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あなたの街のサッカーパパを直撃取材!
手伝いや当番ができないとサッカーチームに入れない!? 子どもがサッカーをする環境を一からつくったお父さんの話
公開:2016年3月10日 更新:2021年1月27日
より多くの子どもたちが心からサッカーを楽しめる環境を。サカイクは、無心にボールを蹴るすべての子どもたちを応援しています。
うまくなりたい、強くなりたい、勝ちたいという思いはとても大切ですが、サッカーをする環境や関わり方はそれぞれ。子どもたちとサッカー、親とサッカー、お父さんコーチとサッカー。ボールを中心にした子どもと大人の関わりは多様で、100人いれば100通りのストーリーがあります。
この連載では、プロ、アマチュアはもちろん有名無名問わず、サッカーと関わりを持つ人たちにお話を聞きます。
第1回目は「ないものは作ってしまえばいい」と、自分たちで新しいチームを立ち上げたあるお父さんの物語。自らも週末にプレーする現役サッカープレーヤーであるお父さんが子どもたちに伝えたいこととは?(取材・文 大塚一樹)
■親の事情で子どもがチームに入れない?
「手伝いや当番ができない場合は入れません」
杉本春喜さんが、新しいチームを立ち上げるきっかけは、小学生年代には良くあるこんなことがきっかけだった。
「自分の息子が4年生になって、友だちが近くのサッカーチームに入団しようとしたんです。でも、そこは保護者のお手伝いで運営しているチームでした」
サッカースクールでもない限り、保護者の協力は不可欠。指導や引率、車出しやその他の手配など、その協力度合いはチームによってマチマチだが、杉本さんの友人は共働き。協力できないことも多いだろうと、そのチームに進むことを諦めました。
「うちも共働きでしたから、その話を聞いたとき正直『あり得ないな』と思いましたよ」
杉本さんもチームの方針やお手伝い、当番を否定しているわけではありません。どうしても心に引っかかったのは「親の都合で子どもがサッカーをする環境を奪われてしまうこと」でした。
「近くにチームもなかったし、ないなら作っちゃおうかという発想でした。うちの子もチームに所属できるし」
杉本さんは話のきっかけとなった友人とイチからクラブチームを立ち上げることにした。
「ほとんど勢いでしたけど、チームを作るだけならそんなに大変なことはないんですよ」
地元出身の友人が地縁でチームに入ってくれそうな子どもに声をかけ、事務的な手続きは杉本さんが進める。初めての練習場所は近所の公園だった。
「うちは月謝をもらわない非営利でやっているのですが、公園で練習していたら注意を受けたことはありましたね。人数が増えてきたので、さすがに公園では収まらなくなって、地元の小学校にグラウンド使用許可を申請しましたけど」
近年では、公園のボール利用に規制がかかっている例も多い。たとえ規制がなくても、指導料などの対価を得ているスクールやクリニック、チームが公園を利用することの是非も問われる。
「うちの子が3年生になるタイミングで立ち上げて、現在は4年生10人、3年生5人。2年生は20人、1年生は10人くらい。知り合いや兄弟、姉妹が多いですけど楽しくできています」
■チームづくりのきっかけは、わが子ではなくわが子の友だちの問題から
杉本さんは、いまも週末になると自身もサッカーやフットサルをプレーする現役プレーヤー。
「部活としてやっていたのは小学校のときだけですが、社会人になってフットサルをやる機会があったんです。そこからなぜかやる気になっちゃって、会社で部活を立ち上げて、月に2回はそちらの活動をしています」
子どもに対しては積極的にかかわるタイプではなく、今回のチーム立ち上げも「わが子のため」という動機ではなかった。
「小学6年生の長男がいるんですけど、彼はずっとスクールに通っていたんです。両親が共働きということもあり、おばあちゃんに面倒を見てもらいながら週2回通っています。小4の次男もスクールでいいかなと思っていたんです」
それが、次男の友だちの“所属チーム難民問題”に触れて、あれよあれよという間にチームを立ち上げることになった。
現在は市のリーグに登録して公式戦にも出場している。
「ブロックのリーグ戦に参加するのに、指導者資格がいるって言うので取りに行きましたね。審判資格と指導者資格はずっと取りたいとは思っていたので、チームを立ち上げるのを機に取りました」
少子化が進むなか、新参者のチームは周囲に歓迎されないという声も聞くが、杉本さんのチームはどうだったのだろう。
「一緒に立ち上げたもう一人の人も地元の人だからもしかしたら言われているかもしれませんけど、私が直接何かを言われたことはありませんね。あ、一度宴席で『会費はちゃんと取った方がいいよ』というのは言われました。どういう意図で言ったのかわかりませんけど」
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取材・文 大塚一樹
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