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- 佐藤寿人のシュート① ~川崎戦で魅せたスーパーループボレー~
【練習の目的】
●シュート技術の向上
<14年3月7日 J1リーグ2節 サンフレッチェ広島 VS 川崎フロンターレ>
1点ビハインドで迎えた57分、佐藤寿人のスーパーゴールで広島が同点に追いつく。青山敏弘からの縦パスを左足のインサイドで浮かせると振り向きざまに左足を一振り。蹴り上げられたボールはきれいな弧を描き、ゴールキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。
■NGプレー
左足インサイドトラップ → 左足シュート
【やり方】
1.後方のディフェンダーを意識しながら
2.左足のインサイドでボールをコントロール
3.振り向きざまシュート
4.ディフェンダーに奪われる
■佐藤選手の選択
左足インサイド浮かしトラップ → 振り向きざまボレーシュート
【やり方】
1.後方のディフェンダーを意識しながら
2.楔のパスを左足のインサイドで浮かし
3.振り向きざま左足のボレーでシュート
【ポイント】
1.ボールを受ける前にゴールとゴールキーパーの位置を確認
2.ボールを浮かす際にはディフェンダーの足が届かない位置に
3.ディフェンダーとボールの間に身体を入れて、浮いたボールを隠す
■つねにゴールとゴールキーパーの位置を把握しておく
相手自陣でボールを受けるときに、フォワードが最も優先すべきはディフェンスラインの裏に抜け出す動きです。なぜならば、それが最も効率的にゴールできる方法だからです。スルーパスを受けてディフェンダーの裏に抜ければ、あとはゴールキーパーが待つだけ。ゴールの確率は高まります。しかし、当然相手も裏をとられないようにスペースを消してきます。そこで有効なのが、ポストプレーです。ポストプレーをすることで裏のスペースを埋めていたディフェンダーが引き出されてそのスペースが空きます。ディフェンダーを背負っている場合は振り向かないで味方に一度ボールをはたくのがセオリーです。ディフェンダーは相手がトラップする瞬間、さらにはターンする瞬間を狙っています。絶対にやってはいけないのは、無理に振り向こうとしてボールを取られることです。最悪の場合、カウンターから失点につながります。
しかし佐藤寿人選手は常識を覆すアイデアで相手を手玉に取り、ゴールを奪いました。ボールを受ける前からゴールキーパーが前めにポジションをとっていることを確認し、ループシュートを選択。ファーストタッチでボールを浮かせると、身体を使ってボールを隠しながらツータッチ目でシュートを放ちました。寸分違わぬシュート精度と創造性が合わさった結果、世界も驚くスーパープレーが生まれました。優秀なストライカーはゴールキーパーのポジショニングをつねに気にしています。それは佐藤選手も同じで、以前にもゴールキーパーのポジションが前がかりになっていることを利用して、縦回転をかけてボールを落とすドライブシュートでゴールを奪っています。クリスティアーノ・ロナウドのような弾丸シュートがなくても、ゴールキーパーが取れない位置にボールを蹴りこめばゴールは奪えます。大事なのは相手のプレッシャーも激しいゴール前であろうと、冷静にゴールキーパーの位置を把握しておくことです。
このようなアイデアあふれるプレーを引き出すためには、選手の自主性を尊重した指導が不可欠です。ゲームの中で、どうすればゴールを奪えるのかをつねに子どもたちに考えさせ、創造性を育みましょう。子どもが間違った選択をしてもそれをむやみに責めてはいけません。どうしてそのプレーを選択したのかを聞き出し、違う選択肢もあったことを子どもたちに気づかせてあげましょう。サッカーに絶対はありません。これは違うあれも違うと選手の創造性を抑制しシステマティックなプレーを強要することはせずに、チャレンジする気持ちを大事にしてあげれば、あなたの目の前の子どもが佐藤選手のようなスーパープレーを見せてくれる日がくるかもしれません。その日を楽しみに待ちましょう。
■実演
菊池健太コーチ
考える力が身につくサッカースクール「シンキングサッカースクール」
考えることを楽しみ、チャレンジすることを楽しむサッカースクール。子どもが考えること、チャレンジしやすい環境を心がけ、心からサッカーを楽しむことを目指している。
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出川啓太(サカイク編集部)
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