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今すぐ始めたい!子どもの力を引き出す魔法の「しつもん」

「しつもん」を極めると、サッカーがうまくなるワケ

公開:2015年3月 9日 更新:2019年7月 9日

キーワード:しつもんカレンダー悩み親子質問

自分の子どもに「サッカーがうまくなってほしい!」と願う親御さんに、今すぐ始めてほしい魔法の「しつもん」を紹介する本連載もいよいよ最終回。しつもんによって子どもの『なりたい自分』を知り、『具体的な行動』を引き出し、『振り返り』を習慣にすることで、なぜサッカーがうまくなるのか――。監修者のしつもんメンタルトレーナー・藤代圭一さんとその理由を考えることで、私たちサカイクが「考えてうまくなる しつもんサッカーカレンダー」に込めた思いを締めくくりたいと思います。(文・写真/サカイク編集部)

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サッカーがうまくなる子とそうでない子を、大きく隔てる小さな習慣>>

■しつもんに「答える」から、しつもんを「つくる」へ

「うちの子、カレンダーのしつもんには答えるようになってきたけど、これってサッカーにどう結びつくの?」

過去3回の連載を通じて、「しつもんサッカーカレンダー」が問いかけるしつもんの意図と、その効果についてお話ししてきました。サカイク読者のみなさんであれば、それぞれのしつもんが子どもたちにとって有意義であることはご理解いただきつつも、毎日しつもんに答えるだけでサッカーがうまくなるのかという本題には、まだまだ疑問符付きのところがあるかもしれません。最後に残されたポイント――カレンダーのサブタイトルにもなっている『考えてうまくなる』理由について尋ねると、監修者の藤代さんはトレーニングの現場で「最近はまっている」という、こんなエピソードから語ってくれました。

「僕はいつも、どうすれば子どもたちの『考える力』が伸びるのかをしつもんで模索していますが、その試みとして最近はまっているのが、子どもたち自身にしつもんを作ってもらうこと。例えばある日の練習中に、コーチの僕にどんなしつもんをするかを考えてもらいます。ただし1つルールがあって、しつもんは1日1個だけ(笑)。1日1個だと適当なしつもんはできませんから、子どもたちは『自分が本当に聞きたいことは何だろう』って考え始めます。みなさんもやってみるとわかりますが、しつもんをつくるというのは意外と難しくて、言い回しを少し変えるだけで意味合いも変わるんですね。例えばみなさんが、『今日いいこと何かあった?』と聞かれたら、きっと答えに詰まって『いや別に…』となると思うんですよ。でもちょっとニュアンスを変えて『今日いいこと何があった?』にすると、(あれなんかあったかな…)って考え始めませんか?」

確かに、「今日いいこと何かあった?」だと難しく感じますが、「今日いいこと何あった?」なら、いいことがあった前提なので何かしら探し始めるような気がします。文字ひとつによって意味合いが変わるしつもんの難しさ、よくわかりました。でもそれがサッカーが結びつくには、もう少し説明が必要なようです。藤代さんが話を続けます。

「子どもたちとやってみてわかりましたが、自分にとって意味のある良いしつもんは、日頃からしつもんに答えていないとつくれません。だからこそ、毎日いろいろなしつもんに答えてみることが大切で、とりわけ『考える力』を身につけるためには、『答えがないしつもん』が効果的なのです。答えがないしつもんとは、『サッカーとは何だろう?』『友だちとは?』『チームメイトとは?』など、100人いれば100人が違うことを答えるような問いかけのこと。カレンダーのしつもんは正にそれです。『今月が終わったときにどうなっていたら最高?』なんて、子どもによって全然答えが違いますよね。そういうしつもんや自分なりの答えと向き合うきっかけをたくさんもつことで、子どもたちの考える力とか想像力が磨かれていくのではないかと考えています」

■自分でしつもんをつくり、答えるのがサッカー

良いしつもんをつくるには、たくさんのしつもん(や自分が考えた答え)と向き合うことが大切――。それ自体はとてもよく理解できるのですが、サッカーとの関わりという意味では少し遠のいた気もします。藤代さんのお話の真意はどこにあるのでしょうか?

「これは聞いた話ですが、人間は1日に約2万回も、無意識にしつもんをしているんだそうです。つまり僕たちは、『いま水を飲む?飲まない?』『トイレに行く?行かない?』というように、無意識にしつもんのカタチで考えているということ。もしそれが事実なら、1日2万回もしているしつもんの質を良くしていくということが、すごく大事だと思いませんか? 無意識のレベルでは難しくとも、意識的なしつもんを『何で(WHY)』と考えるのか、あるいは『どうすれば(HOW)』と考えるのかで、そのあとの行動と成果は大きく変わってくるからです」

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▲「どのようにすれば?(HOW)」と「なんで?(WHY)」の違い
 

「ここでようやく本題にたどり着きましたが、サッカーというのは常に答えのない判断を迫られるスポーツと言われますよね。この“判断”を、“しつもん”に置き換えてみるとどうでしょう。サッカーというのは常に答えのないしつもんを自分でつくり、自分で答えつづけるスポーツであると解釈できませんか? 『このタイミングでチャレンジする?しない?』『どうしたら抜ける?パス?それともドリブル?』など、一流のプロ選手からそれこそみなさんのお子さんまで、サッカープレーヤーは日々、自分のしつもんと答えを磨きながら上達していくのです。ですから、『しつもんサッカーカレンダー』で『考えてうまくなる』理由はなぜかといえば、毎日しつもんに向き合い、自分で良いしつもんをつくれるようになることが、サッカーのプレーすなわち“しつもんとその答え”をうまくするからだ…というのが、僕の導き出した答えです」

みなさんいかがでしたでしょうか。「自分で考えるサッカーを子どもたちに」を旨とする私たちサカイクは、こうした藤代さんの考えや思い、そして「しつもん」の素晴らしさに共感し、この「しつもんサッカーカレンダー」をつくりました。もともと「うちの子、どうしたらもっとうまくなるのかしら…?」というお悩みから始まった商品(この連載も)ですから、最後は「うちの子、カレンダーでサッカーがうまくなった!」のエピソードで締めくくれればハッピーエンドですが、それは今後、実際にカレンダーを使っていただいたみなさんからの「声」をお待ちしたいと思います。

その代わりの結びとして、私たちが制作段階で思い描いていた理想のカレンダー使用感を打ち明けると、それは「なんだか最近、子どものサッカーを観るのが楽しくなった!」というもの。私たちの本当の願いは、このカレンダーをきっかけに少しでも親子の会話が増えることですから、1年を通じてみなさんとお子さんの会話が増え、サッカーを観ながらお子さんの新たな一面や変化・成長を感じていただくことができたなら、それ以上の喜びはありません。来年の今ごろ、一人でも多くのサカイク読者が子どもたちのサッカー観戦を楽しみ、子どもたちにとって一番の力となっていることを心から願っています。

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前回までの連載はこちらから>>


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※4月はじまりだから学校生活にピッタリ!

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