認知、状況判断とコンビネーション、攻守の切り替えなど、様々な要素にアプローチすることができるものになっている。

年代を問わず、サッカーに必要なポイントが詰まっているので、ぜひ参考にし、日々のトレーニングに取り入れていただければと思う。

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【講師】楠本晃義/
1982年10月17日生まれ。
大学卒業後、川崎フロンターレで指導者キャリアをスタート。現在日本代表で活躍する三苫薫選手や田中碧選手、久保建英選手などをジュニア時代に指導。
30歳の時に栃木SCへ移籍。栃木SCではアカデミーコーチを経て、トップチームのコーチを経験。J2昇格を果たす。
その後、地域の子どもたちの育成とサッカーコーチの養成を行うため、「LIALL GK ACADEMY」「LIALLスポーツクラブ」を設立。
現在は、日本サッカー協会JFAコーチ・栃木県サッカー協会FAコーチも務めている。
JFA公認A級コーチ、JFA公認GK-Level3ライセンス保持

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