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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

ダラダラ練習、やる気もなさそう。全力でやらず負けても悔しくない子どもたちをサッカー好きにするにはどうすればいい?

公開:2018年11月30日 更新:2019年3月18日

キーワード:やる気コーチング主体性小学生指導池上正試合

全体的にダラダラしてやる気のない子どもたち。負けても「別に、いい」と悔しがらない。子どもたちがサッカーを好きになり、自分から上手くなりたいと思うような指導をしたいけどどうすればいい? とお悩みのボランティアコーチ。

習熟度ややる気に差があるとき、どんな指導をすればいいのか悩むコーチも多いのではないでしょうか?

これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが授けるコーチングを参考にしてみてください。(取材・文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプでのトレーニングです。 質問者及び質問内容とは関係ありません

<<「練習は好きだけど試合に行きたくない子」にどうやって接すればいい?

<お父さんコーチからの質問>

U-10年代のボランティアコーチです。教えているのは学校のチームなのですが、基本技術の習熟度もまばらで練習メニューも決まってなく、顧問の先生もサッカーをあまり知りません。

子どもたちの中には、やる気のある子たちもいますが、全体的にダラダラした練習をしています。

練習の際も時間潰しに来ているようなダラダラした態度で、全力でやって負けるならともかく、皆試合に負けても「別にいい」と悔しいと思わないみたいです。

子どもたちが楽しくサッカーが好きになり自分たちから上手くなりたいと思うように指導したいときは、何から取り組めばいいのでしょうか?

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。
試合に負けた子どもたちが悔しくなさそうに見える――これはもう10年以上前から散見される現象です。

そのような子どもたちを見かけると、大人たちはつい「おまえたち、負けて悔しくないのか?」とか、「勝ちたいっていう気持ちが足らなかったんだよ!」と怒っていることでしょう。

練習も、それと同じ理屈。大人の眼には、子どもたちが練習もやる気なさそうで、ダラダラした態度に見えてしまうのでしょう。

ここは少し違う角度から考えてみましょう。

■本当にやる気がないのか、そう見えるだけなのかを整理

ダラダラしていると感じてしまうということは、「練習はダラダラしていてはダメ」「常にきびきびと動いて真剣に取り組むべきだ」ととらえているわけです。「練習というものはこうあるべきだ」という固定観念がある。

それだから、「きちんとやれ」とか「ちゃんとやれ」といった抽象的な言葉が止まらないのかもしれません。

大人たちは不満だけど、実際に練習する側の子どもたちはどう感じているのでしょうか。

「集中してやっていないように見えるけど、どう思う?」

一度、尋ねてみませんか?


「え? 一生懸命やってるけど」と思うかもしれません。
「あそこのパスをコーチに言われたから、どうしたらパスが通るかなって考えてたよ」と言うかもしれません。
「いや、あの練習、すごく楽しくて」と言うかも。

ところが、大人たちのなかには、子どもが練習中に白い歯を見せることを良しとしない人が少なくありません。子どもが楽しくて笑うと「ヘラヘラするな!」と叱ったりします。その瞬間、サッカーは子どもたちにとって楽しくないものになります。

「子どもは怒られることをそんなに気にしてません。案外、けろっとしてますよ」という方もいらっしゃいます。なかにはそういう子もいるかもしれませんが、嫌な子だっています。

■練習が楽しい時間になるかどうかは自分たち次第と認識させる

そこで、ひとつめの提案です。
もし、子どもたちがダラダラして集中できていないように見えたなら、一度練習を止めて問いかけてみましょう。

「みんな、いま、どう? サッカー、楽しくないのかな?」
「じゃあ、どうしたら楽しくなるかなあ?」

そんなことを問いかけてください。

それを続けることで「サッカーをやるのは君たちだよ」というメッセージになります。「主人公」は君たち。楽しい時間にするのか、そうじゃないまま終わるのかは、君たちが考えることなんだよ、ということが伝わるはずです。

「いや、楽しいけど」とすまして言う子もいれば「いや、なんか練習に飽きちゃってた」と本音を言う子も出てきます。

「じゃあ、飽きちゃった子も楽しくするには、どうしたらいい?」とまた尋ねます。

そのためには、コーチは引き出しを豊かにしておく必要があります。サッカーの練習にはいろんな要素がたくさんあります。鬼ごっこでも、おしくらまんじゅうでも、体を動かすものなら何をやってもトレーニングになります。

ただし、トレーニング効果が上がるのは「子どもがやりたがるもの」に限ります。コーチに言われて、怒られるから渋々やるのでは、練習にはなりません。

ですから、子どもが「こんなことしたい!」と言ったら、それはずべてプラスになると考えてください。やってみたら、うまくできないことはいっぱい出てくるでしょう。


「これはいま難しいから、少し戻ってこんなふうにやるのはどう?」と、コーチから提案してもいいでしょう。

でも、あくまで子どもを主体にします。子どもが「こっちもしてみるかな?」「こんなことがいいなあ?」と言い出したら、コーチのアイデアよりもそちらを優先してあげましょう。

子どもたちと一緒になって練習を考えてあげることです。

次ページ:形から入らなくても大丈夫

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文:島沢優子

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