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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022
遠藤航を輩出した湘南ベルマーレのアカデミーが「ただプロになればいいわけではない」「U-12から主体性が大事」と語る理由
公開:2022年8月30日 更新:2022年10月17日
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U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022で、ベスト4に進出したのが湘南ベルマーレアカデミー選抜です。攻守にバランスのとれたチームで、準々決勝では播戸竜二監督率いる大和ハウスDREAMSを撃破しました。
準決勝では、優勝を果たしたmalva future selectに1対3で敗れましたが、選手個々の能力を活かした戦いでベスト4に輝きました。
湘南ベルマーレアカデミーでは、どのような考えのもとに選手を育成しているのでしょうか?
チームを率いる太田隆一監督(以下、太田)と、エースとして攻撃を牽引した、背番号10番の末廣大翔選手(以下、末廣)、守備の要として活躍した背番号13番の建脇獅音選手(以下、建脇)に、準決勝終了後に話を聞きました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)
<<関連記事:バルサのPKを3連続ストップで勝ち上がったヴィッセル神戸を制し、malvaスクール選抜が優勝
■クラブのOB・遠藤航のように1対1のデュエルはこだわる
――準決勝は1対3の結果でした。試合の感想をお願いします。
太田 前々から理解はしていましたが、マルバさんの高いスキルは素晴らしかった。完敗です。
――ハーフタイムにもっと戦うこと、局面のプレーを頑張ろうという話をしていました。後半の立ち上がりはその姿勢を見せて、1点返しましたね。
太田 連戦ということで疲労はあったと思いますが、湘南ベルマーレとしては、常に全力を尽くす、100%を出すことはアカデミーからトップまで一貫してやっていることです。その部分で、前半の入りは少し残念でした。
――ベルマーレの育成について聞かせてください。ジュニア年代で大事にしていることは、どのようなことでしょうか?
太田 クラブとして「湘南スタイル」がありますので、最終的にそれをトッププロとして表現できる選手を育成したいと思っています。そのベースを作るジュニア年代では、インテリジェンスやテクニカルな部分、100%を出し切るところは意識しています。
あと、OBである遠藤航選手がドイツでデュエル王になっているように、1対1のデュエルはこだわってやっています。準決勝では出し切れませんでしたが、そこの重要性は、育成年代でしっかりと伝えていきたいと思っています。
■ただプロになればいいわけではない、長く活躍するためにはU-12年代から主体性が必要な理由
――選手たちに「自分でチャレンジすること」の重要性を話していた姿が印象的でした。
太田 彼らは未来ある選手です。これからジュニアユース、ユース、トップと目指してい中で、厳しい状況でも全力を尽くすことや、主体性を持ってプレーすることを求めています。
ただプロになればいいわけではなく、トップレベルで長く生きていけるサッカー選手になるためにも、ピッチ内外でしっかりとした人間でなければいけません。ですので、この年代から、主体性の部分を求めています。
――主体性を高めるために、どのようなアプローチをしていますか?
太田 ジュニア年代なのでまだ子どもではあるのですが、ひとりの大人として扱うことを心がけています。彼らには、ひとりの人間としていろんなものを感じ取って判断し、行動に移すようになってほしいです。
今大会の目標も、選手たちに決めさせました。自分たちで決めたのであれば、実行していくために何が必要かを、主体的に考えるようになります。
プレーにおいても「湘南スタイル」というクラブのモデルがありますが、もしかしたらこちらが求めていることよりも、子どもたちの方が良い選択をする可能性もあるので、その部分では余白を持ちながら、見てあげたいと思っています。
■ピッチに立った瞬間から研ぎ澄まされた状態を作らないと痛い目に遭う
――ワールドチャレンジという、海外にチャレンジする大会の意義はどのように感じていますか?
太田 目の前に世界があるというモチベーションは、他の国内の大会とは違います。選手にとってすごくいい刺激になったんじゃないかと思います。
――この時期に、11人制の大会に出ることに関して、どのようにとらえていますか?
太田 個人的には、6年生のうちにもっと11人制を経験した方がいいと思っています。ただゴールキーパーにとっては、ゴールが大きすぎると感じたので、大人用と少年用の間のサイズのゴールでもいいのではないかなと思います。
11人制でプレーをすると、8人制のときとは違った一面を見ることができます。「こんなことができるんだ」と、新たな発見があるのも、面白いところだと思います。
――選手たちに、この大会の経験をどのように生かしていってほしいですか?
太田 準決勝に関して言えば、ピッチに立った瞬間から研ぎ澄まされた状態、アラートな状態を作り上げなければ痛い目に遭うと肌で感じたと思います。この思いを忘れずにいてほしいと思います。
■大会を通じて、サイドへのボール展開など試合運びの面で成長も
エースとして攻撃を牽引した、末廣大翔選手。守備の要として活躍した、建脇獅音選手にも話を聞きました。
背番号10番・MF 末廣大翔(すえひろ だいと)
――準決勝を振り返って、感想をお願いします。
末廣 後半からシステムを変えてマンツーマンにして、最初は良かったんですけど、徐々に疲れが出てきて崩されました。悔しいです。
――後半開始直後、クロスから素晴らしいアシストをしましたね。
末廣 キックは自分の特技でもあるので、出せてよかったです。
――大会を通じた、自分のプレーの感想を教えてください。
末廣 最初の方は全然だったのですが、徐々に上がってきたのは良かったです。他の試合ですが、得点のシーンで自分がサイドに開いたときに、サイドバックが外に開いたので、中でボールをもらったところから、2点を取ることができたので良かったです。
――この大会で成長したと感じるところはどういうところですか?
末廣 これまでは縦に仕掛けることが多かったのですが、逆サイドにもボールを展開できるようになったことです。
――好きな選手は?
末廣 日本代表では本田圭佑選手。海外ではロベルト・カルロス選手。ベルマーレでは杉岡大暉選手です。杉岡選手のプレーは自分と似ていて、縦にくさびを入れるプレーが好きです。
背番号13番・FW/DF 建脇獅音(たてわき しおん)
――試合の感想をお願いします。
建脇 立ち上がりから相手にペースを握られてしまって、そこからやられてしまったのでとても悔しいです。
――この大会で成長したと感じるのはどういうところですか?
建脇 コーチのアドバイスを試合で意識することで、相手に通用するようになってきたので良かったです。
――相手の7番(オツコロ海桜)とマッチアップすることが多かったですが、守備に関してはどうでしたか?
建脇 相手にセカンドボールを触られることが多く、そこからやられてしまうことがあったので、次はしっかり改善して戦えるようにしたいです。
――大会を通じた、自分のプレーの感想を教えてください。
建脇 空中戦は結構自信があるのですが、1対1の対応はまだ足りないなと感じました。
――好きな選手は?
建脇 ベルマーレの高橋諒選手です。たくさん走って、ドリブルで相手をかわすプレーが好きです。
湘南ベルマーレ出身、遠藤航がプロサッカー選手になるために大切にしてきたこと>>
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