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- 柿谷曜一朗選手のシュート①
<2014年2月24日 浦項スティーラース戦 VS セレッソ大阪>
前半11分。柿谷曜一朗が韓国王者から価値ある先制点を奪った。ディフェンスラインの裏に飛び出す動きで山口蛍のロングフィードを引き出すと、鋭い仕掛けで相手ディフェンダーをくぎ付けに。次の瞬間、相手GKのポジショニングを確認すると芸術的なループ性のシュートをゴール左上に運んだ。
■一般的なセオリー
胸トラップ→ターン→シュート
【やり方】
1.落下点に身体を運び、ボールと相手の間に身体を入れて胸トラップ
2.相手ディフェンダーが届かない右方向にボールを持ち出し
3.半身でシュート
■柿谷選手の選択
胸トラップ→ターン→右重心移動→右足インサイドシザーズ→シュート
【やり方】
1.ボールと相手の間に身体を入れて胸トラップ
2.間髪いれずにターンして仕掛ける
3.一度右に重心移動して右足のインサイドでシザーズフェイント
4.相手ディフェンダーとゴールキーパーがずれたのを確認しシュート
【ポイント】
1.胸トラップをしたあとすぐにターン
2.ゴール前では積極的に仕掛ける
3.相手ディフェンダーとゴールキーパーの位置を確認
4.シュートは強さよりもコントロールを重視
■ゴールを向いて仕掛けることでシュートチャンスをつくる
ゴールに背を向けて胸トラップをすると相手ディフェンダーを背負うことになります。そこでターンをすればボールを奪われてしまう可能性が高いので、ボールを横にずらし自分の身体で相手ディフェンダーをブロックしながらシュートを打つのがセオリーになります。しかし、それだと相手ディフェンダーはこちらが前を向くタイミング、つまりシュートの瞬間を狙ってきます。さらに半身でシュートを打たなければいけない分、ゴールの可能性は低下します。ではどのような選択をすればゴールの確率が高まるでしょうか?
柿谷選手は胸トラップした直後に相手ディフェンダーの体勢が整っていないことを確認すると、すぐにゴール方向にターンしました。ゴールを向くことで相手ディフェンダーはボールを奪うタイミングを失います。さらに、すぐに仕掛けることで相手ディフェンダーは抜かれることを恐れて飛び込めなくなりました。そこで柿谷選手はゴールキーパーの位置を確認する余裕が生まれました。ゴールのファーポストががら空きだということに気づき、抜かずにシュートを打つことを選択。相手を抜くというリスクをかけずにゴールすることができました。
ゴール前で相手ディフェンダーと対峙したときには、まず仕掛けることを心がけましょう。相手を受け身にさせるということが重要だからです。仕掛けることで相手ディフェンダーやゴールキーパーはこちらの動きに対応しようとします。その結果シュートするチャンスが生まれる可能性が高まるでしょう。
■実演
菊池健太コーチ
考える力が身につくサッカースクール「シンキングサッカースクール」
考えることを楽しみ、チャレンジすることを楽しむサッカースクール。子どもが考えること、チャレンジしやすい環境を心がけ、心からサッカーを楽しむことを目指している。
■構成/文 出川啓太(サカイク編集者)
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写真/サカイク編集部
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