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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
もう、ありえないことだらけ!下の子がいるのに当番を配慮してもらえない問題
公開:2018年2月28日
役員がありえない事ばかり行ってくる!とお悩みのママ。パパがコーチをやっていてこれまではお当番もやっていたのですが、現在末っ子が1歳半のため丸1日の当番は無理。自分ができそうな事を代替案として提案しても、あれもダメ、これもダメ...。どうしたらいいの? とほとほと困っている様子。
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回は、わが子が安心して成長できるために、ママの荒んだ心を癒す3つの方法をお伝えします。(文:島沢優子)
<サッカーママからの相談>
息子(11歳)のチームで、夫が保護者コーチをしています。末っ子がまだ1歳の為、当番などは免除してもらっていました。(今までの規定で小さな弟妹がいる家庭は当番免除)
しかし、1歳半をすぎ当番や試合係、配車をお願いされるようになりました。
コーチを引き受けた時点では末っ子が生まれていなかったのでて当番もしてきたのですが、現在末っ子を預ける先もない状態で、他の兄弟が末っ子をみれる年でもない為、当番や試合係が大変なことを伝えているのですが理解してもらえません。
試合係も丸一日外だし、一日外にいるのはまだ末っ子には辛いので、『その分午前中で終わる練習の当番をする』と言っているのですが、それもダメと言われます。
コーチをしているので、夫が試合係や当番するのはダメ、こちらが出来そうなことを代替案として意見を出しましたが、何もかもダメと言われ......。
夫がコーチを辞めて保護者としてできる限りの協力でしてほしいのですが......。(夫自身は役員に何も言ってくれないので)
今まではコーチが当番したりすることも大丈夫だったのに、今年度の役員は『今までとは変えていかなきゃ』と言ってやりたい放題です。
配車もあるのですが、我が家はチャイルドシートとジュニアシートが乗っているので、他に二人しか乗せれません。なのに、子ども三人で二人計算なのであと一人乗れますよね? と役員が言ってきたり、もうありえないことだらけで困っています。
監督や他コーチに相談しても何も変わらないのであてにもできません。
<島沢さんのアドバイス>
メールありがとうございます。
読んでいて、胸が痛くなりました。
相談文を拝読する限り、3人兄弟かと見受けられます。ご長男が11歳ということはこの春から6年生ですね。その下においくつかわかりませんがひとりいて、末っ子さんがまだ1歳。
そのなかでお当番をするのはさぞや大変なことでしょう。
「試合係や当番」と書かれているので、練習当番と試合当番がある。加えて、旦那様がお父さんコーチをしている。ということは、すなわちクラブチームではなく、任意の団体である少年団のようなチームなのでしょう。
私の子どもたちも少年団でサッカーをしていたので保護者の当番がありましたが、小さい子どもを育てている方は基本的に免除でしたし「できることをやってね」というスタンスで平和的に解決していたと記憶しています。
しかし、ご相談の方はそれが許されない環境で、何もかも八方ふさがりのご様子です。わが子が頑張っているサッカーを応援したい気持ちがあっても、そのためにお母さんの心がすさんでしまい家庭の平和が壊れるような状況では本末転倒だと感じます。
■ツライ気持ちを抑え、今はぐっと下手に出てお願いしてみる
では、どうすればいいか。三つの方策をご提案します。
ひとつめ。当番を求めてくる保護者の方と対決するのはやめましょう。ママ友でもあるサッカー保護者の方についてです。「理解してくれない」「何もかもダメと言われる」「やりたい放題」。どれもとても辛いお話しですが、実はそういった人は残念なことにどこにでもいます。
小さな下の兄弟がいることも、唯一の支え手である夫(の時間)をすでにお父さんコーチとしてチームに献上していることも、チャイルドシートのことも、そういった人の中にある「みんな平等」という概念のもとでは配慮しなくてよいものになります。
「個人責任」とか「みんなが平等に親の責任を担う」と、保護者の皆さんは思っているのではないでしょうか。そうなると「大変かもしれないけど、ひとりを特別扱いしちゃうとキリがないよね」という意見が出てきて「だよねー」となります。もしくは、ほかにも保護者の方なりの大義名分があるのかもしれません。
なかには「かわいそうだな」とか「免除してあげればいいのに」といった意見が浮かんでも、子ども以上に空気を読む力を身につけている大人は意見しません。小さな良心のつぶやきは、大きな声にかき消されます。私たちが今生きている社会の縮図のようです。
そこで結論。配慮してくれないことに対して反発せず、ぐっと下手に出て「助けてもらえませんか?」と頼んでみましょう。
それでもダメなら「そういう人たちもいるんだ」と受け流すこと。そして、自分の子どもたちが全員大きくなったあかつきには、小さい子どもを持つお母さんのお当番を免除する意見がいえる自分になってください。
「私もやったんだから、あなたもやらなきゃ」とは絶対言わない。そんな日を想像しながら、今の時間をやり過ごしてください。
■対等なパートナーとして、夫に自分の辛さを言葉できちんと伝える
二つめ。やり過ごすためには、旦那様との関係性を見直すことが不可欠です。
もし、間違っていたらごめんなさい。文章を読む限り、もしかしたら旦那様と対等なパートナーシップを結べていないのではないか? という危惧を抱いています。
「対等なパートナーシップ」とは、配偶者が自分にとって安心できる存在であること。困ったことがあれば何でも相談できる相手であること。自分を上から目線で見ているようなことがなく対等に話し合える。そんな関係です。
私が相談文で一番気になったのは、周りの保護者の配慮のなさなどではなく、旦那様に関するくだりです。
"夫がコーチを辞めて保護者としてできる限りの協力でしてほしいのですが......。(夫自身は役員に何も言ってくれないので)"
最上級生になるところまで指導してきたのなら、最後まで指導したいのかもしれません。
コーチは辞めたくないのであれば、当番の日は旦那様が「今日は当番としてきました!」と言ってその日だけ「普通のパパになる」ことをクラブにお願いすることもできます。
ただし、こういった「当番をどうするか」という話し合いの前に、相談者様は「パートナーとして、私の辛さをわかってほしい」と訴えたほうがいいと思います。お母さんが辛い週末を過ごしていれば、下のお子さんについ当たってしまうことはありませんか? 感情的になれば、子どもたちを待ってあげられない。となれば、良い子育てができません。
そして、どれだけ辛いかをきちんと話したほうがいい。その際に「どうして子どもにサッカーをさせているか」「サッカーに何を望んでいるのか」ということも話しあえるといいですね。
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