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セレクションせず3年連続で全国出場。ヴェルフェ矢板のポゼッションとボールを奪うスキルを同時に高めるトレーニング
公開:2024年5月28日
セレクションを実施しない街クラブながら、3年連続で全日本U-12選手権に出場しているヴェルフェ矢板。現代サッカーに対応できるように、攻守一体となるトレーニングを積み重ねることで、選手を成長に導いている。
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」、今回のテーマは「ポゼッションとボールを奪うスキルを同時に高めるトレーニング」。
攻撃のためには、マイボールにする必要があり、ボール奪取はその第一歩になる。はたして栃木の強豪は、どのようなトレーニングで「ポゼッション」と「ボールを奪うスキル」を高めていくのだろうか?(文・鈴木智之)
コントロールから次のプレーまでを速く
トレーニングを実践してくれるのが、ヴェルフェ矢板U-12の福田丞太郎監督。冒頭で「攻撃、守備どちらかのテーマに偏ることなく、両方の能力を高めることを狙いとしています。また、攻守の切り替えも重視しています」と話し、ウォーミングに入っていった。
ウォーミングアップでは、2人1組になり、スローインでボールを投げ、片方の選手が足の様々な部位を使って相手に返す。最後は対面パスを実施し、動きながらインサイドパスを行った。
福田監督は「どこでボールが欲しいかを要求しよう」「このパスを正確に返さないと、試合で相手ボールになっちゃうよ」「下がりながら前に出たりと、ゲームを意識しよう。単純な基本練習じゃないよ」など、矢継ぎ早に声をかけていく。
ウォーミングアップの次は「パス&コントロール」を実施。10m四方のグリッドの角に選手を配置し、パス&コントロールを行う。
ここでは「動き出すタイミングは?」「味方のどちらの足にボールをつける?」「どこでボールが欲しいのかを要求しよう」など、シンクロしながら声掛けを実施。
次に「パスの受け手とカラーコーンの間にパスを出す」というルールにチェンジ。福田監督は「まずはゆっくりでいいので正確に。コントロールから次のプレーまで速くしよう」と声をかけ、「速いだけでなく、強弱も意識しよう」とプレーのメリハリを強調していた。
続いて「ワンツーでカラーコーンを突破」「フリックの動き」など、フォーカスするポイントを変化させていった。シュートを打ちやすい位置にボールを置く
2つ目のトレーニングは「シュート」。ゴール前にコーンを2つ配置し、最初は前方へドリブルし、コーンをかわしてシュート。次に、斜め前のコーンをドリブルでかわしてシュートを打つ。
福田監督は「まずは強いシュートが打てるように。足首を伸ばしてミートできるように」と話し、次に「GKがいないコースを狙おう」と声をかけ、GKの位置を見て、シュートまでスピーディーに行うことを伝えていった。
次は斜め後方からのパスを受けてシュート。ここでは「ファーストタッチでシュートを打ちやすい位置にボールを置こう」と声をかけることで、コントロールからシュートの精度が高まっていく。
相手の背後を狙う
前編最後のトレーニングは「ポゼッション(6対6+2サーバー)」。2-3-1のシステムで行い、反対側のラインをドリブルで通過すれば1点となる。
福田監督はプレーの優先順位を踏まえて、「攻撃はどこでボールを受けることを考える?」と投げかけ、「まずは相手の背後を狙うこと。味方が高い位置をとることで、ボール保持者は前に運びやすくなる」と、低い位置でボールを持っている選手に対し、周囲の味方が近寄りすぎないように意識付けしていく。
また、トレーニング冒頭からの関連性も伝え、「最初のウォーミングアップを思い出して、動きながらボールを受けよう」と話し、「足元にボールを置くと狙われるので、ファーストタッチでボールを動かすこと」とアドバイス。
守備側には、背後や中央にパスを通させないようにコンパクトに守り、ボール保持者にプレスをかけることの重要性を伝えていった。
最後は流れるような連携が随所に見られるので、その様子をぜひ「COACH UNITED ACADEMY」の動画で確認していただければと思う。
以上で前編のトレーニングは終了。後編では、ゴール前の攻防および、守備のトレーニングを行っていく。
【講師】福田丞太郎/
2006年よりヴェルフェ矢板U-12の監督となり「全日本U-12サッカー選手権大会」には5回(2015・2016・2020・2021・2022)出場。2021年には初のベスト16進出を果たす。JFA A級コーチジェネラル・U-15・U-12ライセンス等を保有。
クラブ出身の主なOBは土屋巧(J1柏レイソル)、後藤裕二(JFLソニー仙台)等がいる。
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