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【練習の目的】
●ボールコントロール技術の向上
<2013年7月28日 東アジアカップ決勝戦 日本 VS 韓国>
1点ビハインドのチームを救ったのは柿谷曜一朗だった。立ち上がりから相手に押し込まれる苦しい展開のなか迎えた前半24分、韓国DF3枚を置き去りにする鋭い動き出しから扇原敏弘のロングパスを呼び込み、少し手前に落ちたボールを頭で処理。キーパーとの一対一を冷静に読み切り、ゴール左隅に流し込んだ。
■一般的なセオリー
裏への動き出し → トラップ → 反転 → シュート
【やり方】
1.後方のボールを見ながらも身体はゴール方向に保つ。
2.手前に落ちたボールを迎えにいきゴールを背を向けてトラップ。
3.再びゴール方向に反転してシュート
■柿谷選手の選択
裏への飛び出し → 頭でのファーストタッチ → シュート
【やり方】
1.後方のボールを見ながらも身体はゴール方向に保つ。
2.身体はゴール方向に向けたまま手前に落ちたボールを待ち、頭で前方のスペースに運ぶ。
3.トップスピードでゴールまでボールを運びシュート
【ポイント】
1.ボールが手前に落ちても、なるべくゴールに背を向けない
2.頭でのファーストタッチはトップスピードに乗れるようにスペースに運ぶ
3.キーパーの飛び出しに注意
■ゴールに背を向けないために頭でのファーストタッチを選択
ディフェンスラインの裏のスペースに抜け出した際に気をつけるポイントは、ゴールキーパーの動きです。前に出てくるならドリブルでかわし、出てこないならゴールする確率を上げるために、ドリブルでなるべくゴールに近づいてシュートするのがセオリーです。では、ゴールキーパーの動きを把握するために守るべき原則は何でしょう? それは身体をゴールに向けておくことです。ゴールに背を向けてしまってはキーパーの動きを目視できないからです。
しかし、ロングパスが手前でバウンドしてしまうときには、ボールを待つのではなく迎えにいき落ちどころで拾うのがセオリーです。ただし、今回の柿谷選手のようにディフェンスの裏のスペースに抜け出した場面でそれをすると、ゴールに背を向けることになりキーパーの動きを見失ってしまいます。また、一度ボールを止めてそこから反転してゴールを目指すことになるので、時間をロスしてしまいせっかく置き去りにしたディフェンダーに追いつかれる可能性が高まります。
そこで柿谷選手はゴールを向いたままボールを待つ選択をしました。そして山なりを描くボールの軌道に合わせて、身体を後ろに反らし頭でのファーストタッチを選択。足や胸でのトラップよりも早くボールに触ってスペースに運ぶことができるからです。その結果、相手ディフェンダーに追いつかれることもなく、キーパーの動きを見ながら自分の間合いでシュートを打つことができました。
ピッチにいる選手たちは、自分が置かれた状況を把握しいくつかの選択肢の中からプレーを選びます。それはジュニア年代の子どもたちも同じです。柿谷選手との違いは、よりその状況に適したプレーを選択できるかどうか。つねに正しい判断ができるようになるには、ジュニア年代から考えながらプレーする習慣を持つことが肝心です。子どもたちに良い習慣を付けてもらうためにどう接するべきか、親として考えていきましょう。
【柿谷曜一朗選手のテクニック記事はコチラ】
■実演
菊池健太コーチ
考える力が身につくサッカースクール「シンキングサッカースクール」
考えることを楽しみ、チャレンジすることを楽しむサッカースクール。子どもが考えること、チャレンジしやすい環境を心がけ、心からサッカーを楽しむことを目指している。
■構成/文 出川啓太(サカイク編集者)
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写真/サカイク編集部
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