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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集

元Jクラブ監督・S級チューターが実践!低学年で取り組む体の操作とボールスキルの苦手を克服する練習法

公開:2024年6月 6日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

今回のテーマは「動きながら止める、運ぶ、蹴る技術を養うトレーニング」。サッカーを始めたばかりの時期だからこそ、身体操作とボールコントロールに目を向け、ベースとなる技術や身体の動かし方を高めていきたい。

講師を務めるのが、東京都練馬区を拠点に活動する、和魂SC監督の奥野僚右氏。奥野氏は現役時代、鹿島アントラーズや川崎フロンターレで活躍し、引退後はコーチとして、鹿島や福岡、山形、群馬で指導を実施。

現在は日本に3人しかいない、日本サッカー協会S級チューターとして活動するとともに、和魂SCを立ち上げ、サッカーの普及・育成に取り組んでいる。

はたして、プロとして酸いも甘いも噛み分けた、日本トップクラスの指導者は、子どもたちに、どのような指導を行うのだろうか?(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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コーディネーション能力を高めて思うように体を動かす練習法

最初のテーマは「低学年で取り組みたい身体操作」。奥野氏は「まずは身体とボールを自由自在に扱うための身体操作をトレーニングしていきます。ポイントとしては、全身を使う、神経系に働きかけることを主眼に行っています」と説明し、トレーニングに入っていった。

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ひとつめのメニューは「クマ歩き」。手と足を地面につけて、四足歩行のクマのように歩く。イメージ通りに手と足を動かすことが狙いで、子どもたちは楽しそうに動いていく。

次は、後ろ方向や横方向へ進むことにトライ。奥野氏は「ゆっくりでもいいので、手と足を動かそう」と声をかけ、ポイントと簡潔に示していく。

続いて「クモ歩き」。斜め上を見ながら、おしりは地面につけず、背後に両手をついて、後方へ進んでいく。

ここでは「おしりで地面をすべらないように」「手と足を交互に使おう」と声をかけた後、前向きや横向きに進んでいくことにチャレンジしていった。

さらに「右足と左手、左足と右手が交互に動くといいよね」と声をかけ、全身を使うよう、意識を向けさせていく。

最後は、正面にあるコーンをジャンプして飛び越え、その先にあるゲートをくぐって通過した後、90度コースを変えてダッシュするという流れに挑戦。

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ゲートをくぐる際、「倒してあるコーンはナイフです。当たって足をケガしないように。バーは熱い鉄の棒です。当たった選手は背中を火傷するね」など、ゲームの要素を交えながら、子どもが楽しめる表現で雰囲気づくりをしていた。

最後は、同じ動きをドリブルで実施。子どもたちが飽きないように、変化を加えていった。

苦手を克服!継続的に取り組事で逆足でもプレーできるスキルを磨く

2つ目の動画は「逆足を使ったボールスキルの習得」をテーマに、サッカーの要素を多く含んだものにトライしていく。

奥野氏は「逆足を使うことで苦手意識を克服し、回数を積み重ねることで、コーディネーション、ボール扱いの向上を目指します」と話し、まずは逆足のみを使い、コーンの外側を時計回りにドリブルしていく。

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「必ずボールの横に、ボールを触っていない方の足を持ってこよう」「ボールを触る際に、足でボールを蹴らないこと。音がパンパンならないように、スススッとドリブルしてみよう」

次は反対周りで、アウトサイドを使ってドリブル。ここでもボールの横に軸足を置くことに注力していった。

「一回ボールに触るたびに、意識的に顔を上げよう」「スピードよりも、顔が上がっている方が大事だよ」

次に、8の字を描くようにドリブルを実施。難易度を上げていく。さらにコーチが手を上げて、指が何本かを数えさせることで、自然と顔を上げて周りを観る状況を作り出していった。

ほかに、逆足の裏を使って、ボールを動かしながら下がっていく動きにトライ。コーディネーション的に難しい動きだが、子どもたちは集中して取り組んでいた。

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ここからはリフティングに種目を変え、ワンバウンドリフティングを実施。ボールの位置をずらして、足を運びながら行うことがポイントだ。

次にノーバウンドリフティングに取り組み、どちらも逆足を使って実行。さらには右足、左足のインサイドを使って、ノーバウンドリフティングにトライしていく。

奥野氏は「股関節をしっかり曲げよう。足を折りたたみましょう」と声をかけ、片足立ちのストレッチで股関節の可動域、柔軟性を高めていった。

最後は2人1組になり、片方が手でボールを投げて、キャッチして返す。同時に足ではインサイドパス(ワンタッチ)を行う。手と足を同時に動かすことで、脳に刺激を入れていく。

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次は逆足でインサイドパス(2タッチ)。「ボールがずれたら足を運ぼう」と声をかけ、周りを観ることの大切さも伝えていった。

以上で前編のトレーニングは終了。次々に変わる練習メニューに加え、大きな声でわかりやすく説明する姿が印象的だった。

今回紹介したトレーニングは、レクレーション要素を含みながらも、サッカーに必要な身体操作、ボールコントロールにアプローチできる内容になっている。

飽きっぽいU-8~U-10の子どもたちも、積極的に取り組むことができる内容なので、ぜひ日々のトレーニングに取り入れてほしい。

トレーニングの詳細に興味のある方は、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」の動画を最後まで確認していただければと思う。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】奥野僚右/
1993年に鹿島アントラーズに入団し1999年に退団、90年代の鹿島アントラーズを支え、さらに川崎フロンターレ、サンフレッチェ広島、ザスパ草津(現:ザスパクサツ群馬)でプレー。Jリーグで通算231試合の出場を記録。

ザスパ草津では選手兼任監督として、チームを群馬県リーグ1部から日本フットボールリーグに昇格させ、その功績を称えて背番号31番は永久欠番となっている。その後、鹿島アントラーズトップチームコーチ8年、アビスパ福岡トップチームコーチ2年を経験。

2012年にはモンテディオ山形のトップチームの監督に就任、その後17年ぶりに群馬の監督に復帰するとJ2の月間優秀監督賞に選出された。2021年に鹿島アントラーズのコーチに就任・同年退団。現在はJFA S級チューターとして指導者育成に携わりながら、和魂SC代表としてジュニアサッカーの育成・普及に貢献。

JFA 公認S級コーチライセンス保持

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