楽しみながら子どもの“やる気”を伸ばす「ならいごと体験会」が、7月22日(月)吉祥寺の東急インにて開催されました。サッカー体験のほか、フラダンス体験、リトミック&音楽体験などが用意され、たくさんのキッズたちが体いっぱい『ならいごと』を体験していたこのイベントでは、子どもたちが体験をするだけではなく、保護者に向けた講演も実施されました。そこで今回は、サカイクより行われた講演の模様をお伝えします。
■子どもが習い事を続けるために親ができること
サカイクでもおなじみの、シンキングサッカースクール・須田敏男コーチによる講演では、教室選びのポイントから、習い事に通い始めたら親が気をつけるべきこと、辞めたいと言い出したら・・・などのお話がありました。
教室選びの第一のポイントは、気になるスクールがあったらまずは体験レッスンに参加すること。体験は実際に通う日時に行くことで、どんな先生がどのように教え、どんなお友達が一緒なのかを知ることができます。先生やお友達は曜日や時間によって変わることが多いので、実際に通う日時に行くことが大切です。また、家から遠い場所に通ってしまうと、親の送迎が大変で、子どもは続けたいのに辞めなければならなくなるケースも多く見られます。未就学児はもちろん、小学生でも送迎が必要な場合は、親の負担も考えてスクールを選びましょう。
スクールに入ったら、どんな風に楽しんだのかなど、子どもの話をしっかりと聞いてあげます。料理をしながら…ではなく、きちんと子どもと向き合って話を聞き、がんばったことをほめてあげましょう。子どもはほめられることで、さらにがんばれます。
子どもをほめる時は、結果ではなく努力している過程をほめること。例えば、テストで100点をとったことをほめると、次のテストで90点では自信をなくしてしまいます。結果ではなく、毎日続けられていることや、がんばっていることをほめましょう。
自分から「行きたい」とはじめたスクールでも、途中で辞めたいとなることも多々あります。辞めたいのには必ず理由がありますから、「続けなさい!」ではなくまずはその理由を聞き、受け止めてあげましょう。子どもが辞めたい理由の大半は解決できることなので、話を聞き対応を一緒に考えましょう。
子どもを習い事に通わせるのは、「子どもの視野と可能性を広げる、気づきを与えるため」。小さいときは興味のまま、いろいろな体験をさせてあげられると良いですね。
■子どもの発育発達の概念~運動神経の良い子にするには~
今回、須田コーチの講演は2テーマで行われました。後半は、運動ができる子どもに育てたい、そんな願いを持つ親への提言です。
スポーツ万能、運動神経が良いという子どもは、コーディネーション能力が高い子どもです。コーディネーション能力とは、「定位能力」「変換能力」「連結能力」「反応能力」「識別能力」「リズム能力」「バランス能力」の7つの能力。目や耳などの五感で感じた情報を脳で処理し、神経を伝って筋肉を動かす能力で、さまざまなスポーツの場面で「状況判断がいい」「ボールコントロールがいい」「リズムがいい」などと表現されることがあります。
コーディネーション能力を高めるためのトレーニングに最適なのが、10歳くらいまでの子どもたち。脳をはじめとする神経系は、生後すぐから6歳ぐらいまで急激に発達し、10歳近くには大人と同様に発達します。
そのためには、ひとつのスポーツをとことん突き詰めるのではなく、さまざまなスポーツにチャレンジしたり、たくさんの外遊びをすることが大切です。以前は鬼ごっこで十分養われた能力でしたが、今は鬼ごっこをする場所もありません。7つの能力が育まれるカリキュラムを備えたスクールなどを通じて、脳と神経を刺激し、運動神経のいい子に育てましょう。
須田 敏男//
・現職:
シンキングサッカースクールコーチ
サカイクキャンプヘッドコーチ
千葉県八千代市トレセンスタッフ
千葉県第5ブロックトレセンスタッフ
・取得資格:
JFA公認A級ライセンスU-12
JFA公認キッズリーダーインストラクター
・指導歴:
バイヤー04レバークーゼン ユースアカデミーコーチ
福島県トレセン U-13コーチ
福島県トレセン U-11チーフコーチ
福島ユナイテッドFC U-15監督
取材・文/kilohana 前田陽子 写真/サカイク編集部
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