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JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問
大人になって得る2つの「かち」のために... 見附小学校SCが結果より大事にしていること
公開:2017年10月31日
日本サッカー協会(JFA)グラスルーツ推進部の松田薫二部長があなたの街のサッカーチームを訪ね歩くこの連載。今回、訪れたのは新潟県見附市にある見附小学校サッカークラブです。
グラスルーツ賛同パートナーとして「みんなPlay!」を体現し、「補欠ゼロ」で全員が出場する大会を開くなど、草の根(グラスルーツ)で、子どもたちにサッカーを楽しむ場を提供している見附小学校サッカークラブ。賛同パートナー制度ができる前から、グラスルーツ宣言に近い活動をしています。
後編では、今年開催した「補欠ゼロ」イベントのお話や、近隣クラブへの影響についてのお話をお伺いしました。(取材・文・写真:鈴木智之)
■誰でもサッカーを楽しめる環境を作る価値
JFAグラスルーツ推進部長の松田部長は「今年の夏に『補欠ゼロ』のフェスティバルをやってくれましたよね。見附小学校サッカークラブのみなさんが、周囲から『良い取り組みをしていますね』と言われていると聞いて、すごくうれしかったです。どうしても、大会で優勝した、プロ選手を輩出したといったように、チームの強さで評価されがちですが、どんなレベルの子どもたちでも試合を楽しめる環境を作るのも、大会で優勝することと同じぐらい価値があると思うんです」と語ります。
松田部長始め、JFAがグラスルーツ賛同パートナー制度を作ったのも「大会の結果だけでなく、草の根で良い取り組みをしているクラブを応援したい」という想いからです。その気持ちに反応したパートナーの輪は、日本各地に広まっています。
見附小学校サッカークラブができたのは2000年のこと。設立当初から「子どもたちには未来と希望がある」という想いで、補欠ゼロの取り組みをしています。この理念を作ったのは、大塚さんの前に監督をしていた方です。残念ながらその方は1年半前に病気でお亡くなりになり、大塚さんが監督を継ぎました。
大塚さんが「クラブの理念は間違っていなかった」と確信した出来事がありました。それは、前監督のお葬式の日のことでした。
「1年半前、このクラブを立ち上げた方がご逝去されたのですが、お葬式に200人ほどの小中学生、高校生が来ました。ご住職に『お葬式に、こんなにたくさんの子どもが来たのは初めてです』と言われたんです。その光景を見たときに、今までやってきた事は間違っていなかったと確信できました」
その話を聞いて、松田部長は「クラブを立ち上げた方の想いが、子ども達の中に根付いていていたんでしょうね」と感心します。
■人生は逆転できる! 人生に勝ち、経験に価値を見出すために
大塚さんは当時を思い出し、次のように続けます。
「たとえ、小学生年代で試合に勝てなくても、その子が大人になって人生に勝つこと、そしてここでの経験が価値あるものだったという、ふたつの『かち』につながる指導ができればと思っています。そう考えると、我々が指導者として評価されるのは、今この瞬間ではなくて、ここにいる子どもたちが大人になった10年後、20年後なのかもしれません」
松田部長は「そう思いますよ」と強くうなずき、「賛同パートナーになってよかったことはありますか?」と尋ねると、大塚さんは誇らしげにこう答えました。
「自分たちがしていることを、色々な方から評価されるのはうれしいですね。見附小学校にトロフィーや賞状が飾られている一角があるのですが、そこにJFAから頂いた『グラスルーツ賛同パートナー認定証』が飾ってあるんですよ。我々も保護者も、そして学校側もグラスルーツの認定団体なんだという誇りを持って、活動をしています」
見附小学校サッカークラブの取り組みを知った近隣クラブから「グラスルーツ賛同パートナーってなんですか?」と問い合わせを受けるなど、活動の輪は広がりを見せつつあります。
大塚さんは「我々のような小さなクラブでも、グラスルーツの取り組みを全国に広げる手伝いができることが嬉しいです」と話し、日々の指導や大会開催のモチベーションも高まっているようです。
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