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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024
ワーチャレベスト4。「止める・蹴る」のイメージが強い川崎フロンターレのU-12が実践する「個の育成」
公開:2024年9月 2日 更新:2024年9月20日
『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。8月22日に行われたラウンド16で、FCトリアネーロ町田に勝利したのが、川崎フロンターレU-12です。
前半は0-2と劣勢の展開ながら、後半に怒涛の3連続ゴールを奪い、逆転で勝利しました。
試合後、大田和直哉監督とゴールを決めた安永唯人選手に話を聞きました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)
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■三笘薫選手が好き
11番 安永唯人くん
――得点場面を振り返って、どうですか?
仲間がボールを運んできてくれて、いい感じにパスを出してくれました。コーチからは「前から狙え」と言われていたので、ゴールしか狙っていなくて、思いっきり打ったら入りました。
――前半0-2で厳しい展開でしたが、ハーフタイムに指示を受けて、後半はどんなプレーをしようと思っていましたか?
後半はリスク管理をしながら前を狙って、フロンターレらしさを保ちながら、点を決めて勝ちたいと思っていました。
――好きな選手は?
三笘薫選手です。誰にも負けないっていうか、切り替えやドリブルが優れていて、速いところが好きです。
――得意なプレーは?
カットインです。得点はカットインじゃなかったですけど、ターンしてシュートを打ちました。
■前半0-2からの逆転、彼らはすごいなと思いながら見ていた
続いて監督に試合を振り返ってもらいました。
大田和直哉監督
――0-2からハーフタイムでガラッと変わり、3-2で逆転勝利しました。試合を振り返っていかがですか?
前半は我々らしい試合ができていませんでした。(試合の間隔が空き)6時間ほど室内で過ごしていたため、足が動かない状況でした。ただ、後半は20分あったので、0-2までなら逆転できると考えていました。ハーフタイムに喝を入れたところ、目の色を変えて、全く違うチームになったので、やっぱり彼らはすごいなと思いながら見ていました。
――相手のトリアネーロ町田も強豪で、過去に対戦経験もあると思います。この試合に向けて、どんな準備をしたのでしょうか?
大会前に練習試合を行ったのですが、相手チームのメンバーが変わっていた印象を受け、少し戸惑いはありました。しかし、それ以上に我々のチームが最初うまくプレーできなかったことが課題でした。
――今大会の狙いや課題、目標などは?
子どもたちには「バルセロナと対戦したい」という思いがあったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。(注・バルセロナはラウンド16で敗退)。ただ、次の中国チームとの試合など、日本では経験できないような相手との試合を通じて、彼らが何をできるかを見たいと思います。
■フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いが......
――フロンターレのジュニアは、個人の技術向上を目指して、ボールを扱うトレーニングの割合が多いと聞いています。
フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いですが、ジュニアではそこはあまり行わず、ドリブルやリフティングなどを取り入れ、ボールを持つ技術など、個人の技術向上に力を入れています。
私は昨年からU-12を担当していますが、三笘薫選手や板倉滉選手を指導していた、玉置(晴一)コーチの教えを受け継いでいます。僕は彼を師匠だと思っているので、それを取り入れてというか、その指導方針がフロンターレらしさだと思っています。個人技はジュニア時代にやることで、十分に身につけられると思っているので、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
――玉置コーチは現在U-18のコーチですが、U-12からU-18まで一貫して技術を重視しつつ、学年が上がるにつれて、チームとしての力も伸ばしていく方針なのでしょうか?
そうですね。U-18の監督である長橋(康弘)も、コーチの玉置、佐原(秀樹)も、ジュニアでの指導経験があります。クラブ全体として、個人の能力をより高めたいという思いがあるので、ジュニアに関しては勝ち負けよりも、個人の育成に重点を置いています。
――成果はいかがですか?
まだまだです。この年代の基準というよりも、フロンターレの基準で比べると、正直なところまだまだだと感じています。
■三笘選手や高井選手など「こうなりたい」目指すべき選手像が明確にある
――三笘選手や高井幸大選手のように、アカデミー出身の選手が活躍していることは、ジュニアの選手にとって、どのような影響がありますか?
「自分はこうなりたい!」と、目指すべき選手像が明確にあるのは大きいですよね。高井選手のようなディフェンダー、脇坂泰斗選手のような中盤の選手、少しタイプの違う山田新選手など、いろいろな選手が出てきています。各ポジションの選手が、それぞれ「自分はこの選手のようになりたい」と言いながら練習に励んでいます。
――最後に、フロンターレらしさとは、どのようなものだとお考えですか?
攻撃的で、見ている人をワクワクさせるサッカーだと思います。今回の試合も後半で3点取れたように、次の強豪相手に対しても、ボールを保持しながらプレーできることを示したいです。(注・続く中国戦は0-0からのPK戦で勝利した)
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