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子どもに自信がつく!サカイクキャンプWINTER2018特集
「サッカー経験者じゃないから何も言わない」ではなく"見て""認めてあげる"ことで子どもは自信がつく!
公開:2018年12月 4日 更新:2018年12月 5日
サカイク編集部には、読者からよくこんな質問が届きます。
「うちの子は試合中でもすぐに砂遊びを始めてしまいます。そんなときは、どんな声を掛ければいいですか?」
「小学5年生になったうちの子は、ミスを怖がって消極的なプレーばかり。もっと積極的に試合に関わる声掛けはないですか?」
毎年多くのサッカー少年が参加し、サカイクの考えを実践するサッカー合宿「サカイクキャンプ」の高峯弘樹ヘッドコーチに、子どもにあった声掛けのコツについて聞きました。(取材・文 サカイク編集部)
■自信なさげな子どもは、まず認めてあげよう
「話のこしを折るようで申しわけないのですが、ぼくがサカイク読者の悩みに対するアンサーを提示することは難しいかもしれません」
高峯コーチは開口一番につぶやくと、こう続けます。
「ぼくは、子どもの性格や特徴、育つ環境や精神状況などによって声掛けを変えています。そういった子どもたちの情報は、実際にその子と接してみないと得られません。だから、ぼくには読者のお子さんがどんな子なのか想像することはできるけど、その範疇を出ない。実際にその子と接しているお父さんお母さんが、その子にあった声掛けを見つけていくことが大切なのだと思います」
そう断わりを入れてから、高峯コーチは読者の参考になればと自身の経験を語ってくれました。以前、テレビ東京系のサッカー番組『FOOT×BRAIN』でも紹介されたサカイク親子キャンプでのエピソードです。
「親子キャンプに、"ひとみ"という女の子が参加してくれました。ぼくの目に映るその子は、どこか自信なさげにプレーしていました。自身なさげにプレーする子には、これまでにもたくさん出会ってきました。自信がない理由は子どもによってさまざまですが、試合でミスばかりしてしまう、お父さんやお母さんにすぐにプレーを指摘されてしまう、コーチに怒られる、というようなことが挙げられるでしょうか」
高峯コーチは、声掛けの前にまずは、「その子がどうしてそういった状況に陥ってしまっているのだろう?」と考えることが重要だと言います。
「ひとみは自信なさげだったので、小さい成功体験でも褒めるように心がけました。ひとみというサッカープレーヤーには、自信を持ってプレーすることが必要だと考えたからです。褒めかたは簡単です。しっかりとその子のプレーを見て、少しでも良いと思ったプレーに『ナイスプレー』『いまのプレー良かったよ』『なんでそんなプレーできるの?』と反応してあげることです」
ここで大切なのは、かける言葉の内容ではありません。子どものプレーを"見て""認めてあげる"ことです。「自分はサッカー経験者じゃないから、サッカーをしている子どもにどう声掛けしたらいいのかわからない」と悩むお父さんお母さんがいますが、「それでも全然いいんです」と高峯コーチは続けます。
「サッカーを知らなくたっていいんです。ぼくら大人が子どもたちにしてはいけないことは、子どものプレーを否定することです」
「そこでシュートを打つな!」「そうじゃないよ!」「早くパスを出しなさい!」そういった声掛けは子どもが選択したプレーを否定することです。
「それをしてしまうと、子どもは自分の判断に自信を持てなくなり、『ここでパスを出してお父さんに怒られないかな?』『ドリブルするのは止めておこうかな?』と迷いながらプレーするようになってしまいます」
■うまいけど一生懸命走らない子への声のかけ方
高峯コーチは、子どもを褒めることは大切ですが、子どもによっては褒めるだけでは良くない状況もあると言います。
「サカイクキャンプにはボール扱いはうまいけど、ボールを持っていない時は動かないで何もしない子もいます。ぼくは、その子を見て『おれ、この中ではうまいほうだから、ボールが来た時だけプレーすれば文句は言われないだろう』と考えていると感じました。そういった子に対しても、もちろんいいプレーをしたら褒めてあげることは必要です。ですが、サッカーがどんなスポーツかという事をしっかりと伝えてあげることも必要です」
「サッカーは集団スポーツなので自分以外の味方と攻守に於いて関わり、補完しあうことが大切なスポーツです。また1人の選手が1試合でボールに触れる時間は1~2分しかありません。そのボールに触れていない時間に味方と関わりながら何を考え、チームの為にどのようなアクションを起こすかが、ボールを持っている時のプレーと同じくらい大事なのです。だからボールを持っていない選手はその状況に合わせて走る事、動く事がとても大事なのです。サッカーとは、そういうスポーツなのです。この事を伝えるためにサカイクキャンプでは"球遊び、球蹴りではなくサッカーをプレーしよう"、"サッカーしようね!"と子どもたちに声掛けしています」
高峯コーチが実践するように、その子がなにを思っているのか、その子がなにを感じるのか、ということを見極めた上で声を掛けてあげることが重要です。走らないという目に見える現象だけで判断するのではなく、なぜ走らないのか、その理由、原因を探して解消する手伝いをすることが大人の役割です。
今回、高峯コーチが挙げたのはほんの一例です。声掛けのテクニックは、あくまで手段のひとつであって、それをそのまま実践しても、あなたのお子さんには響かないかもしれません。
なぜ、この子はこんなにやる気がないんだろう?
どういう風に声を掛ければやる気になってくれるんだろう?
まずは、私たち大人が真剣にそのことを考えてあげることです。今回の高峯コーチの例を参考に、みなさんもぜひ自分のお子さんに適した声掛けを見つけてあげてください。
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