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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
元Jクラブ監督・S級チューターが実践!低学年で取り組む体の操作とボールスキルの苦手を克服する練習法
公開:2024年6月20日
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
前回より「動きながら止める、運ぶ、蹴る技術を養うトレーニング」をテーマに、和魂SC監督の奥野僚右氏によるトレーニングを公開している。
奥野氏は現役時代、鹿島アントラーズや川崎フロンターレで活躍し、引退後はコーチとして、鹿島や福岡、山形(監督)、群馬で指導を実施。
現在は日本に3人しかいない、日本サッカー協会S級チューターとして活動するとともに、和魂SCを立ち上げ、サッカーの普及・育成に取り組んでいる。
今回は「1対1で磨く、動きの中で観る力」「ゲームで観る・ボールスキルを磨く」をテーマに、サッカー経験の浅い子どもたちと一緒にトレーニングする様子を紹介したい。(文・鈴木智之)
目的を意識し周りの状況を観て意図したプレー選択を行う
動画の冒頭、奥野氏は「サッカーではボールを意図的に止める、運ぶことが大切です。意図的にとは、相手とボールを同時に見ながらプレーを選択していくことです」と話し、トレーニングに入っていった。
練習メニューは「シンプルな1対1」。低学年の子どもたちに向けて「サッカーでは、何よりも見ることが大事です。相手がどこにいるか、どこから来ているかを確認すると、自分のプレーが選べるよ」と語りかけていく。
設定としては、守備側が攻撃側にパスをして1対1がスタート。攻撃側は守備側の背後にある2つのゲートのどちらかに、ドリブルインすれば勝ちとなる。
奥野氏は「ボールが来たときに、相手を騙すためにフェイントを使おう」とデモンストレーション。
「ボールを受ける前に一歩踏み込んで、相手が釣られたから反対側に行った」と話し、「ゴールに行くことが目的」と、狙いを持ってプレーするよう促していった。
また「パスのボールが弱かったら、ボールに近寄っていくこと」をアドバイス。
「自分から、どちらのゴールを奪いたいかを考えて、そのためにこういうフェイントをかけるんだと選ぼう」と、自ら仕掛けることの重要性を伝えていく。
さらには守備のポイントもレクチャーし、「守備側はパスをした後、どちらに相手を追い込みたいのかを考えよう」と投げかけ、片方のコースを切って、もう片方に誘導していく「ワンサイドカット」の考え方を提示。
さらに「おへそを相手に向けて、身体の面を作ろう」とアドバイスすることで、相手の進行方向を限定できるように導いていった。
続いて、設定を「コーチからの配球でスタート」にチェンジ。守備側が背後から寄せてくるので、背後の相手と駆け引きをしながらボールを受けることがポイントになる。
ここでは「いつ周りを確認する?」と投げかけ、「コーチがパスを出す前と、ボールが動いている間にも確認できるといいよね」と話すとともに「パスが弱かったら、近寄りながら背後を見よう」とアドバイスしていた。
最後は「マーカーの間をドリブルで抜けた後、ミニゴールにシュートする」という設定にチェンジ。前回の動画で紹介した「左右どちらの足でもシュートを打てるように」といった声をかけていた。
ゲームは動きながら止める・蹴る・運ぶに自然とアプローチできる
続いてのトレーニングは「2対2+フリーマン。」シュートはワンタッチ、ドリブルシュートはなしというルールのため、ゴールの位置や味方、相手の位置を常に確認し、ワンタッチでシュートを打つために、周囲を観ることにアプローチしていく。
ここでは、周囲の選手が、味方へ声をかけることの重要性をレクチャー。「ボールを持っていない選手は、ボールを触りそうな人に情報を与えてあげよう」とアドバイスしていた。
ラストのトレーニングは「4対4+GK」。実践形式で、これまで取り組んできたことを発揮させていく。
奥野氏はポジショニングについても触れ「ポジショニングは四角形ではなく、ひし形がいいよね。ゴールに向かうところに人がいてほしい。ボールを持った人の右、左、真ん中に人がいること」とわかりやすく説明していた。
以上でトレーニングは終了。奥野氏はS級ライセンスを所有し、プレイヤーとしてもレジェンドでありながら、高圧的な態度はみじんもなく、子どもたちの目線に立って指導をしていた。
トレーニングメニューやコーチングの内容に加え、奥野氏が体現する「指導者としての在り方」も勉強になるだろう。
動画の最後には、視聴する指導者に向けた有意義なアドバイスも掲載されているので、ぜひ動画を見て、奥野氏からのメッセージを受け取っていただければと思う。
【講師】奥野僚右/
1993年に鹿島アントラーズに入団し1999年に退団、90年代の鹿島アントラーズを支え、さらに川崎フロンターレ、サンフレッチェ広島、ザスパ草津(現:ザスパクサツ群馬)でプレー。Jリーグで通算231試合の出場を記録。
ザスパ草津では選手兼任監督として、チームを群馬県リーグ1部から日本フットボールリーグに昇格させ、その功績を称えて背番号31番は永久欠番となっている。その後、鹿島アントラーズトップチームコーチ8年、アビスパ福岡トップチームコーチ2年を経験。
2012年にはモンテディオ山形のトップチームの監督に就任、その後17年ぶりに群馬の監督に復帰するとJ2の月間優秀監督賞に選出された。2021年に鹿島アントラーズのコーチに就任・同年退団。現在はJFA S級チューターとして指導者育成に携わりながら、和魂SC代表としてジュニアサッカーの育成・普及に貢献。
JFA 公認S級コーチライセンス保持
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